自動化が進む移動サービス– 2020年代の変化を見据えた投資テーマ(2)

  • yuta 
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前回から2020年代で起こることは何かという視点で投資テーマを扱っています。今回は2回目で、移動サービスについて触れます。

前回の記事はこちら:雲の上に築かれるAmazonとMicrosoftの牙城 – 2020年代の変化を見据えた投資テーマ(1)

自動運転タクシーなどの新しい移動サービスの実現

この分野が2020年代に花開くのは、ある一つの技術が花開くからです。

それは自動化です。

自動運転をする自家用車だけでなく、UberやLyftで呼び寄せるタクシーが自動運転にかわり、宅配便も自動運転で家の近くまで配送されるようになります。

参考記事:自動運転Waymoとタクシー配車Lyft、ロボタクシーで提携(NEWS CARAVAN)

なお、この自動運転は陸路に限りません。既に、2019年に地域限定ながらドローンによる配送も始まっており、さらには空飛ぶタクシーも様々な企業が実証実験を行っています。これらは技術的に難しいのではなく、一番難しい課題は国や自治体の法律の整備に移っています。

時間をかけながら徐々に2020年代後半から、空路の自動運転であるドローンと空飛ぶタクシーも世界に羽ばたいていくと思われます。

ちなみに毎度のことですが、日本で本格的に空路の自動化が進むのは、2020年代では難しいでしょうね。経済産業省は空飛ぶタクシーを日本で取り組もうと頑張ろうとしていますが、いかんせん保守的な国なので、海外で一般的になってから実用化が現実的な気がします。

日本は導入が遅そうですが、世界的には移動サービスは2020年代に大変革を遂げると思っています。ただ、その変革では陸、空、宇宙と様々なフィールドで新しい移動手段・サービスが展開されるため、とても1記事で書ききれません。今回は陸のサービスについて触れることにします。

それでは、2020年代に発展していく陸の移動サービスとその主要プレイヤーを拾っていくことにします。

自動運転車は技術的にほぼ完成

移動サービスで一番の王道な、車の自動運転からいきましょう。

まだオリンピック開催地が東京に決まっていなかった数年前、オリンピックの2020年には東京にも自動運転の車がたくさん走るようになっているとの話が出ていたのを覚えていますでしょうか。しかし、現実に2019年7月の現時点では、自動運転の車が公道を走っているのを見ることはないです。

まず、そもそも自動運転ってちゃんと開発が進んでいるのかから話を進めます。

結論から言うと、ちゃんと技術の開発は進んでいます。例えば、Alphabet(Googleの親会社)の傘下で自動運転を開発するWaymoはカリフォルニアの公道での自動運転の実証実験で、1800km走って初めて1回自動運転モードが解除されるペースでの高精度な自動運転に成功しています。

グーグルの自動運転Waymoが大きくリード。自動運転開発競争に終止符か。

ただし、この自動運転は豪雨や吹雪の中では視界不良のために自動運転ができないことがわかっています。なので、自動運転も最高レベルのレベル5ではないのですが、日常レベルでは十分に走行が可能なため、既に2018年12月アリゾナ州でWaymoは自動運転タクシーの配車サービスのWaymo Oneがサービス展開されています。

なぜアリゾナ州かというと、アメリカの州の中で最も自動運転の法規制が緩いからです。WaymoのCTO(最高技術責任者)は、既に技術的には自動運転開発で越えなければいけない壁はないと発言しています。今この自動運転に立ちふさがっているのは、法律整備の壁なのです。

この分社の注目企業はAlphabet(シンボル:GOOGL)とGM(シンボル:GM)です。この2社の高い技術は群を抜いています。Alphabet傘下の自動運転開発会社Waymoは業界トップレベルです。

UBSはWaymoを高く評価していいて、2030年にはWaymoの売上は1,140億ドル(約12兆円)と試算しています。2018年のGoogleの売上が1,368億ドル(約15兆円)なので、あと10年で2018年時のGoogleに迫る巨大企業になります。

また、GMが買収して傘下におさめた自動運転開発のクルーズは、あのYコンビネーターから生まれた天才集団で、完成度はWaymoに匹敵します。

Yコンビネータは詳細はこちらの記事の「Yコンビネータとは」の章をご覧ください:【考察】ベーシックインカムで生活が楽にならない理由。

AlphabetとGM以外で幅広くこの分野の企業を探すならFord(シンボル:F)とAptiv(シンボル:APTV)も視野に入ってくると思います。この2社も高い技術を持っているからです。

中国企業にも視野を広げるならBaiduが有力筋です。中国政府は中国企業が自動運転を開発するのを法整備の面を含めて支援を積極的に行っているため、米国企業は政府の法律に引っかかって開発が進まない中、思わぬダークホースになる可能性が十分あります。

自動運転タクシー配車サービスの登場

さて、このペースで思いの丈を書きつづると、誰も末尾までたどり着けない超長文ができあがるので、これからは巻きで行きます。

次のテーマはタクシー配車サービスです。アメリカでは既にUberやLyftといった企業が大々的にサービス展開しているので「何をいまさら!」という人も多いかと思います。しかし、このサービスが世の中に影響を与えるのはこれからです。

イギリスでは配車サービスの誕生を受けて、2019年1月には自動車の生産台数が前年同月比で18.2%減り、8カ月連続の減少を記録するなど、早くも「車を所有しなくなる時代」が到来していると報じられていますが、今後この傾向は配車タクシーの自動化によって一気に加速化することになります。

配車されるタクシーに自動運転が搭載されれば、現在タクシーの運転手に支払っている運賃は、自動運転車開発企業に変わります。自動運転車は量産化によって単価が年々下がるはずなので、タクシー配車サービスの料金が下がり、世の中の車の所有はますます減り、タクシー配車サービスの売上も利益率も改善されることになります。

UberとLyftどちらを買うのか問題。論点は自動運転にどう向き合うか。

この分野の注目企業はUberとLyftです。ただし、これらの企業は2019年現時点では赤字企業でなので、投資家の皆さんはリスクの高い銘柄であることを十分お気をつけください。

自動化が進む配達サービス

さて、陸路の移動サービスのもう一つ注目なのは、配達サービスです。さて、店舗や倉庫を結ぶ拠点の物流は、自動運転の車が担うことになると思いますが、どうしても工夫が必要なのは、最後に荷物を家に届けるまでのラストワンマイルです。

これについては、自動運転車やトラックよりも小回りが効くものが求められており、以下の動画のように愛くるしいロボットが活躍することになるかもしれません。

この分野での有力企業はAmazonとフェデックスです。上記の動画はAmazonですが、フェデックスも以下のような、これまた愛くるしいロボットが頑張って街中を歩き回るものを作っています。

ただし、この分野は自動運転車の開発や、自動運転タクシーの大きな規模の経済効果を生み出さない恐れがあります。それでも、宅配を専門にしている企業の利益室の改善は、大きなものになると思います。

さて、ここまでで陸路の自動運転を拾いましたが、長文になったので一旦ここで文書を区切ります。次回は、より先進的な2020年代の空路の移動サービスを取り上げます。