今週から10月後半の相場が始まっています。
先日話をしたように、これから年末にかけては例年通りなら株価は上昇しやすいはずですが、さて今年はどうなるでしょうか。
金融業界の企業の決算は、いまのところ悪くないまずまずの結果を出しています。心配していた銀行の流動性不足(現金不足)も、すぐに問題になるような印象はありません。
この記事のポイント
- 例年は10月後半から年末にかけて米国株市場は上昇が見られる。
- 米国債の価格が大きく下がって決算シーズンを迎えたが、アメリカの金融業界の決算はまずまずの結果が続いている。
- ただ、今もなお米国株市場には不安材料が多い
10月後半は株価上昇でスタート
先日ブログで、10月後半から年末にかけて例年は株が上がりやすい時期ではあるものの、不安材料があるという話をしました。
上記のブログの内容をさらっと振り返ると、例年通りなら10月後半からは株価が上向きに動くはず(下図)ですが銀行不安、イスラエル戦争、アメリカの景気後退には注意が必要という内容でした。
そんななか昨日から10月後半の市場が始まりましたが、この日の株価は上昇できたもようです。
これはひとまず良かったです。ただ、昨日一日の動きでどうこういうのは短期目線過ぎるので、もう少し長い目で見る必要がありそうです。
近年の米国株は大きな下落が始まる少し前からVVIX÷VIXの値が下がることが多いのですが、今回もその動きがすでに見られています(下図)。
これは少し警戒して見ておこうと思います。去年のように年末にかけて株が強気に転じた場合には、上のVVIX÷VIXのグラフも上昇するはずなので、例年通りの年末株高に向かって上昇のサインが現れるかも確認したいと思います。
チャールズ・シュワブは予想ほど悪くない決算
年末の株高に対する不安材料としてあげていたものの中に、銀行の経営悪化がありました。
銀行の不安材料の具体例として上げたチャールズ・シュワブの決算が発表されているのですが、7-9月期の決算発表は問題なく無事に通過できたようです。
決算発表後に株価は急上昇していることから見ても、結果は悪くなかったことが分かります。
業績を確認してみると、調整後一株利益は予想を超えたものの、純収益は予想を下回るなど順風満帆ではありませんでした。しかし、純金利収入は予想されたほど悪い数字ではなかったようです。
- 調整後一株利益:$0.77(予想$0.56)
- 純収益:$4.61B(予想$4.63B)
- 純金利収入:$2.24B(予想$2.23B)
その背景には3月に問題になっていたチャールズシュワブに預けられている預金額にあるかもしれません。たしかに預金は減っているものの、アナリストたちが予想していたほど預金流出は起こっていませんでした。
- 預金:$284.4B(予想$268.8B)
こうした材料により投資家に安心感が広がったのかもしれません。
さて、決算シーズン前は不安材料だった銀行株もまずまずの結果を出しているように見えます。どこか1つ転ぶと大きな影響が出るので、決算シーズンの中のたった2〜3日をクリアしたからと言って安心できませんが、こちらもひとまず良かったのでしょう。
まだまだ残りの銀行の決算がどうなるか、またイスラエルの戦争はどこまで多くの国を巻き込んで戦火を広げることになるのか、VVIX÷VIXの低下は何を予兆しているのか、考えることはつきませんがこれからも、このような気になっている点をまとめて点検していきたいと思います。