予想以上に堅調だったアメリカの雇用
アメリカの労働省が発表した6月の雇用統計は堅調でした。非農業部門雇用者数の増加は予想16.0万人のところを22.4万人で、大幅増加しています。前月が非農業部門の雇用者数は7万5000人増加で、なので前月から比べても大きな増加です。
数日前のADP社が発表した雇用統計では結果が悪かっただけに心配しましたが、最重要とされている今回発表の労働省のデータが良かったので、一安心です。
参考記事:アメリカの悪い雇用環境を喜ぶ株式投資家。
10万人増加はアメリカの労働人口が減少しないために必要な毎月の雇用者数と言われています。これは、安定してクリアできています。雇用統計は月ごとのバラツキが大きい指標なのですが、今年に入って2月と5月の急減速を除いたら、安定して10万人増加を続けているんですよね。
この辺りを見る限り、アメリカの景気はまだまだ持ちこたえそうな気がします。
米雇用統計 | 予想 | 結果 |
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2019年06月 | 16.0万人 | 22.4万人 |
2019年05月 | 17.5万人 | 7.5万人 |
2019年04月 | 19.0万人 | 26.3万人 |
2019年03月 | 17.7万人 | 19.6万人 |
2019年02月 | 18.0万人 | 2.0万人 |
2019年01月 | 16.5万人 | 30.4万人 |
一息つくも、市場は未だに利下げを見込む
しかし、雇用統計は良かったものの、中央銀行のFRBも最近の景気は弱くなっていると感じているようです。7月5日にアメリカ議会に提出したされた報告書の中でも、減速の兆しがあると記載があります。
報告書では「米経済の成長は1~3月期こそ強かったものの、最近は減速の兆しがある」と指摘した。
成長持続へ利下げ視野 FRBが議会報告書(日経新聞)
7月31日金融政策決定会合では、95%もの市場参加者が依然として0.25%の利下げをすると見込んでいます。雇用統計の順調な数字を受けて、さすがに0.5%の利下げ予想はほぼなくなりましたが、今のところ現状維持を要するデータはありません。つまり、市場は相変わらず100%利下げすると思っています。
これ万が一、FRBが7月に利下げしないようなら、早く市場に釘をさしておいたほうが良い気がします。今の株式市場は、FRBの利下げを痛み止めを欲しがる患者のようにFRBを当てにしている節があるので、もし利下げが行われないとすると、少しばかりショックを受けそうです。
とりあえず雇用統計は無事に通過です。次の主要な経済指標は7月11日の消費者物価指数かと思います。注目してみましょう。