米企業の景況感、コロナウイルスで7年ぶり低水準【20年2月米PMI】

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やはり、2月にアメリカの企業の景気が悪化し始めました。新型コロナウイルスの影響のようです。

今まで発表されていた1月のアメリカの経済データでは、新型ウイルスの影響はほとんど見られなかったどころか、かなり景気がいい数字がならんでいましたが、2月に入ってから様子がかなり変わりつつあります。

強かった1月のアメリカの景気、先行き不安な2月【20年1月米景気先行指標】

2月の経済指標として、アメリカのPMIと呼ばれる景気の強さをアンケート集計した結果から見えたのは、2013年以来の7年ぶりの悪い数字でした。

この記事のポイント

  • アメリカの企業が感じている景気は2013年以来の7年ぶりに悪化した。
  • 2013年は予算不足で政府機能が止まった特殊な事情があったことを踏まえると、金融危機以来の10年間でもっとも悪い景況感。
  • 製造業は中国の工業停止などの影響を受けただけでなく、サービス業も旅行や観光で大きく景気が悪化した。

PMIとは

「そもそも、PMIってなんだ」という人も多いと思うので、PMIの数字が何を意味しているか軽く説明します。

アメリカの企業で仕入れなどを担当している購買の幹部に「前月と比べて景気は良いか悪いか」のアンケート結果を集計したものがPMIです。結果が50を超えれば前月よりも景気が良く、50を下回ると景気が悪くなったことを意味ます。

ちなみに、PMIは滅多なことでは50を下回りません。普通なら経済は成長するはずなので、50を下回るのは経済がほとんど成長しないような景気の低迷期か、景気後退のようなマイナス成長をしているときくらいです。

あとで20年2月の数字を紹介しますが、50を超えているかどうかは一つの目安として見て下さい。

20年2月米PMIは急速に悪化

20年の2月の米PMIの速報値を見てみると、7年ぶりに50を下回って悪化した様子が見えてきました。

20年2月のPMI結果

  • PMI総合(製造業+サービス業):結果49.6。2013年以来76ヶ月ぶりの低迷。
  • 製造業PMI:結果50.8。6ヶ月ぶりの低迷。
  • サービス業PMI:結果49.4。2013年以来76ヶ月ぶりの低迷。

グラフで見ても、急速に悪化していることがわかります。

また、製造業とサービス業のPMIの変化を見てみると、サービス業のほうが悪化していることがわかります。製造業のはなんとか50を超えましたが、サービス業は50を割り込みました。

ちなみに、今回のPMIの調査は2月12-20日から行われていました。この時期は、中国を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大していて、感染者は4万人から7万人に増えていた時期です。

アメリカではこの時期に感染者は13人から15人しかいなく、新型肺炎が流行したわけではないのですが、貿易や旅行を通じてアメリカ企業が感じる景気は悪化しはじめたようです。

GDPと相関があるPMI

また、PMIを見る意義としては、PMIとGDP成長率には似たような動きをする傾向があります。

PMIの調査会社のコメントによれば、前回の1月の総合PMIはGDP2.0%成長に相当する程度に強い数字だったようですが、2月のPMIはGDP成長率で0.6%相当まで落ち込んだと言います。

企業の景気は大きく悪化したが…

ちなみに、「あれ、新型コロナウイルスの影響ってこんな程度なの?」というのが私の感想でした。

確かに7年ぶりの景況感の悪化で、景気が減速してはいますが、製造業はまだPMIが50を超えていて、前月に比べて景気が拡大しています。

新型コロナウイルスが流行った2月、中国では前半まで多くが休んでいた上に、工場の稼働や店舗の営業もまだまだ通常通りにはなっていないです。

アップルは2月半ばですでに1-3月期の売上目標達成が難しいと発表して、中国の車の販売は2月の前半2週間で92%減少したというニュースも流れてたのに、この程度のPMIの悪化で収まったのはちょっと意外でした。

引き続き注目は新型肺炎の収束時期とダメージの大きさ


2月の経済指標から、アメリカでも新型コロナウイルスの影響が見え始めるようになってきました。ただ、新型コロナウイルスの影響は短期的で、数ヶ月で収束すれば企業も元通り回復すると思っています。

以下の記事でもお伝えしましたが、目安となる収束時期は4-5月です。この時期までに収束していればアメリカ株は大丈夫とブラックロックのバイロンウィーン氏も言っています。

【新型ウイルス】焦点はいつ収束するか。成長率の引き下げ予想相次ぐ

4-5月までに収束するのか、新型コロナウイルスは経済指標にどの程度ダメージを与えるのかこれから1-2ヶ月はこの2点を観測することになりそうです。

収束時期が早くなれば、大統領選までゆるやかに株高が続く可能性も十分あります。一方で、収束時期が遅かったり、経済指標に極端な悪化が見られたときには要注意です。

今のアメリカ株は新型コロナウイルスの影響をあまり大きく見ていないので、もしも想定よりも被害が大きいとわかると今度は過度に悲観的になって株が売られる可能性があるからです。

一般的には災害は最初は過小評価され、そして状況が進むと過大評価される。

何が実際に起っているのか、何が資産価格に織り込まれているのかに注意を向けなければならない。(レイ・ダリオ)


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