アマゾンは2019年1月にシアトルで自動配達ロボットScoutの試験導入を開始しましたが、その第2の都市としてカリフォルニア州アーバイン地区でも試験導入が始まったようです。
What’s next for Amazon Scout? – Amazon
Scoutは、見てるだけで和むような人懐っこいデザインをしている自動配達ロボットです。人、車、待ちのベンチや信号など、街の歩道と障害物を認識しながらゆっくり歩き、配達所から家まで荷物を運んでくれます。
こちらはアマゾンScoutのプロモーション動画です。実にゆっくりと、しかしちゃんと配達をしている様子が見て取れます。
アマゾンのネットショップの鍵を握る配送コスト
クラウドAWSやスマートスピーカーEchoだけでなく、最近では人工衛星を使ったインターネット環境の構築など、事業が多岐にわたっているアマゾンですが、それでも売上規模が大きいのはまだまだネットショッピングです。
そして、このネットショッピングでは小売最大手のウォールマートと競争をしています。
ウォールマートは全米どこでも2日以内に無料で配送するネットショップのサービスを行っています。これに対抗して、アマゾンはPrime会員(有料会員)向けに1日配送を標準サービス化して売上を伸ばした一方、コストがかさんで利益が予想を下回るなど、ネットショップでは配送サービスとそのコストが重要な位置を占めています。
こうした背景から、アマゾンは効率的な配送の実現のために、常に新しい挑戦をしてきました。一つは先日の記事で紹介したドローンであり、配送ロボットScoutでした。
GoogleにAmazonも、相次ぐ完全自律型ドローン配送の実用化。
着実に進みつつあるScoutの歩み
今回、Scoutの配送対象として追加されたのはカリフォルニア州オレンジ郡アーバイン地区です。この中で、Primeメンバー向けのほんの一部の配達をScoutがランダムに担当することになります。
始めのうちはScoutだけでなく、万が一の場合に備えて人間のスタッフもScoutに付き添うようです。しばらくは、スタッフの都合で、Scoutが街に出かけるのは平日の日中だけになります。
Scoutの歩く早さ同様にゆっくりではありますが、配送無人化に向けてアマゾンも着々と歩みを進めています。