なんだかアメリカの経済指標が冴えないですね。10月に入ってから発表された主要な経済指標は軒並みイマイチな数字が並びます。
部品・原料などを含む製品・商品の出荷時の卸売り価格をあわらす生産者物価指数が10月8日に発表になりました。残念ながら、こちらも予想よりも悪かったです。食品やエネルギーなどの物価が変動しやすいモノを除いた指数(コア)で4年ぶりの下落をしました。
変動の激しい食品やエネルギーの項目を除いたコア指数を見ると景気の強さ・弱さがより際立って見えると言われているのですが、そのコア指数の4年ぶりの下落は「やっぱり9月のアメリカの景気はいまいち良くなかったのかな」と心配のタネを増やす結果になりました。
- 生産者物価指数(前月比):予想0.1%、結果はマイナス0.3%
- 生産者物価指数(前年比):予想1.8%、結果は1.4%
- 食品・エネルギーを除くコア指数(前月比):予想0.2%、結果はマイナス0.3%(4年ぶり低下率)
- 食品・エネルギーを除くコア指数(前年比):予想2.3%、結果は2.0%
いずれも予想を大きく下回る内容でした。
10月上旬発表された米経済指標のいいところなし
今のところ、10月に発表されたアメリカ経済指標は軒並み良いところがないですね。以下は、主要な指標をまとめたものなのですが、事前の予想を超える良い結果になったものは、ほぼ皆無です。
19年10月米統計 | 景況感 | 実体経済 |
---|---|---|
予想より悪い | ISM製造業指数 ISM非製造業指数 | ADP雇用統計 生産者物指数 |
適温 | – | 雇用統計 |
予想より良い | – | – |
最重要だった雇用統計で50年ぶりの低い失業率になったことが唯一の救いかもしれません。生産者物価指数の発表がされた同じ日に講演をした中央銀行FRBのパウエル議長も、最近の冴えない経済指標のせいか、トーンが少し弱気になっていた気がします。
ISM製造業指数の記事:9月米製造業の景況悪化で株式市場は下落。非製造業や個人消費への影響拡大に注視。
ISM非製造業指数の記事:米非製造業、予想を下回る景況感に暗雲立ち込める。
ADP雇用統計の記事:予想を下回ったADP雇用統計。政府発表の雇用統計に不安を残す形に。
政府発表の米雇用統計の記事:【再考】アメリカ9月雇用統計は「適温」だった。
ただ、単月(1月分だけ)で見るものではないとよく言われるので、来月以降ちゃんと景気が持ち直せていれば心配はいらないです。