このブログでも何度も取り上げていますが、長期的に自動運転が経済に与える影響は絶大だと思っています。
タクシー配車サービスが充実している欧米では既に車は所有するものから必要なときに呼び寄せるものにシフトしつつありますが、自動運転によって運転手の賃金が不要になるためコストは劇的に下がり、また同じ仕組みで配送や輸送のコストも大きく変化するからです。
自動化が進む移動サービス– 2020年代の変化を見据えた投資テーマ(2)
自動運転の技術的は、大雪や台風などの非日常の環境ではければ既に実現可能なレベル(自動運転レベル4)まで来ていて、世の中へ普及を阻んでいる最大の要因は法律が間に合っていないことにあります。
自動運転を阻む規制の壁〜ガートナー先進技術ハイプ曲線2019を読む。
「本当に自動運転ってそんなに進んでいるの?」懐疑的に見る人にも、納得してもらえるデータがカリフォルニア州から提供されています。
レベル4の自動運転のトップ集団を率いているのが、Googleの親会社アルファベットで自動運転を開発するWaymoと言われていますが、カリフォルニアで行われた乗客を乗せた走行実験でも、その実力をいかんなく発揮しているようです。
わずか1ヶ月で先行するライバル企業をごぼう抜きしたwaymo
waymoは7月2日にカリフォルニア州が進めている、自動運転タクシーの走行試験の許可をもらって、乗客を乗せた走行試験を実施しています。
Googleの自動運転Waymo、自動運転タクシーの走行試験をカルフォルニア州が許可。
乗客を乗せない公道での別試験(DMV)でも、waymoは他社を上回る乗車性能を見せていましたが、乗客を乗せた試験でも、先行して許可を得て実験を勧めていたライバルを圧倒する距離を走行していたことがわかりました。
カリフォルニア州が公開した乗客を乗せた自動運転タクシーの走行実験データ(19年5-7月)では、waymoが試験許可を得た7月2日以来、1ヶ月弱しか走行期間がなかったにも関わらず、ライバルと桁違いの距離を自動走行していたことがデータから明らかになりました。
19年5-7月期 | 走行回数 | 乗客 | 走行距離 |
---|---|---|---|
waymo | 4,678回 | 6,299人 | 59,917マイル |
zoox | 70回 | 134人 | 352マイル |
AutoX Technologies | 13回 | 13人 | 58.8マイル |
pony.ai | 走行せず | – | – |
Quarterly Pilot Service Data Reports(State of California)
waymoは30日間だけのデータですが、先行して試験許可を得ていた他社3社は3ヶ月間のデータです。waymoは1日あたり、150回乗客を乗せて走行しており、1日だけで2位のzooxの走行回数を上回っています。
waymoはカリフォルニアでの自動運転タクシーの走行実験を行いながら、アリゾナでもWaymo Oneと呼ばれる自動運転タクシーを本格運用していて、複数都市で同時に自動運転タクシーを運用できる車両台数とシステムの能力を有していることがわかります。
Googleが10年かけて挑んだ自動運転技術は、既に相当な実力をつけているようです。
参考記事:Waymoが10年かけて自動運転を開発した様子をこちらのサイトで紹介しています。
Google傘下のWaymo、商用自動運転車を目指した10年の軌跡。(NEWS CARAVAM)