コンテンツへスキップ

FRBパウエル議長が再任されれば、今後の金融政策はいくらか読みやすくなる。

  • by

先日の記事で書いたように、今の米国株は割高な国債に支えられて株価が上昇しています。

その国債の価格(利回り)に大きな影響を与えるアメリカの中央銀行FRBのトップについて、2022年2月以降も現在のパウエル議長が続投する可能性が増してきました。

この記事のポイント

  • イエレン財務長官はパウエル議長の続投を支持した。
  • パウエル議長が続投すれば、今後の金融政策は少しは読みやすい展開になるかも知れない。パウエル議長は金融緩和の縮小には消極的で今の状態をできるだけ引っ張ろうとする上に、2019年以降は市場の予想通りに金利を変更しているので見通しがたちやすい。
  • 2022年年末から予想されている政策金利の引き上げも、市場の予想通りになる可能性が高い。

イエレンさんはパウエル議長の続投を支持


今のFRBのパウエル議長は2022年2月までが任期です。

誰が引き継ぐのかはまだ決まっていませんが、イエレン財務長官はパウエル議長の続投を支持しているとの報道が出ています。

>>イエレン米財務長官、パウエルFRB議長の再任支持-関係者(ブルームバーグ)

FRB議長を選ぶのはバイデン大統領の仕事でイエレンさんが決めるわけではないですが、報道のとおりならパウエル議長の続投の可能性は高まっているはずです。

投資家から見たパウエル議長

パウエル議長の続投は、多くの投資家にとっても、悪くない話だと思います。

投資家から見ると、パウエル議長は次のような人に見えているはずだからです。

  • (1)金融緩和を積極的に推し進める人
  • (2)市場の予想通りに政策金利を動かしてくれる人

金融緩和を積極的に推し進める人

パウエル議長はかなり進んで金融緩和をやってくれる人です。

記憶に残っている人も多いと思いますが、2019年はまだアメリカの景気が強い段階から「米国の景気の強さが損なわれないように予防的に利下げをする」と言って金融緩和を打ち出すなど、この数年は積極的に緩和をしてきました。

金融緩和をやれば米国株は上昇しやすくなるので、パウエル議長が政策金利の引き下げをした2019年、コロナの不況で大規模な金融政策を打ち出した2020年は良く米国株が上昇しました。

この数年間で米国株に投資した投資家は、パウエル議長の緩和策の恩恵を受けて資産を増やした人も多いと思うので、パウエル議長続投を喜ぶ投資家は多いと思います。

一方で、(たとえば、金利の低いローンが住宅価格を押し上げるなどの理由で)金融緩和がインフレを招くことを警戒する投資家にも、パウエル議長の続投は悪くないです。

パウエル議長はFRBメンバーの中でもかなり金融緩和の縮小に消極的で、かなり長いこと金融緩和を続けてくれるので、インフレを見越した投資のチャンスを提供してくれるからです。

市場の予想通りに政策金利を動かす人

もう一つ、投資家にとってパウエル議長の続投が歓迎される理由は、パウエル議長の決断がとても読みやすいことにあります。

2018年こそ大半の市場の投資家の予想を裏切って、政策金利を引き上げることもありましたが、2019年以降の政策金利引下げは、ほぼすべて投資家が予想したタイミングで行動を起こっています。

悪く言えば、今のFRBの主要メンバーは市場任せで意思がないとも言えますが、市場の予想通りの動きが多ければ見通しが立ちやすくなり、投資家にとっては好都合です。

市場の投資家の予想通りなら、2022年12月にも利上げが起こるはずです。

市場は2022年12月までに政策金利が引き上げられると予想

さいごに

この記事では、2022年2月以降もFRBパウエル議長の続投の可能性が高まっているという内容を書いてきました。

パウエル議長は金融緩和を積極的に打ち出し、長く継続させるわかりやすいタイプの人なので、続投が決まれば今後の金融政策の見通しもいくらか見通しやすくなる気がします。

また、2019年以降はほとんど市場の予想通りに政策金利を動かしてきた人でもあるので、パウエル議長の続投は今後の利上げシナリオを読みやすくしてくれるという意味でも、投資家に歓迎されそうです。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。