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株価も5年間右肩上がり、好調が続くウォルマート【20年8-10月期決算】

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ウォルマートの21年度第3四半期(20年8-10月期)の決算が発表されたので、振り返っておきたいと思います。

結果はまずまず良かったです。予想以上に売上も利益も伸びて、好調が続いている様子が見られました。

ウォルマートはコロナの巣ごもり需要の波にものって、この1年間ずっと調子が良い状態が続いています。この冬もアメリカでは感染が拡大しているので、まだしばらく好調は続くかも知れません。

ただし、いつもは不人気なウォルマート株にしてはやや割高になっているように見えるので、追加投資までする必要はなさそうです。

今持っているウォルマート株はしっかりと大事に保有して、毎年増やしてくれる配当金を楽しみにしながら、何年後かに訪れるだろう買い増しのタイミングをじっと待つような、そんなのんびりとした投資がこの銘柄にはあっていると思います。

この記事のポイント

  • ウォルマートの20年8-10月期決算は予想を上回る好決算だった。
  • アメリカではコロナの好影響が一時期より弱まったものの、例年にない既存店舗の売上成長率が続いている。
  • この冬の感染拡大は健康上の脅威だが、ウォルマートにとっては引き続き売上を伸ばすチャンスになるかも知れない。
  • ただし、株価は既に割高なので、買い増す必要はない。個人的には、今持っている株が上昇すれば良し、下落すれば買い増すかどうかの検討すれば良いくらいのスタンスでのんびりと構えている。

予想以上に好調だった8-10月期決算


2020年8-10月期の決算は一株利益・収益・既存店成長率、いずれも予想を上回る好決算でした。

  • 一株利益:1.34ドルで、予想を0.15ドル上回る(前年比+16%)
  • 収益:1347.1億ドルで、予想を31.8億ドル上回る(前年比+5.6%)
  • アメリカ既存店売上:前年比+6.4%(予想は+3.9%)
単位B:10億ドル 21Q3 前年比
収益 $134.7B +5%
営業利益 $5.8B +16%
一株利益(EPS) $1.34 +16%

他の企業の決算を見慣れていると収益が+5%しか伸びていないというのは物足りなく感じるものですが、そもそも分母になっている3ヶ月の売上規模が1300億ドル(13兆円)と巨大なので、それが年間5%も伸びるのはすごいことです。

昨年までウォルマートは1-3%しか売上が伸びていなかったことに比べても、改善しています。

上のグラフを見ると、コロナの恩恵はだいぶ和らいだ印象もありますが、今期までは高い成長率を維持しているように見えます。

米国既存店売上も安定して高成長が続く

ウォルマートは米国の既存店舗の売上が占める割合が大きいので、アメリカの既存店舗売上成長率も確認していきます。

こちらも例年以上の成長率を見せていて、好調が続いているようです。

実は前回の決算発表では、8月に入ってから売上成長が鈍化しているとアナウンスしていたため、今期の既存店舗成長率は前期からかなり鈍化するのではないかと思われていました。

アナリストによる予想は+3.9%で、前期実績の+9.3%からかなり下がると予想されていたのですが、フタを開けてみると+6.4%とまずまずの好調ぶりを見せました。

どうも今年の8月のアメリカでは、9月から始まる新学期の様子がつかめなかったため、買い物需要がやってくるのが遅れていたようです。9月以降は無事に売上が回復して、8-10月期全体でも予想を上回る結果になった模様です。

決算発表のコメント

  • 前期の決算発表(8月)でも、既に伝えていたように8月のアメリカでの売上はそれまでの勢いを失っていた。
  • 8月の売上低迷は新学期の遅れが影響していた様子。9月なると新学期のためのスポーツ用品や家電などを中心に売上が回復した。
  • 10月になっても売上の勢いは衰えなかった。

割高が続くウォルマート


2020年のウォルマートは業績も、株価も好調が続いています。

実はコロナの流行が始まる1年ほど前のウォルマートの決算記事では割高で株価上昇の余地が少なく見えるという記事をたびたび書いていました。

しかし、2020年はコロナの巣ごもり需要を取り込んで業績を伸ばし、気づけばこの5年間の株価は右肩上がりのきれいな直線を描いています。

1年前はコロナが来ると思っていない買ったので、この展開は予測できませんでした。

でも、いくらウォルマートが近年好調だと言っても、この株は今の2020年11月のタイミングで買い増ししてなくて良いと思っています。

2021年以降にコロナが収束していく場合には、2020年の高い売上のせいで前年比の成長率は伸び悩む上に、いくつかのデータは既に割高を示しているからです。

まず、割高度を図るPERを見てみると、過去5年間は右肩上がりに上昇しています。


出典:Morningstar

こうしてみると、2015年はかなりお買い得でしたが、今は高いなと感じます。

また、配当金と自社株買いをあわせた利回りは、過去5年で最低レベルになっているので、投資の旨味があまりありません。


出典:Morningstar

2015年のような割安なタイミングが訪れたら、また買えば良いかなと思っています。

この手の長期投資に向いている銘柄はのんびりと構えて、数年単位で訪れる購入のチャンスを待つのが良さそうです。


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