このブログでは、アメリカの景気をみるために、経済指標を数多く追いかけています。
「今月の景気はどう?」「住宅着工件数なんか見て、何がわかるの」という人向けに、今月の住宅着工件数の結果をまとめておきます。
10月の住宅着工件数が発表されましたが、結果は悪くなかったです。予想よりもわずかに結果は下回りましたが、前月よりも回復していることが確認できて、これから調子を上げそうな気配を感じる数字も上がってきています。
この記事のポイントはこちらです。
- 新築住宅の数(住宅着工件数)は予想こそ下回ったが、前月を上回る結果だった。
- 新築住宅数の先行指標になる建築許可数が予想以上の結果だったので、これから新築住宅が増えそうな兆候が見られた。
- 調子を上げている要因は、住宅ローンの金利低下。ローン金利の判断基準になる10年国債利回りも低下している。
- 新築住宅に合わせて家具などの消費が発生するため、耐久財消費もこれから上がりそうな気配がある。
前月を上回った住宅着工件数
2019年10月の新築住宅の指標を確認していきます。
- 住宅着工件数:予想132.0万件をわずかに下回る131.4万件。前月の126.6万件は上回った。
- 建築許可件数:予想138.5万件を上回る146.1万件。前回139.1万件も上回った。
この2年間ほどの推移もグラフで追ってみます。赤線が住宅着工指数、青線を建築許可数でグラフを作りましたが、この数ヶ月の青線が急激に上がっているのが分かります。
建築許可数(青線)は、住宅着工件数(赤線)よりも先行して、動くと言われています。建築の許可が出てから、住宅を作るので当然と言えば当然です。建築許可数が急激に伸びていることは、今後住宅着工件数が伸びていくよと予言しているようです。
これはいい兆候です。新築住宅が増えれば、家具などの耐久財も今後買われていくはずなので、今後の住宅と耐久財は上向く可能性が高いです。
建築許可数の増加の理由は住宅ローン
建築許許可件数が伸びている理由は住宅ローンの金利の低下です。住宅ローンは、長期国債の利回りを基準に考えられますが、2019年7月以降の10米年国債利回りは、2%を切っていることが多く、家を買いたい人には嬉しい低金利が実現しています。
依然として前月超えを多く記録する米指標
10月のアメリカ経済指標全般に言えることですが、前月の9月の結果から数値が改善しているものが目立っています。
以下は、主要な指標の結果をまとめていますが、前月の結果を上回った指標で大渋滞しています。今回の住宅着工件数も、予想よりかは下回ったものの、前月の結果はきちんと上回りました。
10月米経済指標 | 予想以上 | 予想未満 |
---|---|---|
前回以上 | ADP雇用統計 ISM非製造業 コア消費者物価指数 コア生産者物価指数 |
ISM製造業 ミシガン大学消費者信頼感 コア小売売上高 住宅着工件数 |
前回未満 | 雇用統計(非農業雇用者) | 鉱工業生産 |
また、住宅着工件数に先行する建築許可数に増加が見られてるので、しばらくアメリカの住宅販売は好況が続くと見られます。