米インフレ、今は一時的でも長期的にはきわめて大きなリスク。

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先日、2021年5月時点で見られるインフレについて、多くの債権投資家は一時的だと思っているという記事を書きました。

2021年5月時点で見られているインフレが長く続くのか、それとも一時的で終わるのかについては、私にはまだハッキリとはわかりませんが、市場の投資家が「一時的」というのなら、その可能性が高いのだろうと思います。

一方で、今後のアメリカは長期的には(今後5-10年以内には)かなりの高い確率でインフレに悩まされることになるとも思っています。

  • 今のインフレは短期的に終わるか、高止まりするかはわからない。でも、長期的にはインフレとドル安が大きな問題になるとも思っている。
  • 2020年から2021年にかけてのコロナの不況を大規模な金融緩和と現金給付で切り抜けた方法はあまりにもうまく行き過ぎたので、今後何かあれば現金給付を人々は望み、議会もそれを望むようになる。
  • 危機の度に大量の現金が世に供給されて、いずれ大きなインフレとドル安を招く。

長期的にはアメリカはインフレに


まだ私には2021年のインフレ率の上昇が一時的なものなのか、それとも今後何年も続くものなのか、判断ができていません。

ただ、短期的には今のインフレは一時的で終わっても、長期的に見た場合には今後のアメリカはインフレ率の上昇に悩まされる可能性がかなり高いとも思っています。

それは、2020年にアメリカで新型コロナウイルスで不況になったときの、景気回復があまりにも上手く行き過ぎたからです。

コロナ不況ではアメリカ政府の現金給付と金融緩和の合わせ技が行われましたが、この成功体験があまりにも人々の印象に残ってしまったために、今後景気が悪くなる度に同じ策が繰り返され、いずれその副作用のインフレを招くようになると思っています。

2020年には想定していなかったV字回復を実現しているアメリカ


2020年4月にアメリカがパンデミックで大きな不況に陥った時に、多くの専門家が景気のV字回復は実現が難しいと話をしていました。

しかし、それから1年、アメリカのGDPは既にコロナ前の水準を超えて、実現が難しいとされていたはずのきれいなV字回復を既に達成しています。

V字回復を実現させたアメリカのGDP

アメリカのの個人消費を見ても、GDPと同じように、きれいなV字回復をしてコロナ前の水準を超えています。

V字回復したアメリカの個人消費

V字回復を実現させた現金給付の効果

この劇的なV字回復を実現させたのは、アメリカ政府が実施した現金給付と特別失業保険のおかげだったと思っています。

もしも現金給付がなかった場合、新型コロナの都市封鎖(ロックダウン)の期間中に人々の手元の現金が枯渇したら、経済が再開しても買い物をするお金がないので消費(GDP)はすぐに回復しなかったはずです。

現金給付がない場合には、都市封鎖解除後(ステップ3)すぐに消費が回復しない

しかし、現金給付で手元資金が枯渇しなければ、経済再開直後から消費が活発になるので、V字回復が可能になります。

現金給付がある場合には、都市封鎖解除直後(ステップ3)から消費が回復

この仕組みは2020年4月に以下の記事でも詳細を書いた通りです。2020年〜2021年の景気のV字回復は現金給付が上手く機能したのだと思います。

現金給付の副作用としてのインフレ


ただし、政府による現金給付にも2つのデメリットもあります。

現金給付

  • (1)政府が現金給付のために国債を大量に新規発行する場合、金利の上昇を招いて景気を冷やし、株価を下げる。
  • (2)現金給付が過剰な場合や、貯蓄ではなく消費に多くが使われた場合には、インフレを招く。

通常(1)の金利上昇のデメリットがあるのですが、2020年と2021年は中央銀行FRBが国債を買い支えることで、金利の上昇を抑えて乗り切りました。しかし、(2)のデメリットは2021年5月現在まさに表面化しているように見えます。

>>予想以上に進むアメリカのインフレ率、株価は全面安。

ただ、現金給付によるインフレの上昇効果は一時的だと言われているので、いずれ人々の記憶から(2)のデメリットは忘れ去られます。

そして、次の不況が来た時には「緊急事態だから」という理由で、デメリットを認識していたとしても、コロナ不況時の成功体験から再び現金給付と国債買い入れの合わせ技をするのだろうと思います。

不況で現金がほしい国民、現金をばらまいて支持を得たい議員、株価を支える景気対策が欲しい株主が現金給付を望んだ場合には、誰もこの流れを止めないと思います。

だから、長期的にアメリカはこれからインフレに向かっていくのだろうと思います。


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