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ちょうど1年前、米国株が底値をつける直前に考えていたこと。

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1年前の2020年3月23日は、米国株が新型コロナウイルスの影響を受けて急落している中で底値(最安値)をつけた日でした。

振り返るのにちょうどいい日なので、この記事で1年前のことについて書きたいと思います。

1年前の自分が書いた記事を読み直して市場の急落時に何を考えていたかを振り返ると、そこそこ今の市場を良く言い当てている箇所があったので、この記事で触れていきます。

この記事のポイント

  • ちょうど1年前の2020年3月23日は、コロナの影響でS&P500が急落する中で底値をつけた日だった。
  • 1年前の当時の自分の記事を読み返すと、急落する中でも景気刺激策で株高になる点、株高のあとに高インフレになる恐れがある点を指摘していた。

稲妻が落ちるように下落して、勢いよく反発した米国株市場


まずは、記録的に下落ペースが速かった2020年3月頃のコロナショック時の米国株の値動きを見ていきます。

以下のグラフにも書きましたが、この頃はわずか1ヶ月で34%も下落するほどの急落がおき、投資家の心理は一気に冷やされていきました。

約1ヶ月で34%も下落したS&P500

大きく株が下落した日のS&P500の下落率をひろってみましたが、たった1日の値動きがマイナス10%を超える日もあり、マイナス3%程度の下落率なら可愛く見えるほどでした。

しかし、その後は皆さんもよく知っているように米国株は急速に息を吹き返します。

底値をつけた3月24日からわずか1年でS&P500は76%も上昇しました。正直ここまで株価の上昇が激しいとは、私も想像していませんでした。

底値から1年間で急回復したS&P500

当時の私が考えていたこと

せっかくなので1年前のわたしは一体どんなことを考えていたのか、過去のブログの記事を探して読んで見ました。

ちょうど1年前の3月23日に書いた記事がこちらです。

さすがに今後1年で+70%超えの株価上昇が起こるとは予言していませんでしたが、この記事が意外にもまともなことを書いているので少し驚きました。

上の記事は2020年3月23日の日本時間の昼に書かれていて、その日の晩のニューヨーク市場を最後に株価が下げ止まることを知らない状態で書いているものです。

他の投資家が一番悲観的になっている時期だったはずですが、今後は「景気刺激策の発動で株高になる」と本文で書いています。

1年前の記事で書いたポイントの抜粋

  • 歴史が繰り返されるなら、新型コロナウイルスがピークをすぎれば、景気刺激策で株高が来る。
  • 気をつけるべきは、(景気刺激策の副作用として現れる)景気の過熱とインフレ率の上昇。新型コロナウイルス後のインフレの恐れも考えると、株だけではなくインフレにも強い金や不動産投資信託REITなども、わずかに購入しておいたほうが良いかも知れない。

あれ。思ったよりもちゃんした予想をしていますね。

3月23日の底値をつける直前のタイミングで今後は景気刺激策で株価を押し上げると指摘している点、さらに景気刺激策のデメリットとして万が一高インフレを引き起こすと1970年代のように株のリターンが低迷するリスクがあると指摘している点は、1年経った今振り返ってもそこそこ予想はあたっているように見えます。

また、景気刺激策でインフレ率が上昇するデメリットあったとしても、株価の上昇のほうが先に起こるとこの頃から思っていたようです。

当時の底値から5日後には「インフレよりも先に株高が来るはずだから、2020年から1-2年程度は株中心の投資で良い」という旨の記事を書いています。

(※その後、コロナで恩恵を受けるはずのアマゾン株への少額の投資を開始しますが、しばらくして自分の予想を信じてもっと大胆に現金から株に資金を移すべきだったと反省することになります。)

1年前に考えた「今後の投資」は今もおおむね変わらず


1年前に書いたこの記事の中で、当時考えた「今後の投資行動」があったので、最後ここに掲載しておきたいと思います。

1年前に書いた今後の投資行動

  • 20年初夏〜21年3月頃:たまに訪れる株価の下落に耐えながら、株を中心に資産を買い進める。
  • 21年-22年:仕込んだ株が上昇するのを待つ。見込みが外れて、景気低迷が長引いても待つ。株価上昇後はFRBの利上げなど金融引き締めとインフレ率上昇に注意。
  • その後:FRBの利上げやインフレ率上昇が見られたら、株を一部売却。金などをインフレ対策資産を増やす。

これらの考えは今も変わっていません。今後どんなイベントよりも重要になってくるのは、FRBの政策金利の利上げだと思います。

当時は、1年後の2021年3月頃までは株を仕込む時期だと考えていたようですが、今の考えもおおむねその通りです。

少しだけ変化があるとすれば、株の売却のタイミングはFRBの利上げよりも少し前でも良いかも知れないと考え直したことです。

2021年3月現在は長期金利の上昇で米国株の上昇にブレーキがかかって投資家は警戒しながら投資をしていますが、2021年後半にはアメリカはワクチンの接種が進んで約30年ぶりの好景気になり、投資家も浮足立つはずなので、そこで株の一部売却を進めようかと思っています。

他人が絶望して売りに出した時に買い、他人が最高の好景気だと買いに走る時に売る

(ジョン・テンプルトン)

こうして1年前の自分の記事を振り返ると、当時コロナの混乱で慌ただしく変化する市場の中で考えたことの割には、たいぶ落ち着いて周りが見えていたように思います。

一方で、2021年現在は市場の値動きは落ち着いているのに、今後数年がどのような展開になりそうかが当時ほど見えていないので、もっと時間を使って1-2年先のことを考えないといけないとも感じました。


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