ずっと懸念していた逆イールド現象が4月1日に発生しました。
この逆イールド現象については既に数ヶ月前からブログに書いているので、改めてお話することはないのですが、この記事で「逆イールド現象とはどういうものか」「これが見られると何が起こるのか」をまとめておきたいと思います。
この記事のポイント
- 2022年4月1日に逆イールド現象が発生した。過去6回の景気後退前にはいずれも逆イールド現象が見られている。
- 逆イールド現象のピーク時にドル高からドル安への転換が見られる。また、株価の下落は逆イールド現象発生の平均15ヶ月から始まる。
- 逆イールド現象が発生しただけの今の段階では、まだ米国株を手放すことは考えていない。手放すなら、その資金はゴールドへ振り分ける可能性大・
不況の前兆、逆イールド現象が発生
冒頭からお話している「逆イールド現象」とは何かですが、これは米10年国債の利回りから米2年国債利回りを引いた値がマイナスになる珍しい現象です。
以下は最近の「米10年国債の利回りから米2年国債利回りを引いた値」の変化ですが、4月1日についにマイナスになったことが確認できました。
過去6回のアメリカの景気後退(不況)を振り返ってみると、景気後退の前に必ず逆イールド現象が起こっているので不況のシグナルとして投資家の間で恐れられています。
もう少し正確に言えば、投資家が恐れているのは景気後退そのものではなく、景気後退前から始まる大きな米国株の下落です。景気後退時の前からはじまる株価の下落は30-40%くらい下落することが多いので、この下落を心配してることになります。
また、私たち日本人のように米国以外から米国株に投資している人には、株価の下落だけではなく為替の影響も受けます。
米10年国債の利回りから米2年国債利回りを引いた値のグラフを見ていると逆イールド現象のマイナス幅がピークをつけた頃に、ドル高からドル安に転換していることがわかります。
なので、日本人の米国株投資家はこれからどこかで「米国株の低迷」と「ドル安」の資産を減らされる2つのリスクに対応しなければなりません。
株価下落はすぐには起こらない
ここまでの話は投資家にとって不安になるような内容でしたが、だからといってすぐに米国株を手放したほうが良いかどうかは投資家によって判断が分かれます。
私の場合は、逆イールド現象が発生しても、もう少し米国株を保有しても良いのではないかと感じています。
過去の逆イールド現象が起こった後の株価を見ても、しばらく株価の上昇が続いていることが多いからです。
以下の図を見ると、過去6回の逆イールド現象が発生してから平均15ヶ月は株価が上昇してからピークをつけていることがわかります。(※ただし、分散は9ヶ月と大きいので6月目の22年10月からはかなり警戒が必要)
>>【詳細記事】不況の前兆「逆イールド現象」と米国株のピークついて
この間にドル安が進んでしまっていたら株価が上がっても資産(円ベース)はあまり増えないかも知れませんが、私は米国株は保有をもう少し続けるつもりです。
逆イールド現象発生後の投資について
さて、今後の私の課題は資産をどう守るかです。
景気低迷時に強い長期米国債を買うというのも選択肢としてはありだと思いますが、ドル安や昨今の高いインフレ率は米国債の投資のリターンを減らすことを考えると、長期国債を積極的に買うには少し勇気がいります。
大きなリターンは狙えないかも知れませんが、ゴールドは第2の選択肢としてあり得るかも知れません。
ゴールドなら景気後退前の長期金利低下が見られる場合にでも、ドル安の場合でも、今のアメリカのインフレがますます激しくなった場合にも追い風を受けてそこそこのリターンを期待できるはずです。
今はまだ米国株に投資をしていますが、逆イールド現象のマイナス幅が深まった頃には米国株からゴールドに資金を一部振り分けることになりそうです。