2020年の大統領選挙があった日、株価も金利も大きく動きました。
特に、ハイテク株は+3%を超える大幅な上昇でした。
私は数年後に大きなリターンを得るために投資するのが好きなタイプなので、1日に株がどれだけ上昇しようがあまり興味はないのですが、この日は株も国債も価格が大きく動いているので、何が起こっているかくらいは把握しておいたほうが良さそうです。
この記事では、2020年の大統領選挙でなぜ米国株が全面的に上昇したのか、また国債も大きく買われたのかを考えていきます。
この記事のポイント
- 大統領選挙では「民主党バイデン候補が有利」な状況。同日行われた議会選挙では「民主党が苦戦し、バイデン氏が大統領になってもやりたい法案を通しづらい」という2つの見方が市場に広がった。
- この2つの見方が、株高と国債高を招いた(詳細は後述)
- 個人的には長期金利の上昇を懸念してしばらく追加投資を見送っていたが、長期金利が下がったので株の追加投資を再開することにした。
大統領線の決着がつかない中で、市場が重要視した要素
この記事を書いている時点では大統領選挙の結果はまだ出ていませんが、次の2つの状況が明らかになっています。
1つ目は「大統領選挙は民主党のバイデンさんが有利」だということ、もう1つは同じ日に行われている議会選挙で「民主党は圧勝できていないので、バイデンさんが大統領になってもやりたい法案はなかなか通せない」という状況です。
この2つを踏まえると、米国株も米国債も買われた仕組みが見えきます。
米国株も国債も買われた仕組み
この2つの状況が重なると、どうして米国株(特にハイテク株)も国債も買われるのでしょうか。その仕組を手短に箇条書きすると次のようになります。
米国株も米国債も買われた仕組み
- 米国株:バイデン氏が大統領になれば資産家への増税が心配されたが、実現が難しくなり株価上昇。
- ハイテク株:バイデン氏が掲げるハイテク企業への規制強化も実施が難しくなったことで、ハイテク株が大きく上昇。
- 国債:民主党がやりたい大規模な景気刺激策への期待が薄れたので、国債を増発して国債価格が下がる心配が弱まった。その結果、長期国債が買われて長期金利が下がった。
上は全体的な市場の動きを説明したものに過ぎません。実は、個別で見ると昨日は下落した株がいくつもあります。
例えば、銀行は長期金利が下がってしまうと金利収入が下がるので、銀行株が下落しています。また、早期の景気刺激策の実現が遠のいき、景気回復が遅れればエネルギー需要の回復も遅れるので、石油銘柄も売られました。
ただし、市場全体としては昨日の選挙の結果は投資家に歓迎されたようです。
今後の動きについて
一般的には、長期金利が下がると株価にはプラスに働きます。長期金利が下がると国債で期待できるリターンが下がるので、国債よりも株のほうが魅力的に移るからです。
なので大統領選挙を経て、国債が買われて長期金利が下がってくれたことはとても好印象です。
私はつい先日まで、「長期金利が上昇していたこと」「新型コロナウイルスの欧米での感染者数が増加していること」の2つを背景に、しばらく米国株への追加投資を止めて様子見をすると決めていました。
米金利上昇と感染拡大、しばらく様子見のため株の追加購入を控えます。
長期金利も新規感染者数もどちらも事態は悪い方向に進んでいるようです。金利上昇は基調で、6月に米国株が1日で7%も下落した水準に近づいています。また、新型コロナウイルスは23日に1日の感染者数としては過去最高の8万人超えを記録しました。
しかし、今回金利が大きく下がってくれたことで、投資を再開しても良いかなと感じています。
11月・12月は通常は株高が起こりやすい月です。アメリカで大統領が変わる年は9月〜10月の米国株は下がる傾向がありますが、11月12月から上昇する傾向があります。
「10月に米国株が下落しやすい」は本当なのか調べてみた。
10月に入ってから、「10月は季節的に下落しやすい」という話を聞くようになりました。私はこうした「何月は上昇しやすい・下落しやすい」という話をあまり信じないタイプなのですが、あまりに短期間で複数の人がいうのを聞くので、本当かどうかを1927年から2020年までのS&P500データを使って調べてみました。
2020年は新型コロナウイルスの再流行も見られているので、なかなか投資の判断が難しいですが、例年通りなら大統領が変わる前の10月までに安くなった株が、これから年末にかけて上昇に向かう可能性があります。