米国株、大幅下落。株の下落をカバーできなくなりつつある米国債。

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3月12日の米国株の下落は、凄まじいものがありました。

米国株の指数として長い歴史を持つダウの中でも、1日の下落率として歴代4位を記録しました。

こうした大きな株価の下落の時、今までは国債や金が上昇して損を埋め合わせる役割を担ってきましたが、最近は国債や金も株につられて売られる日が出てきました。

株の下落に対して、国債や金を保有して防御力を高めるのが王道の戦略でしたが、「株が売られるなら、国債を買っておけばいい」という単純な話ではなくなってきた恐れがあります。

この記事では、私のように株の下落を長期国債でカバーしようとしている人に向けて、長期国債には「長期で売られる要因」と「短期で買われる要因」が混在しはじめたという現状を整理するための記事を書きます。

この記事のポイント

  • 3月12日の米国株は大きく下落し、ダウは1日の下落率で歴代4位の記録を作った。
  • 株価につれて、金も国債も売られる展開が見られるようになった。「株が売られるから、国債を買っておく」という単純な話ではなくなってきた。
  • 長期的には米国政府の財政が悪化するので、長期国債には「売られる要因」が存在する。一方で、3月13日からFRBの長期国債購入が始まり、「短期的に買われる要因」も出てきた。

長期的に見ればアメリカ国債は売りだと思いますが、FRBは意地でも長期金利を上げないように、長期国債を強力に買い支える可能性もあります。

FRBの効果をしばらく様子見してから、長期国債を売るかどうかの判断をしても良いかなと考えています。

米国株の大幅下落

3月12日、米国株は大きく下落しました。

この日のダウの下落率9.99%は、長い歴史の中でも4位の大きさです。これ以上の下落率は、1987年のブラックマンデーと、1929年の世界恐慌しかありません。

歴代の1日の下落率

歴代順位 日付 ダウ下落率
1位 1987年10月19日 −22.61%
2位 1929年10月28日 −12.82%
3位 1929年10月29日 −11.73%
4位 2020年03月12日 −9.99%
5位 1929年11月06日 −9.92%

ちなみに、下落率ではなく下落幅のダウのランキングを見てみると、2020年2月以降の数字がずらりと並びます。

歴代順位 日付 ダウ下落幅
1位 2020年03月12日 −2352.60
2位 2020年03月09日 −2013.76
3位 2020-03-11 −1464.94
4位 2020年02月27日 −1190.95
5位 2018年02月05日 −1175.21

どうりで最近は株価指数が急落するわけです。

株につられて国債や金も下落傾向

こうした株価の下落を防ぐための王道と呼ばれる手段は、株だけなく国債や金を保有することでした。

しかし、直近数日間は株の下落に合わせて、国債が売られる日が多くなってきています。以下は、直近5日間の20年超え長期国債ETFの価格ですが、下落傾向にあります。

株につられて下落する20年超え米国債ETF(TLT)

国債だけでなく、金も売られています。

ゴールドETF(GLD)は直近5日で下落傾向

国債や金の下落率は、株に比べたらかなり小さいので、まだ安全資産の役割は果たしてはいます。しかし、市場は恐怖からか、あらゆる資産が売られて現金化されているようです。

株下落時にわずかでも上昇してくれないと、現金のほうがマシなので、最近の国債と金の動きは心もとないです。

国の赤字の拡大懸念で国債が売られる

個人的に、一番気になるのはアメリカの20年以上の超長期国債の売りです。

3月9日以降に超長期債がやや売られ始めているのは、アメリカの財政悪化の懸念が原因だと思っています。その仕組みはこうです。

米国債が売られる仕組み

  • アメリカ中央銀行のFRBはゼロ金利が近づいて、景気を刺激するための利下げの回数が残り少なくなっている。
  • FRBの策が尽きつつあるので、アメリカ政府は財政が悪化しても(赤字になっても)、国債を発行して景気を支えないといけない。
  • 「国債を大量に発行して売れ残れば、国債の価格が下落する」と心配する投資家が、国債を売り始めている。

この動きは、実はアメリカだけでなく、3月9日以降に世界中の国債で見られてます。

新型コロナウイルスで世界中の景気が低迷している中で、各国で景気対策が打たれています。世界中の国で、国債の発行額が増えると心配した投資家が、国債を売っているように見えます。

アメリカを含む世界中で低金利になっていて、景気対策の主役が中央銀行から政府に移っているので、この傾向は長期的に世界中で続くはずです。

短期的にはFRBが長期国債を買い支える

長期的に国債が売られる要因があるなら、今すぐ手放せばいいかというとそうでもありません。3月13日から、FRBは長期のアメリカ国債を購入することを発表したからです。

2019年からFRBは短期国債に限って市場から国債を購入していましたが、新型コロナウイルスの市場の混乱を落ち着かせるために、3月13日から4月13日の間は長期国債などにも購入対象を広げることになりました。

>>FRBが1.5兆ドル供給 国債購入も、量的緩和に近づく(日経新聞)

これからは「財政悪化による国債の売り圧力」vs「FRBが買い支える効果」の綱引きが始まります。

また、当面の計画ではFRBの長期国債購入は4月13日までですが、これは景気が回復するまでほぼ確実に延長されると思います。

長期金利が上がってしまうと、企業や人々がローンを組むのが困難になって景気が悪化し、さらに株価も下がります。これをFRBが許すわけはありません。

長期的に売り材料が見られる長期米国債ですが、FRBの効果を見てから、売るかどうかを判断しても良いと思っています。


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