昨日の記事で、金融緩和の1つで中央銀行FRBが2020年に買い進めていた社債を、今後は売却していくと発表したことについて書きました。
この動きは、2019年から金融緩和を進めてきたアメリカの中央銀行FRBが方向転換を始めたことを意味します。
これを「今後のさらなる金融緩和縮小への序章」と市場が解釈するなら今まで金融緩和に支えられて上昇していた米国株の下落が心配されますが、一方で売られる社債の規模は金融緩和全体に比べると小さいので市場がその影響を無視する可能性もあります。
FRBの発表を受けて、市場がどのように反応するのか興味を持って1日市場の動きを見てたのですが、市場はかなり冷静で、残念ながら私には普段と違うサインを見つけることは出来ませんでした。
1日の値動きだけで判断をするのは早すぎので、今後もFRBの緩和縮小の動きには注意を払いますが、まだしばらく米国株は保有比率を下げずに投資を継続させながら様子を見たいと思います。
この記事のポイント
- FRBが保有する社債の売却を発表した翌日でも、市場には特に大きな変化は見られなかった。
- 米国株市場ではハイテク銘柄が売られて、生活必需品やヘルスケア関連株など景気悪化時でも底堅い銘柄が買われる動きは見られたが、値動きの幅は普段と特に変わらなかった。
- たった1日の動きだけで判断することはできないが、FBRの社債売却の影響は今のところ軽い。もしも、気になるなら景気に敏感な株を売却して、生活必需品やヘルスケア銘柄を増やして守りを固める手もアリ。
社債売却発表後も、警戒するべき大きな変化はなし
FRBの社債売却の発表後、市場は価格を下げたものは多かったですが、下げ幅は通常見られる範囲で収まっています。
まず、社債売却の発表で一番大きな影響を受けるかなと思っていた社債(FRBが主に買っていた投資適格社債)は注目するような大きな下落は見られませんでした。
FRBは2020年12月末で社債の購入を停止したのですが、このときのほうがインパクトが大きかったように思います。
ただし、1日で大きく売るのではなくジワジワと1-2ヶ月かけて売るような動きになるかどうかは、これから少し注意して見ていきたいと思います。
同じように米国債も米国株も売られましたが、下落幅はそれほど大きくありませんでした。強いて言うなら、株式市場でハイテク銘柄は普段よりも少し大きく売られた程度でした。
FRBの社債売却発表後の市場は下落こそしたものの、特に何かを警戒するような大きな下落ではあリませんでした。
1日目の動きとしては、市場は社債売却のニュースを冷静に受け止めたように思います。規模が小さいことも過度に心配しなくて良い材料になったのかもしれません。
今の段階ではFRBの社債売却はまだ過度な心配はいらない模様
たった1日の動きだけでは判断ミスにつながりかねませんが、強いて今の段階で私の考えを書くなら、今後のFRBの金融緩和縮小は注意を払う必要はあっても、まだ過度に警戒して株の売却を急ぐ必要はないかなと思っています。
今のところは米国株の保有比率を下げずに、FRBの次の動きを見守りたいと思います。
FRBの保有規模が小さい社債だけではなく、今後FRBが国債や住宅ローン債権の購入を縮小したり処分したりする方向に動いたとしても、2010年代と同じように株式市場は急落しないでしばらく上昇する可能性すらあると思っています。
必要な場合は保有銘柄で守りを意識
先程、米国株の保有比率は下げないと言いましたが、保有している中身は変えても良いと思っています。
FRBが今後金融緩和の規模を小さくしていくということは、これからは経済成長のペースが緩やかになる景気拡大期の後半に差し掛かる可能性は高いです。
こうなると株式投資家は、景気拡大後半や不況に強い銘柄を意識し始めるはずです。
詳細記事:景気サイクルごとにどの業界株が強いかを調べるサイト【ビジネスサイクル・アップデート】
この中でも、「景気拡大期終盤」でも「不況」になっても株価がそこそこ健闘する生活必需品・ヘルスケア・公共株などに、今からスイッチしても悪くないと思います。
昨日の米国株指数が下げた中でも、これらの業界は比較的好調だったようです。
私の今の悩みは、アメリカでインフレが進んでいる状況で伸びるはずの「インフレに強い銘柄」も「生活必需品・ヘルスケア・公共など」に変えたほうが良いどうかです。
これにはもう少し時間をかけて考えたいと思います。