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景気はまだ強くても、11月のアメリカ企業の景況感は良くない。

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まだアメリカは雇用も消費も強いので、景気後退が近づいている印象はありません。だた、企業の景況感を見ていると11月はどのデータを見ても、景気が悪そうです。

この記事では、11月のアメリカの景況指数をまとめて振り返っていきたいと思います。

この記事のポイント

  • S&Pグローバルが発表した11月の景況指数は景気悪化を示した。
  • その他、リッチモンド連銀やフィラデルフィア連銀が発表する製造業の景況感もそろって11月にマイナスを記録している。
  • 企業の景況感の悪化は、企業利益の悪化につながりやすいので、米国株にはまだ強気になれない。

S&Pグローバルの米PMIは景気悪化

まず、先日S&Pグローバルから発表されたばかりのアメリカのPMIを見ていきます。

PMIとは企業の購買担当者に景気のアンケートを行った結果を数値化したもので、50を超えると景気拡大、50を下回ると景気悪化を示します。

11月のアメリカ企業の景況感はどの数字を見ても、50を下回って景況感は悪化していました。

  • 総合:46.3(予想48.1)
  • 製造業:47.6(予想50.2)
  • サービス業:46.1(予想48.1)

この総合PMIが低迷することは、アメリカの経済にとってもよくありません。次のグラフが示すように、総合PMIが下がれば、実質GDP成長率も大きく低下をする傾向があるので、今後のアメリカの景気が心配です。

ただ、アメリカの景気後退が心配だと言われても、この1ヶ月は株価も順調だし、消費もまだ力強い印象があるので実感がわかないかも知れません。

たしかに、今のアメリカはまだ個人消費が力強く、10-12月の実質GDPは前期比年率+4.3%と高い成長が予想されています。

上のグラフを見ていると、これから先にGDPが大きく低下する未来は予想しづらいのですが、11月のPMIは今後のGDP成長率悪化の危険シグナルを送っているというのが現状のようです。

11月の企業景況感はどれも良くない

S&PグローバルのPMIのような企業アンケートを元にしたデータは世の中にいくつも存在するのですが、その多くが11月のアメリカの景気が良くないと言っているので確認してみます。

まず、リッチモンド連銀が発表している製造業指数を確認すると、11月の景況指数は「前月よりも景気悪化」を示すマイナス圏に突入しています。

同じようにフィラデルフィア連銀が出している製造業指数も11月はマイナスでした。

一方で、ニューヨーク連銀の数字は予想外にプラスでしたが、それでもこの数字は2022年に入ってから多くの月で既にマイナスを記録しています。

これらの景況感指数が下がってくると、企業の利益成長が悪化してくることが知られています。そうなれば、アメリカの景気はまだ持ちこたえていても先に株が下がりかねません。

こうしたデータを見ていると、最近多くの投資家が抱いているほど私は株に強気にはなれません。


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