7月から1ヶ月ほどアメリカ企業の決算を毎日見てきましたが、その感想を一言でいうなら「なんだか割高に見える銘柄が多いな」につきます。
普段、私はもともと長年投資しているITや生活必需品の銘柄を中心に企業を見ることが多いのですが、どちらも新型コロナウイルスの影響を比較的受けにくい分野のため、2020年夏の時点ではやや割高になっているのかもしれません。
今保有している銘柄は既に値上がっていて伸びしろがあまりないものもあるため、8月はまだ割安に見える銘柄を購入しようかと考えています。
この記事では、自分へのメモの意味も込めて2020年8月時点でまだそこまで割高には見えない銘柄をいくつか取り上げようと思います。
この記事のポイント
- 8月の購入銘柄候補をピックアップした。ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンなどの軍需産業はまだ割高な印象はない。
- 金融業界のブラックロックはわずかに割安。マネーがあふれる世の中で、ブラックロックが提供する金融商品に資金がこれからも流れるなら、業績上昇と株価再評価の余地もありそう。
- 2-3年株価が低迷しても保有し続けられるなら、石油大手エクソンモービルと半導体のインテルも候補にあがる。ただし、両社ともに短期間での復活は難しいので気長に待つ必要あり。
新型コロナウイルスからの回復に出遅れているホテル、航空から購入候補を選ぶことも検討しました。ただし、ホテルや航空業界の企業は規模が小さく、経営が不安定に見えるものがいくつもあるため今回の候補からは外しています。
8月の購入銘柄候補
2020年8月時点で個人的にまだ割安だと思っているのは、以下の5つの銘柄です。
割安に見えた銘柄
- ロッキード・マーティン(LMT)
- ノースロップ・グラマン(NOC)
- ブラック・ロック(BLK)
- インテル(INTC)※ただし長期保有が前提
- エクソンモービル(XOM)※ただし長期保有が前提
ロッキード・マーティンとノースロップ・グラマン
戦闘機で有名なロッキード・マーティン(LMT)、戦闘用ドローンで有名なノースロップ・グラマン(NOC)は2つとも軍需産業の企業です。
この2つの企業が割安かどうかは比較的わかりやすいです。割高な度合いをはかるForward PERという指標を調べてみると、2社とも過去5年間の数字よりも低く、割安な状態にあることがわかります。
Forward PER | 現在 | 過去5年平均 |
---|---|---|
ロッキード | 16.3 | 18.5 |
ノースロップ | 15.4 | 17.9 |
※Forward PERは[現在の株価]を[今後12ヶ月の予想を利益]で割った値です。
近年のアメリカは中国や中東と対立を深めています。実際に戦争はしなくても、対立が深まれば軍事費が増えることはあり得る話ですので、これらの軍需産業の銘柄が割安なうちに保有することは悪い話ではなさそうです。
ロッキード・マーティンとノースロップ・グラマンは、長年S&P500のリターンを上回っている企業のなので、長期保有もできるすぐれものだと思います。
人気を集めるハイテク企業のように株価の急上昇は期待できませんが、じっくり投資するには悪くない銘柄です。
ブラックロック
金融業界のブラックロックはETFと呼ばれる上場型の投資信託を提供していることで有名な会社です。
実はロッキード・マーティンやノースロップ・グラマンと違って、Forward PERは過去5年間よりわずかに高くなっています。
Forward PER | 現在 | 過去5年平均 |
---|---|---|
ブラックロック | 19.8 | 17.0 |
それでも利益率が比較的よいので、Yahoo Financeに書いてあるアナリスト予想通りに今後5年間は7%の収益成長を続けると仮定するなら、今の株価でも割安な計算です。
2020年のアメリカは政府や中央銀行の景気刺激策でマネーがあふれているので、ブラックロックが提供する金融商品に資金がこれからも流れるなら、好調な業績で株価が上昇する機会はあるはずです。
ブラックロックは2000年代の高成長期に比べるとたいぶ株価上昇は落ち着きましたが、それでも2010年代も引き続きS&P500のリターンを上回った優良銘柄だと思います。
インテルとエクソンモービル
最後に紹介するインテルとエクソンモービルは、今までの3つの銘柄に比べてかなり割安なことは確かですが、株価が復活するまでに数年かかる恐れがあるかも知れません。
エクソンモービルは新型コロナウイルスの流行で世界中の経済が停止して原油価格が急落した影響を受けて、業績に大きなダメージを負っています。
今後は新型コロナウイルスが落ち着いて、原油価格も上昇すれば、エクソンモービルの価格も上昇する余地があります。
時間はかかるかも知れませんが、下げ幅よりも上昇幅が大きい銘柄に思えます。
一方で、インテルは20年7月の決算発表で新製品の開発が遅れるとのアナウンスがあり、先行するライバルAMD社に差を広げられることがわかってから、株が急落して割安になっています。
この遅れを取り返すには数年かかる可能性があるため、決算発表直後の記事では私も「下落した理由が良くないため、この株を買うのは見合わせようと思います」と書いています。
インテル、次世代半導体の生産の遅れで株価大幅下落【20年4-6月期】
インテルの決算では、次世代半導体の生産に遅れが出ていることが明らかになりました。インテルは今まで半導体の設計と生産の両輪を自社で担ってきましたが、製造の面で他社に大きな遅れを取りつつあり株価は急落しています。
ただし、落ち着いてよく考えてみると、インテルとAMDは昔からシーソーゲームのような激しい半導体開発競争をしていて、1社が開発できて他社が開発できなかったものはありませんでした。
インテルは今は劣勢ですが数年かけて追い上げる可能性は十分にあり、時間をかけて安値をひろいに行ける銘柄になるかも知れません。
エクソンモービルもインテルも株価回復には時間がかかりますが、じっくり待てる投資家ならば選択してとしてはありかも知れません。
この記事では5銘柄ほど割安に見える銘柄を取り上げましたが、他にも業界を広げて探して最終的に8月の購入銘柄を決めたいと思います。