割安な銘柄を探すために、低迷している航空業界やホテル業界の株に投資するなら、どの企業が良いかを見てきました。
低迷する航空業界の株を買うなら、どこの企業か。
2020年の航空業界は、新型コロナウイルスの流行で大きなダメージを負っています。しかし、低迷してるときこそ投資のチャンスが訪れます。この記事ではアメリカの航空会社の中で投資するなら、どの株が安全かを調べました。
低迷する米ホテル業界の株を買うなら、どこの企業か。
この企業では、低迷している米ホテル業界で購入するならどの企業が良いかを考えていきます。ホテル業界では2022年までコロナ前の需要に戻らないと言われており、この苦しい期間を耐えしのげるかが焦点になりそうです。
しかし、低迷している業界を拾いに行くとしても、もう少しだけ安全な投資先を探しているなら、石油業界のほうが良いかも知れません。
ホテル業界や航空業界はS&Pなどの格付け会社からの評価が低く、借金をして資金を調達するにも高い金利でしか借りられない企業が多いので、経営に不安な点があります。
この記事では、アメリカの石油会社で有名な企業をいくつか比較しました。何もひねりのない結論ですが、安全に投資するならエクソンモービルやシェブロンあたりが、狙い目になると思います。
石油業界はまだまだ数年に渡って低迷する可能性がありますが、今の株価でも既に割安なものがいくつか見られるため、じっくりと時間をかけて投資できると思います。
この記事のポイント
- アメリカの大手石油業界の中では、エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスは比較的経営が安定している。
- これらの企業の株価は現段階で30%程度割安についているので、時間をかけて評価が見直されれば株価が上昇余地がある。
- エクソンモービルやシェブロンは黒字化する時期が比較的早い点も、高評価。
エクソン、シェブロン、コノコフィリップスは比較的安定した企業
2020年前半は原油安に加えて、新型コロナウイルスでエネルギーの需要が急減速して、石油業界はかなりツラい状態に陥りました。
しかし、2020年4-6月が最悪期でこれから少しずつ各社とも調子は上向いてくると見られています。
ここでは、アメリカを代表する石油大手企業の経営状態を次の2つの観点で比較してみます。
- 流動比率(Current Ratio):今後1年の負債などの支払いに対して、現金が十分にあるか。この値が大きいほど安全。
- 負債比率(Debt/Equity):負債額を自己資本でわった値。この値が小さいほど安全。
企業名 | 流動比率 | 負債比率 |
---|---|---|
エクソンモービル | 0.93 | 0.39 |
シェブロン | 1.14 | 0.25 |
コノコフィリップス | 2.69 | 0.48 |
フィリップス66 | 1.25 | 0.7 |
キンダーモーガン | 0.48 | 1.08 |
BP | 1.3 | 1.24 |
※BPはイギリスの企業ですが、有名なのでついでに調べてみました。
まず、現金にどれだけ余裕があるか(流動比率)ですが、キンダーモーガン以外はだいたい1.0前後で、すぐに現金が不足するような状況ではありません。
加えてエクソンモービル・シェブロン・コノコフィリップスの3社の負債比率は、他社に比べるとかなり低く安定しています。長年負債を抑えながら、健全な経営をしてきたことが伺えます。
今後現金が不足する懸念が出た場合に低い金利でお金を借りるためには、高い格付けがついている必要がありますが、これについても現時点では各社問題なさそうです。
S&Pの格付けをみても、どの会社の評価もAA〜BBB以上で全て投資適格のランクで安定しています。
特に、エクソンモービルとシェブロンは業界の中でも高いAAの評価なので、この2社は資金繰りに困ることは今のところなさそうです。
企業名 | 格付け | 見通し | 評価日 |
---|---|---|---|
XOM | AA(投資適格) | ネガティブ | 5/16 |
CVX | AA(投資適格) | ネガティブ | 7/22 |
COP | A(投資適格) | ネガティブ | 3/26 |
PSX | BBB+(投資適格) | ステーブル | 6/8 |
KMI | BBB(投資適格) | ステーブル | 5/1 |
BP | A-(投資適格) | ステーブル | 7/28 |
以上をみてみると、石油業界の中ではエクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスあたりが比較的安心して投資できそうな気がします。
コロナ前の利益水準にいち早く回復するエクソンモービル
エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスの3社が比較的安定していることはわかりましたが、いつまでも赤字では投資家として不安になります。
そこで、アナリスト達によるこれら3社の今後の利益予想も見てみると、エクソンモービルとシェブロンは2020年第4四半期(10-12月)に黒字化が予定されていることがわかります。
コロナ前の2019年第4四半期の業績にいち早く戻るのは、どこかという視点で上のグラフを再度眺めると、エクソンモービルの回復が3社の中では一番早そうで、時点でシェブロンという感じになっています。
経営の安定性と今後の予想利益を見ると、コロナ危機を無事に乗り越えられそうな企業としてエクソンモービルもシェブロンあたりが狙い目かなと考えています。
エクソンモービルとシェブロンの株価は売られすぎの水準にあると思っていて、適正価格を調べる限り現在の株価から30%程度は上昇余地があると思います。
上昇余地があっても、株価が再評価されるまでに数年かかることもあるかも知れませんが、今はこれら2社の株は買っても良い時期にあると思います。