【初心者向け】バフェットも注目する経済的な濠とは何か。

  • yuta 
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バフェットも注目する経済的な濠

2019年5月、バフェット率いるバークシャー・ハサウェイがAmazon株を買ってから初めての株式総会でのことです。

参加者からの数時間にも及ぶ毎年恒例の質疑応答の中で、若干9歳の女の子から「バークシャーがハイテク企業の価値を測り方を世の中に提案するべきではないか」と質問に対して、バフェットはこう答えました。

「経済的な濠(ほり)が深い企業がいい。この原則は変わらない。」

さて、バフェットも注目しているこの経済的な濠とは何でしょうか。

このブログの記事でも「経済的な濠」という単語は度々登場しており既に知っている方多いと思いますが、その都度「経済的な濠とは…」と説明を入れるのも、冗長なので一度記事にしてまとめて書いてしまおうと思います。

経済的な濠とは何か

そもそもですが、「濠」って書くとわかりにくいですね。「掘」とも書きますが、城の周りを取り囲んで敵の侵入を防ぐ人工の水路のことを言います。かつて江戸城だった皇居周辺には、白鳥が舞い降りたりする水辺がありますが、あれが濠です。

「経済的な濠」とは、企業がライバル企業からの侵略を防いで、競争優位性を生み出してくれる「強み」のことを言います。

経済的な濠を持つ企業は他の企業に負けず長い間に渡って利益を出し続けることができるので、長期投資家はぜひどのような特徴を持つ企業が経済的な濠を持つと言えるのか、知っておきたいところです。

モーニングスターは、どういう状態にある企業が「経済的な濠」がある企業と言えるか、5つの種類に分類して整理しています。

Economic Moat (モーニングスター公式サイトより)

  • ネットワーク効果がある
  • 無形資産がある
  • コスト優位性がある
  • 乗り換えコストがある
  • 市場規模が小さい

ネットワーク効果がある

「ネットワークへ効果がある」とは、より多くの人々がサービスを利用するにつれて、企業やサービスの価値が高まる状態のことを言います。例えば、Lineをインストールするのは友達の多くがLineを使っているからで、Instagramをやるのもオシャレなユーザが数多くいるからで、もしもユーザ数が多くなかったLineもInstagramもやらないはずです。

ネットワーク効果が一度発生すると、別の企業が同じようなアプリを提供しようとしても、ユーザを既存企業から奪うことができず競争しても勝てない状況が生まれます。

こうしたネットワーク効果はSNS企業だけにとどまりません。クレジットカードのビザカードはマスターカードは、世界中で最もユーザが多いクレジットカードとして有名ですが、あるお店のオーナーがクレジットカード決済に対応しようとした時「多くのユーザがいるビザとマスターカードに対応したい」と思うのは、ネットワーク効果のおかげです。

Amazonのショッピングサイトには、出店者が出品して商品を売るマーケットプレイスもありますが、出品者が多くなるほどユーザにとって、Amazonは何でも揃うショッピングサイトとしての価値が高まります。

ネットワーク効果をもつ代表的な企業・サービスは以下の通りです。

  • Facebook(Facebook、Instagram、WhatsApp)
  • Amazon(ショッピングサイト)
  • eBay(ショッピングサイト)
  • Visa(クレジットカード)
  • mastercard(クレジットカード)
  • PayPal(決済アプリvenmo)
  • Square(決済アプリSquare Cash)
  • Microsoft(みんな使っているOfficeソフト)
  • Adobe(デザイナ専用ソフト)

無形資産がある

無形資産というと分かりにくいですが、「強いブランド」、「特許」、「ライセンスや資格」があることを言います。

良くも悪くも例に上がりやすいのは、製薬会社です。薬は販売後数年は、特許によって他の企業が同じ製品を作れないので、他の企業の模造品を防いでビジネスができ、この間は高い利益率を出すことができます。しかし、その特許が切れるとジェネリック医薬品が発売され、その効力を失ってしまう点は注意です。

このように特許などのように国から保護もらえたり、携帯電波の周波数のように国からライセンス・資格を与えられる場合には、新規企業が簡単に参入できない状態が生まれるため、経済的な濠が生まれます。

無形資産の代表的な企業をリストアップします。

  • 製薬会社(薬の特許でビジネスが守られている)
  • 通信会社(周波数ライセンスでビジネスが守られている)
  • AT&T(国から使用できる周波数を許可)
  • ベライゾン(国から使用できる周波数を許可)
  • コカ・コーラ(創業1892年の高いブランド力)
  • ティファニー(創業1837年!!を支える高いブランド力)

コスト優位性がある

大量に仕入れて原材料費をこさえることができる大企業など構造的にコストを抑えることができる企業も、経済的な濠がある状態です。大規模な仕入れを行う企業は、価格の競争力が強くなるため、大企業が

マクドナルド、ウォールマートは大量に原料や商品を仕入れることで、他の企業よりも安価なコストを実現していますし、アップルのiPhoneは機種の数を絞って大量に台湾のフォックスコンに生産を受注することで、圧倒的にコストを抑えてiPhone高い利益率を実現しています。

  • マクドナルドなど大手食品企業
  • ウォールマートなど大手流通企業
  • アップルなどの大手メーカー

この手の経済的濠は、基本的に大企業が享受することが多いです。個人的な見解ですが、ダウ平均が長年リターンを出し続けている原動力は、コスト優位性があることが主な要因だとも思っています。ダウ平均採用銘柄は、業界の最大手の企業が選択される傾向があるからです。

乗り換えコストがかかる

製品の使用を中止するのが高すぎるか面倒な場合は、ユーザが簡単に他社の製品に乗り換えることができないため、経済的な濠が生まれます。例えば、クラウド上に大規模なシステムを構築した場合に、そのシステムを別のクラウドに移すのは手間がかかります。

また、一番身近でわかりやすい例は、日本の携帯電話会社かもしれません。「2年縛り」は乗り換えコストは、悪質なくらい明確で意図的な乗り換えコストを発生させており、ユーザが他の企業に乗り換えるのを防いでいます。

実は、最近ビジネス界で流行りのサブスクリプションビジネスは「わざわざ解約しない限り、契約が続く」ため、乗り換えコストによって経済的な濠を作るビジネスだったります。

  • Amazon(クラウドサービス、プライム会員)
  • Microsoft(クラウドサービス)
  • ネットフリックス(動画配信)

市場規模が小さい

他の企業がわざわざ攻めこんでも元が取れないほど業界規模が小さい場合も、経済的な堀がある状態です。

ですが、正直言いますと私はこの分野の有名な企業はあまり詳しくないです。日本では、マンホール業界の日之出水道機器が国内シェア6割を占めているそうですが、市場規模がさほど大きくなく新規参入によって他の企業から攻め込まれにくい状況が生まれている可能性があります。(※2019年にがっちりマンデーで見た程度の知識です。財務諸表は見ていないので、投資をする際はご自身で確認して下さい。)