いい結果も悪い結果も混ざった
10月1週目、最大のイベントだった2019年9月の雇用統計が発表されました。
結果は良いものも悪かったものも含まれていました。
2019年9月雇用統計 | 評価 | 予想 | 結果 |
---|---|---|---|
非農業部門雇用者数 | 悪い | 14.5万人増 | 13.6万人増 |
失業率 | かなり良い | 3.7% | 3.5% |
平均時給 | かなり悪い | 3.2% | 2.9% |
この内容が発表された直後良いのか悪いのか、私には判別がつきませんでした。正直言うと、今でもこれがいい内容だったのか、悪い内容だったのか判別がつきません。
雇用者数は悪かった
一番注目を集める非農業部門雇用者数は悪かったと思います。2018年の頃の勢いはやはり失われて、弱まっている傾向は止められてないと見えます。ただ、既にアメリカは歴史的に低い失業率にあるので、もはや雇用者数が大きく伸びる余地がないだけで心配ない材料なのかもしれません。
失業率は50年ぶりの低水準にまで低下
失業率は一気に0.2%も下がったことは、良いサプライズだったと思います。これで失業率は50年ぶりの低水準にまで低下しました。これを受けて、景気後退が遠のいたと言っているエコノミストも見かけましたが、私はそこまで楽観はできていないです。
過去の景気後退局面を見えても直前までは失業率はかなり低水準にとどまって、危機が秒読みまで近づいた段階で失業率が上がる傾向あります。今回失業率が下がったのは、「まだ危機の直前ではない」程度のような気がしています。
アメリカの個人消費を支える平均時給の伸びの鈍化はやや心配材料
最後に平均時給ですが、こちらはやや気がかりです。平均時給は伸びているものの鈍化してきたのは、経営者が考える将来の見通しが弱まっている恐れがあります。アメリカの経済の大半を占める個人消費の拡大を支える賃金の伸びが緩やかになったのは、心配材料です。
というわけで、雇用統計の中身に焦点を当てると良かったもの、悪かったものが混在しています。
悪い統計が続いた中で、市場は雇用統計の結果に安堵
ただ、市場は良い結果だと受け取ったようです。雇用統計直後は、ドルが買われ、株が買われ、債権も買われました。何かのリスクが高まるとゴールドが買われますが、ゴールドの価格がやや下がっているということは市場はちょっと安心したのかなとも思います。
10月1週目は、良くない経済指標が続いていたため、悪い内容ばかりではなく一定の安心できる雇用統計が出てきたことで、一息つける安心材料になった