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米国株が大きく崩れる時はジャンク債が教えてくれる

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2022年の米国株は最初の1週間が終わりました。

株価は少し下落したようですが、とても割高なハイテク株さえ避けていればこの下落は全く問題ないと私は思っています。

この1週間に書いた記事で既に何度か「まだ今は投資を続けて大丈夫」「まだS&P500は最高値は更新するはず」と書いてきましたが、今回はジャンク債の動きに注目してもう一つだけまだ米国株は大丈夫だという理由を書きたいと思います。

この記事のポイント

  • アメリカの景気が本格的に危ぶまれた時には、ジャンク債(ハイイールド債)が国債に比べて極端に売られる動きが出る。
  • 新型コロナウイルスの流行して米国株が急落した2020年だけでなく、利上げをし過ぎて株価が急落した2018年でもジャンク債が大きく売られる動きが見られた。
  • 一方で、2022年1月はジャンク債が米国債よりも売られる動きは見られない。景気も米国株も今はまだ大きく悪化する気配はない。

債権投資家の動きを眺める


たいていの場合、アメリカの景気に大きな問題が差し迫ったときには、株式市場よりもまず債券市場が大きく動き出します。

なので株をメインに投資している人でも、債券市場の動きを横目に見ていると大きな景気の曲がり角をいち早く知ることができます。

たとえば、2020年の新型コロナウイルスで株式市場が大きく下落したときには、債権市場ではまずジャンク債(ハイイールド債とも呼ばれる、ハイリスク・ハイリターンな債権)が大きく売られる動きが見られました。

次のグラフの青線(ジャンク債のイールドスプレッド)はジャンク債が売られるほど上昇するのですが、2020年2月頃には急上昇していることがわかります。

上のグラフは赤線には米国株S&P500の株価指数を表示していますが、同じく大きな下落が起こっています。

また、利上げをしすぎて米国株が大きく下落した2018年を見ても、株の下落と同時にジャンク債が大きく売られたようです。

2022年1月時点でジャンク債は売られずに安定している

一方で、2022年1月のジャンク債の様子を見てみると、ジャンク債は国債に比べて大きく売られている気配はまったくありません。

以下の図でジャンク債と米国債のイールドスプレッド(青線)を見ても下に張り付いたままです。

これを見る限り、まだ米国株の大きな下落局面は来ていないのだと思います。

たしかに、年初から米国株は売られていて、なおかつ今後は中央銀行のFRBが金融政策を引き締めるという大きな懸念材料はありますが、債権市場の動きを見ている限りは今をピークに米国株が大きな下落をするようには見えません。

私も2022年の米国株はどこかで大きな下落があってもおかしくないと思っていますが、それは今ではないと考えています。


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