こういう発表を待っていました。毎年二桁成長を繰り返す、国際決済市場にVisaが1手を打ってきました。
2019年6月11日、Visaはブロックチェーンを使った企業間の国際決済ネットワークVisa B2B Connectの商用リリースを発表しました。Visa B2B Connectを利用すれば、国境を超えた金融機関にほぼリアルタイムで送金ができるようになり、既存の国際送金ネットワークに比べて圧倒的な早さと安さを実現できます。
参考記事:Visa、ほぼリアルタイムで国際送金できるVisa B2B Connectをリリース(NEWS CARAVAN)
既存の国際送金ネットワークは、送金元と送金先の金融機関の間にいくつも中継地点を経なければならず、そのため処理に手間と時間がかかり、高額な手数料が発生していました。
しかし、Visa B2B Connectではブロックチェーンベースのネットワークを用いて、送金元と送金先の金融機関を直接つなぐことで、ほぼリアルタイムでの送金を可能にできます。
ビザの唯一のアキレス腱のブロックチェーンを使った送金網を自ら実現
Visaは決済ネットワークを提供する企業として、マスターカードとともに市場を分け合っていますが、唯一の懸念点はブロックチェーンの登場によって、既存のカード決済ネットワークが脅かされることでした。
IBMも国際決済ネットワークの運用を始めるなど、国際決済市場がにわかに活気づいていますが、長年この分野で実証実験を行っていたVisaがこの度、無事に商用リリースにまで至ったのは、株主しても大変喜ばしいです。
参考記事:IBM、国際決済のためのブロックチェーンネットワーク運用開始(NEWS CARAVAN)
しかし、まだまだVisaにとってこの決済ネットワークは船出をしたばかりの状態であることも確かです。Visaがブロックチェーンを使った国際決済ネットワークでも覇権を握れるかは、神のみぞ知る世界です。
VisaやIBM以外のプレイヤーもぞくぞくと参入するであろう、今後の国際送金ネットワーク市場の動向に注目が集まります。