前回の記事はかなりの分量でしかも初めて取り上げる内容も多かったので、今回はその内容をかみ砕いて説明する記事にしたいと思います。
私の今後10年で起こるスマホの変化の予想を振り返りながら、なぜ私が今後スマートフォンがサービス化されるようになると考えるに至ったのかを、考えた順に沿って解説してみます。
もし、まだ前回の記事を読んでいなければ、先にこちらをご覧ください。
今後10年のスマホの変化
今日の記事は、今後10年以内に起こる変化について私の予想を書きました。要点をまとめると次の4点になります。
- スマホは携帯しなくなり、Googleアシスタントやアレクサなどの音声アシスタント搭載のイヤホンやネックレス等を持ち歩くようになる。
- スマホは画像や動画を見るときだけ、使用するようになる。
- スマホが必要なときは、会社・カフェ・ホテルなどに置いてある共用のスマホにログインした瞬間に、クラウドから自分のアプリやデータがダウンロードされて”自分のモノ”に変わる。
- スマホの機械自体は安価になり、他人のどんな端末でもログインと同時に”自分のモノ”になるサービスに毎月定額を支払うようになる。
世の中に溢れるスマホがなくなるという主張
実は今後スマホが使われなくなるだろうという主張は、そんなに珍しいものではありません。スマホの次の技術として、”OK, Google”で有名なGoogleアシスタントやアマゾンのアレクサなどのAI搭載される機器が多数発売されるからです。
また、最近の著名人の発言で有名なものとしては、2019年1月のビジネスインサイダーの記事の中で、バイドゥのCEOは今後スマホは無くなると発言しています。
中国IT大手・百度(バイドゥ)創業者の李彦宏(ロビン・リー)CEOが中国国営テレビの新年特別番組に出演し、「人工知能(AI)時代の到来で、スマートフォンは20年以内に消える」と“予言”した。(ビジネス・インサイダー)
(少々脱線しますが、よく読めばスマホがなくなるのは20年以内なんですね。。そりゃスマホもなくなるでしょう。)
スマホに代わる技術はまだ現れない
ただ、5年後10年後であれば、スマホはまだ使われていると思います。
その理由は、スマホが台頭してもPCが残り続けている理由と同じです。PCだからこそ会議資料作成やプログラミングが効率的に作業できるように、例えば音声アシスタントだけでは対応しきれない動画の視聴などでは、スマホならではの活用用途が残されていると考えました。
スマホではなく、空間上に3D空間を投影するホログラムという技術があるのでスマホは不要になるという反論もありますが、実用化されるのはまだまだ先だと思っています。
結局、スマホに取って代わるような携帯性に優れた画像・動画を表示できる技術がまだないのです。
次世代通信でダウンロードされるようになるのは、スマホ
では、スマホがまだ5年後も10年後も残るとしたら、次世代の高速Wi-Fiや高速携帯通信5Gなどの今の10倍の速度のネット環境で、いったいどんなものをダウンロードするだろうとかと考えました。
通信回線が高速化されるにつれて、ダウンロードするものはメール、写真、音楽、動画とどんどん大容量のなった歴史があります。今後新たにダウンロードされる動画よりも重いものはなんだろうと考えたときに思い浮かんたのは、スマホアプリでした。
動画のストリーミングのように、アプリを使いたいときだけ必要なアプリとデータが瞬時にダウンロードされ、使い終わったらそれらが消えてくれれば、他人のスマホであってもログインした瞬間に、自分のスマホのアプリをダウンロードして、あたかも”自分のスマホ”のように使えると思ったのです。
スマホのサービス化
これを考えた時、スマホが機体(本体)に縛られなくなったのを感じました。ホテル、会社、喫茶店など、あらゆる場所に空のiPhoneが置いてさえあれば、それに触れるだけで一時的に自分が普段使っているスマホの中身と同じになり、もはやスマホをもって歩く必要もなくなります。
もっというと、もはやスマホの形をしてなくてもネットにつながるタッチパネルさえあれば何でも自分のスマホに変わります。例えば、喫茶店のテーブルの各席にタッチパネルが埋め込まれれば、ログインした後タッチパネルに映し出されるのは、もはや”自分のスマホ”です。
つまり、スマホの本体には価値がなくなり、ダウンロードされる自分のスマホのアプリとデータが重要になります。今後は、スマホ本体を売るビジネスから、スマホをクラウドからダウンロードできるサービスに変化するのだと思いました。
これが前回の記事でもお話したスマホのサービス化です。
一般的に、製造業は業績が伸び悩んだら、高収益なサービス業に変化するのは流れがあります。実際にその例は1990年代のIBM、2000年代のGE、そして2018年のトヨタにも見ることができます。
2019年スマホ本体の売上は前年を下回り、売上ピークは既に過ぎました。これからスマホがサービス化するのも自然の流れと言えます。