あれ、何があったのかなと心配になるデータが出てきました。久しぶりにアメリカの消費に関してやや低調なデータがあがってきたからです。
今までアメリカの景気は緩やかに拡大しているというのが、一般的な見方でした。
アメリカの底堅いGDP成長率は個人消費が支えていましたし、米経済団体や労働組合で構成されるコンファレンスボード(全米産業審議会)が5000世帯に対して行ったアンケートでも、現時点の景気の強さを表す指数で2000年11月以来の約19年ぶりの高水準だったとの結果が出ていました。
しかし、この力強かったコンファレンスボードのアンケートと同じ2019年8月に調査されたミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)では、2016年10月以来の低水準に沈んでいます。
コンファレンスボードの調査とミシガン大学の調査は、共に消費者心理を調査している点で似ていると言われます。調査する消費者の数はコンファレンスボードは5000人に対して、ミシガン大学が500人のなので、結果良かったコンファレンスボードを信頼しても良い気もします。
しかし気がかりなのは、ミシガン大学消費者を指揮するリチャード・ カーティン氏によれば、消費者が関税について否定的な意見を持っていることが指数の低下につながっていると言います。また3人に1人が、関税について自発的に発言したと言います。
今まで関税は設備投資などの企業側の行動に影響を与えていましたが、消費者行動に影響を与え始めるとなるとアメリカ経済に心配のタネが1つ増えそうです。
9月から12月までにアメリカが中国に課す関税で、中国から輸入する製品ほぼ全てに関税が増えることになります。これからはますます消費者にとっても、関税の影響を感じ始める時期に差し掛かります。
まだまだ大丈夫だとは思うものの無視はできない、そんなミシガン大学の消費者信頼感指数でした。