8月中旬から株価がさえませんでしたが、今週の後半は久々に大きな上昇が続きました。
しかし、それでもまだ株価を押し下げようとする金利の動きは止まっていないので、かなり注意が必要な状況が続いていると思っています。
この記事のポイント
- 今週の後半に米国株は比較的大きな上昇が続いた。後半3日間のS&P500は3.5%も上昇した。
- しかし、今後12ヶ月の企業利益予想は今週わずかに悪化し、実質金利は大きく上昇してるので、株式投資家に不利な状況は続いている。
状況はむしろ悪化している
「米国の株は今年の安値を下回りそうだ」と今週半ばに書いた途端に、株価が大きく上昇しました。
資産が増えてくれたので良いのですが、読みが外れたせいで何か素直に喜べないことになっています。
それでも、データを見ている限りは米国株にはまだ楽観できない状況が続いています。
先日の記事では2022年の株価の最低値をつけた6月に比べて、9月の今は「今後の企業利益が下がっていること」「実質金利が上がっていて、株価に悪影響を与えそうなこと」の2点が見られるので安値を更新する可能が高いとお話しました。
そして記事を書き終えたわずか数日の間に株価の上昇が見られたわけですが、状況はむしろ悪化しているようです。
まず、アナリストが予想する今後12ヶ月の企業利益はほんのわずかに悪化しています。
それでも企業業績の悪化はまだわずかなので良いですが、問題は金利です。
長期の実質金利が上昇すると株価が下がる(PERが下がって株価が下落する)と言われていますが、このわずか数日でさらに上昇し、6月につけたピークを超えています。
上のグラフにアメリカの10年実質金利と30年実質金利を描きましたが、今はどちらも2022年の最高値を記録して、株価が安値をつけた2022年6月よりも状況は悪化しています。
楽観はできない米国株
今週後半に米国株は上昇が見られました。
上昇理由は8月中旬からの下落が一服したためなのか、それとも米国株が下がることに賭けていた投資家が利益を確定させて買い戻したのか分かりませんが、いずれにしろ短期的な理由なのだと思っています。
米国株が置かれた状況を見てみると、株に悪影響を与える実質金利の上昇は止まっていなく状況はむしろ悪化してるように見えるので、まだ楽観は出来ないと思っています。