この1週間は米国株が力強く上昇した週でした。
今年に入ってから下落することが多かったので、資産額が少し回復して落ち着いた投資家も多かったと思います。
下落していく中で、私はたびたびこのブログで「このまま下落が続いて景気後退になるのではなく、どこかでもう一度回復する」と言い続けていたので、今週の上昇は一安心しました。
ただ、私は今後1-2年先を見た場合には米国株に強気一辺倒でもないので、今考えている見通しを書いておきたいと思います。
この記事のポイント
- この1週間の米国株は2020年11月以来の大幅高になった。
- まだ米国株は上昇すると思っているが、強気一辺倒でもない。
- 景気後退を告げる逆イールド現象がそろそろ発生しそうな所まで来ている。逆イールド現象が発生してもすぐに米国株を全売却せず、ゆっくり売却を進めるのが良さそう。
2020年11月以来の大幅高だった米国株
この1週間の米国株はかなり順調でした。ブルームバーグによれば、1週間の成績としては2020年11月以来の大幅高だったようです。
低迷が続く中で、久しぶりに米国株に強さが戻ってきた週になりました。
この週がきっかけに上昇に転じるのか、それともまだしばらく株価が低迷する時期が続くのか短期的な動きはまだはっきりしませんが、数ヶ月から半年くらい時間をかければ2022年1月につけた最高値をわずかに上回るまで株価が回復する展開もあると私は思っています。
迫っている不況のシグナル
2022年の夏から初秋くらいまではまだ米国株は大丈夫だと思っているのですが、2022年後半から2023年にかけては私はかなり不安を感じています。
理由は、そろそろアメリカに次の不況(景気後退)が迫ってきているからです。
昨日の記事でも書いたように、私は「10年国債の利回りが2年国債を下回ってしまう現象(逆イールド現象)」を景気後退の前兆として警戒してみているのですが、最近は逆イールド現象がもうじき発生しそうな気配を感じます。
下のグラフは、10年国債から2年国債の利回りを引き算したもので値がマイナスになったら逆イールド現象が発生したことになるのですが、0.17まで下がっています。
早ければ来月4月頃にも、逆イールド現象が起こるかも知れません。
逆イールド現象と株価の関係
逆イールド現象が発生したら 景気後退が近いということになるので、株価は下がりそうなものです。
しかし、実際には少なくとも数ヶ月以上は株が上昇した後に、景気後退の下落が始まることが知られています。
>>【詳細】不況の前兆「逆イールド現象」と米国株のピークついて
上の詳細記事も書きましたが、過去6回の景気後退ではいずれも逆イールド現象が発生してから最短2ヶ月から最長33ヶ月後に株価のピークが訪れています。
上の表を集計すると、逆イールド現象が起こってからだいたい18±10ヶ月後(平均18ヶ月、分散10ヶ月)で株価のピークが来ています。
もしも2022年4月に逆イールド現象が発生したとして、8ヶ月後なら22年12月、18ヶ月後なら2023年10月が株価のピークです。
かなりバラツキのあるデータではありますが、とりあえず逆イールド現象が発生してもすぐには株を売らなくて良さそうです。
2022年に夏の暑さが和らいできた頃から少しずつ米国株の売却を進めてけばよいかなと、今のところ考えています。