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決算まちまちなウォルマート。株価はやや割高【2019年8-10月期決算】

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しばらく前の話になりますが、ウォルマートの決算は2019年8-10月期の決算発表があったので、こちらの記事で整理しておきたいと思います。

2019年8-10月期の決算と最近のウォルマートについて、この株価について私が感じていることを少し書きたいと思います。

  • 決算はまちまちの結果だった。一株利益は予想を上回ったものの、収益は予想を下回る。
  • 米国での売上は21四半期連続増加。オンラインセールスは前年比+41%
  • ただ、最近のウォルマート株はやや買われすぎている印象がある。割高を示すPERはアップルよりも高く、売上成長ではウォルマートよりも20%大きいGoogle(Alphabet)と同水準。ウォルマートの過去10年のPERを見ても高水準

まちまちの決算

ウォルマートの8-10月期ですが、利益や既存点売上は予想を上回る結果でした。ただし、収益はわずかに予想を下回ってしまいました。

  • 一株利益:予想を1.09ドルを上回る1.16ドル。
  • 収益:12兆8650億ドルの予想を下回る12兆7990億ドル(前年比2.5%)。
  • 既存点売上:予想3.1%を上回る3.2%。

もしも、収益もちゃんと予想を上回っていれば、良かったのですが、あと一歩及ばずでした。ただし、前期の決算でも触れましたが、ウォルマートの最悪期は脱した気配があります。

去年までの数年間は、オンラインショッピングにおされていました。でも、ウォルマートのオンライン事業も軌道に乗ってきたこと、アメリカの個人消費が堅調に伸びていることから、低迷を続けていたウォルマートが調子を上げている印象です。

米国で21四半期連続の売上上昇

収益は予想に届かなかったと触れましたが、一部はちゃんと良い成績も残しています。

中核事業になっている米国ウォルマートの堅調と、オンライン事業や食料品への積極的な投資がうまく機能している点は、前の四半期に続いてウォルマートに良い風を吹かせています。

米国でのウォルマートの売上はこれで21四半期連続の売上増になり、またオンラインストアの売上も41%上昇してます。特にオンライン事業は全四半期が37%成長だったので、成長は加速してるのは明るい材料です。

やや割高な印象があるウォルマート株

ただ、気になる点もあります。最近のウォルマート株についてです。

私もこの株は少しだけ持っているのですが、いまは正直買われすぎているかなと思っています。次のグラフはこの1年間のウォルマートの株価なのですが、右肩上がりに上がっています。とくに今年に入ってからの上昇率は既に27.35%です。

昨年まで低迷していた中から復活を遂げている企業とはいえ、正直、こんなに買われる株ではないです。

アップルよりも高いPER

株が買われ過ぎかどうかを判断する一番簡単な指標に、PERというものがあります。株価を一株利益で割った値です。これを使って、ウォルマートの割高を確認していきましょう。

PERが高ければ割高、低ければ割安と言えますが。ウォルマートのPERは23.31です。アップルの20.16よりも高く、売上成長率でウォルマートよりも約20%高いグーグルの24.33とほぼ同程度です。

これだけ割高ならば、私ならばウォルマートを避けて、アップルやグーグルに投資します。

過去10年のウォルマートのPERと比べても割高

PERに詳しい方は、きっとこういうはずです。「異なるビジネスのPERと比べるのは、ナンセンスだ」と。PERは業界ごとに水準も違うので、その指摘はごもっともです。なので、過去10年間のウォルマートのPERの推移を見ていきたいと思います。

2010年代前半はつねにPER10から15の間で推移していたのすが、ウォルマートはビジネスを変えたわけでもないのに、近年はかなり高い水準で株価が買われています。

2019年の一株利益は、おおよそ2011年時と同じくらいなのですが、2011年1月時のPERは約10でした。それに比べると現在の20を軽々超えるPERはかなり割高です。

金利の低下でも説明できない割高

金利と株価の関係を知っている人は、さらに「最近は金利が低くなってきたから、適正な株価も上がっている。つまり低金利時代だから、適正なPERも高くなっているのでは?」という指摘するかもしれません。

金利が低くなれば、適正なPERも高くなるので、ちょっと調べてみる価値はありそうです。

ただ確認してみたところ、アメリカの10年国債金利は2019年11月時点と、2011年1月でほぼ同じでした。つまり、金利は最近のウォルマートの割高の要因にはならなさそうです。

つまり金利も一株利益も2011年と2019年でほぼ同じなのに、ウォルマートの株価は2019年のほうが2倍以上高くて割高です。だから、単純に私はこの銘柄は買われ過ぎなのでは?と思っています。


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