なんだかキツネにつままれた気分です。
つい2日前に「マスターカードのデータを見ると、1月も小売が不調だったかもれない」と記事を書きましたが、アメリカ政府が16日に発表されたアメリカの1月小売売上は驚くほどよかったです。
マスターカードとアメリカ政府の数字でどうしてこれほどの開きがあるのかの理解がイマイチ追いついていませんが、私はまだ米国株は上昇してくれると思って投資してるので結果はとてもありがたいです。
この記事のポイント
- 1月の小売は予想を超えて大きく上昇した。12月が大きく下方修正された分、1月の上昇率も大きくなった模様。
- 11月から12月にかけての小売の不調が続いてる場合には、景気後退の心配もちらつき始めるところだったが、一安心できる内容だった。
予想を大幅に上回る内容
アメリカの1月の小売はとにかく、大きく伸びました。
- 予想:前月比2.0%
- 結果:前月比3.8%
- 前回:-1.9%から-2.5%へと下方修正
前月比3.8%という数字はとても大きいです。(ありえない話ですが)もしもこの数字が12ヶ月連続で続くと1年間で56%も上昇するようなペースになります。
前回の12月分のデータが大きく可能修正されたこともあって、その反動で1月の伸び率が大きなことになっています。
これほど強ければ1月に物価が大きかったと言っても、1月のアメリカ経済はしっかり成長できたと言えそうです。
次のグラフはインフレの影響を除いた小売売上高をグラフにしたものです。
インフレを除いても売上が成長できているかを見るためのものですが、12月に大きく下落してこのまま下落が続くとまずい展開になると思われたところで、1月の大きな反発が入りました。
一安心できた小売売上
1月の小売が好調だった要因は「12月までアメリカ流行していたオミクロン株の影響が去ったから」や「最近の賃金上昇が消費を支えたから」などがあると思いますが、とにかく結果が良かったことは一安心でした。
もしも、12月よりも1月の小売が不調だったら、見える景色が少し違っていたと思います。極端な場合ですが、もしも以下の図のような小売売上になっていたら、景気後退が頭にちらつき始めるところでした。
私はこの記事を書いている2022年2月の時点で、今の投資家たちが心配しているアメリカの政策金利の引き上げ予想の前倒しが一旦おさまれば、まだ米国株は上昇する余地があると思っています。
しかし、その大前提はアメリカに景気後退が差し迫っていないことです。
米国株指数のS&P500は2月16日までに年初から約6%下げていますが、もしも景気後退が迫っていることで起こる下落なら30%くらいは下落するはずなので、「まだ米国株は上昇する」などと言ってはいられなくなるところでした。
景気を確認する上で一番大事なデータは毎月末に個人消費なのですが、その先行指標としては今回の小売売上はひとまず安心できる内容だったと思います。
今回の結果を見る限りは、やはりアメリカの景気後退はどんなに早く訪れたとしても2022年末から2023年頃で、あと数か月のような差し迫ったイベントではないと感じました。