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なぜ米国株で投資をするのか。日本株ではダメなのか?

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「どうして米国株に投資しているの。日本株ではダメなの?」と言った質問をよく受けます。

正直言うと、日本株でも良いと思っています。資産運用をしていない多くの人に比べたら、日本株を選択するか、アメリカ株を選択するかはさほど大きな違いではないと感じているからです。

ただ、それでは「なんで日本株は1つも持っていないのか」とツッコまれると思いますので、日本株も今後アメリカ株のリターンを上回るチャンスがあること触れた上で、それでも私が米国株を選択している理由を3点お話したいと思います。

この記事のポイント

  • 今後の10-15年では、日本株のリターンが米国株を上回ると予測するデータもある。
  • それでも私が米国株に投資するのは、「米国が長期的に人口増加して経済発展すること」、「株主への利益を還元する文化があること」、「拡大する世界市場で活躍する企業が多いこと」の3点が主な理由

JPモルガン、今後日本株リターンが米国株を上回るとの予想

このブログでは、よく米国株を推奨する記事を書いていますが、日本株もチャンスが無いわけではありません。

JPモルガン・アセット・マネージメントが発表した2019年版の長期投資リターン予測では、今後10-15年の長期的に日本株のほうが米国株よりもリターンが高くなると予想しています。

資産 10-15年期待リターン
日本大型株式 4.75%
日本小型株式 5.25%
アメリカ大型株(為替ヘッジなし) 4.00%
アメリカ小型株(為替ヘッジなし) 4.25%
イギリス大型株(為替ヘッジなし) 4.75%
ヨーロッパ大型株(為替ヘッジなし) 5.00%

出典:『JPモルガン・アセット・マネージメント 期待リターン超長期予想(2019年版)

米国株のリターンが日本株よりも低くなる理由ですが、米国株は2009年から10年を超えて好調が続いていて、景気も2018年から2019年にかけて弱まっている兆しがあるので、さすがに伸びしろが少なくなっていることが考えられます。

逆に、日本株は長い低迷期から脱出できれば、買っていた株価の値上がりで高いリターンが得られるチャンスがあります。

米国株に投資する理由

ただ、そうは言っても私が保有している株は、日本企業ではなく米国のものばかりです。この記事を書いている2019年時点では株価が下落したら追加で株を購入しようと企んでいますが、そこで選ぶのも日本株ではなく米国株になると思います。

日本株ではなく米国を選ぶ理由は、次の3つです。

  • 米国は長期的に人口増加して経済発展すること
  • 株主への利益を還元する文化があること
  • 拡大する世界市場で活躍する企業が多いこと

米国は長期的な人口増加で経済成長が見込める


高齢化が進む日本では、今後人口減少が進んで経済成長も難しくなります。一方アメリカの経済は、人口増加にともなった成長が期待できます。

人口増加する米国のほうが、株価も上がりやすい仕組みはこうです。

  • 米国企業は米国での売上比率が高く、日本企業は日本の売上比率が高い
  • 利益が増えれば、株価も上昇する。(儲かれば株高)
  • 人口とともに経済発展する米国市場を中心に活動する米国企業のほうが、売上や利益を上げやすく株価が上がりやすい。

よって、人口とともに経済発展するアメリカを母体にする企業のほうが儲かりやすい(株価が上がりやすい)傾向があると思っています。

米国市場は株主に還元する文化がある

さて、人口と株価の話をすると「アメリカ以上に人口増加する国の株に投資すればいいじゃないか」という結論になりそうです。

しかし、そう簡単な話でもありません。2050年までにアメリカ以上に人口増加が大きい国は、インド・ナイジェリア・パキスタンなど新興国が多いのですが、新興国の企業は利益を株主に還元する文化が根付いていないためです。

JPモルガンの調査では、先進国株のリターンの80%は「配当」と「自社株買い」の2つの株主への利益還元から来ているのに対して、新興国株式ではそれが3分の1未満で企業の利益が株主に渡っていないことがわかります。

また、アメリカは先進国の中でも株主にリターンを還元する国です。日本でも花王など一部の企業は約30年連続で配当を増やして利益を株主に還元していますが、アメリカは長年連続して配当を増やす企業を多数抱えていて、株主に優しい文化が根付いています。

銘柄 テッカーシンボル 連続増配年数
P&G PG 60年
3M MMM 59年
コカコーラ KO 55年
ジョンソン&ジョンソン JNJ 54年
キンバリークラーク KMB 45年
ペプシコ PEP 44年
ウォルマート WMT 44年
マクドナルド MCD 41年
エクソンモービル XOM 34年
アフラック AFL 34年
AT&T T 33年
シェプロン CVX 29年

つまり、アメリカは人口増加の恩恵を受けつつ、企業が稼いだ利益を効率的に株主に配分してくれる投資家に優しい企業が多い、バランスが良い投資先だと分かります。

世界的に活躍する企業が多い

日本は人口とともに市場が縮小していくので、本来はもっと積極的に世界展開していく必要があります。でも現状は、積極的に世界進出しているのは、日本よりも米国企業のような気がします。

生活を見渡してみると、米国企業のサービスがたくさんあることに気づきます。毎日使っているスマートフォンはアップルかグーグルが作ったOS(基本ソフト)で動いていて、大抵の人はYoutubeやInstagramのアプリを使っています。

マクドナルドやケンタッキーに行けばコカコーラ社のドリンクが置いてあり、映画館ではウォルト・ディズニー社の映画がヒットしています。買い物の支払いをするときによく使うクレジットカードはビザのロゴが入っているものが多いはずです。

米国企業は自国で順調に成長する経済の恩恵を受けるいますが、拡大する世界の市場をうまく取り込んでいるのもまた米国企業のような気がします。

まとめ

日本株も今後しばらくアメリカ株よりもリターンを上げる可能性もあります。しかし、より長い目で安定して株で儲けるなら、条件が整っているのは日本株よりも米国株だと私は考えています。

今後人口減少する日本では介護やヘルスケアなど、特定な業界では無理なく売上を伸ばす可能性はありますが、人口が減る経済では「伸びる業界や企業を選ぶ目利き」が必要になってきます。

それよりも、人口とともに市場全体が成長して、株主への利益を還元もちゃんとしてくれる米国株のほうが、投資はしやすいと感じています。


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