2023年以降に、米国株の投資リターンが下がる理由。

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今後の米国株にどのような変化が起こるか、どのような投資をして行こうと考えているかをまとめた以下の記事を先日書きました。

この中で、2023年以降に米国株の株価が下がることを見越して書かれている内容があり、「米国株をやっている人が、なぜ米国株に弱気なんですか」と不思議がられるので、少しだけ補足説明をしたいと思います。

長期的に米国株の成績が低迷すると考える理由

  • 理由1:2020年で既に米国株がやや割高な上に、さらに割高になる恐れもあるから。
  • 理由2:過去約10年間で米国株を上昇させてきた要因が、消える恐れがあるから。

理由1:米国株が割高だから


長期的に米国株のリターンが下がると考えている理由をシンプルに言えば、2020年時の米国株はすでにやや割高な水準で、今後どこかで株価の下落が起こると思っているからです。

以下は、米国株S&P500の割高な度合い(PER)を過去10年分グラフ化したものですが、近年は過去10年間の平均値の15を超えて、ますます割高になっているのがわかります。

歴史的に割高な状態が続く米国株

また、中央銀行FRBの予想では2023年まではゼロ金利が続くようなので、低い金利を背景に高い株価が維持されたり、場合によってはさらに株価が上昇して割高感が増すと思います。

>>【参考記事】アメリカは低金利を維持。発表内容まとめと考えたこと

この割高感の増加は、株の下落幅を大きくして長期的な米国株のリターンを下げる恐れがあります。

将来のリターンを先取りする2020年米国株

一般的に、「現時点の割高感」と「将来のリターン」はシーソーのように動きが反対になります。

今の株価が割高になら、すでに配当利回りは低くなっている上に今後は株の下落が起こりやすくなるため、将来のリターンは減ります。今の株価が割安なら逆に、将来の株のリターンは大きくなります。

2020年の米国株投資家は私も含め株価が上がって喜んでいますが、割高感も増してしまったので、将来期待できるリターンも減っていることにも気をとめる必要があります。

理由2:米国株の上昇要因が失われる恐れがあるから


ここまでは「米国株が割高だから、長期的に期待できるリターンがさがる」という話をしてきました。

もう少しだけ深ぼってみると、米国株を上昇させてきた要因が失われつつあるから、今後は高いリターンが期待できないと説明することもできます。

2009年から米国株が上昇を続けた理由には、主に以下の4つがありました。

2009年から米国株が上昇を続けた背景

  • (1)低金利:FRBの強力な金融緩和で低金利になった。金利が低くければ、理論的には株の評価額が上昇する。
  • (2)積極的な自社株買い:低い金利を背景に、米国企業は借金で自社株買いをすすめて、株価を上昇させてきた。
  • (3)グローバル化で利益率向上:中国・インドなどの安い労働力を使って、米国企業は利益率を大きく上昇させた。
  • (4)低下する法人税:企業が支払う税金が減り、米国企業は利益をあげてきた。

投資家のレイ・ダリオは上記の(1)-(4)までの要因がなかった場合の米国株の推移をシミュレーションして以下のグラフにしていますが、どれか1つの要因が欠けるだけで、米国株の上昇率は大きく下がっていたことがわかります。

そしてこれらの株価の上昇要因は、今後いずれも失われる可能性があります。

(1)2023年以降にFRBが金融緩和を縮小すれば金利は上がり、(2)金利が上がれば米国企業の自社株買いは勢いが削がれることが予想されます(そもそもコロナの影響で経営が悪化している企業は、自社株買いができていません)。

また、(3)アメリカは中国との貿易で対立していた上に、コロナの流行を受けて、米国企業はアメリカでの生産にシフトする動きも見られます。この動きは、まだ本格的ではないものの脱グローバル化が進めば、企業の利益率が悪化します。

最後に(4)民主党の大統領候補のバイデン氏は大企業を中心に増税が検討していて、大統領選の結果次第では法人税は今後引き上げられる可能性があります。

さいごに


このブログは米国株ブログですが、いつどの時代でも米国株が最高の投資先だと思っているわけではありません。

投資は時代によって大きくリターンをあげたり低迷したり、好調・不調の波が必ず訪れます。2009年から米国株は順調な10年を過ごして来ましたが、あと数年で変調が訪れてもおかしくない時期に来ています。

だからといって、米国株を完全に避けるべき投資対象だとも思いません。もしも不調が訪れて割高感が失われれば、それは将来リターンの増加を意味するからです。


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