これからアメリカのインフレは下がっていくだろうと思っています。
インフレに大きな影響を与える住居関連の項目が、これから下がっていくと思っているからです。
しかし、不安材料がないわけではありません。最近の住宅価格の値動きを見ていると、少し不穏な伸びも見られます。
これから半年くらいのアメリカでインフレ低下とインフレ再燃でどちらに分があるかと言えば、8対2か9対1くらいでインフレ低下が進むと思っています。しかし、状況に変化がないかは少し注意して見ておく必要があるかもしれません。
この記事のポイント
- 「住居費」を除くと、アメリカの消費者物価は前年比2.2%にまで落ちている。
- つまり、アメリカのインフレは残すところ「住居費」を抑えられるかにかかっており、先行する住宅価格が既に下がっていることから「住居費」も低下することが予想される。
- しかし、最近のアメリカの住宅は前月比で価格の伸びが上昇している兆候が見られる点には注意。
アメリカのインフレの現状
この記事を書いている時点では、5月のアメリカの消費者物価まで発表されています。
上のグラフを見ると、「なんだ。まだ消費者物価は前年比で4%もあるじゃないか」と思うかもしれせん。
ただし、上のグラフから住居費(Shelter)という項目を除くと、少し違った見え方ができます。住居費を除くと、以下のように2%台にまで一気に低下します。
つまり、アメリカの物価の問題は残すところ「住居費が低下するかどうか」という1点に絞られます。
そして、「住居費」に先行して動くと言われるアメリカの住宅価格を見ると、既に前年比で大きな低下が見られているので、恐らく「住居費」もこれから低下するのだろうとと思っています。
なので、既に「アメリカのインフレは低下」で決まりそうだというのが、メインシナリオです。
気になる住宅価格の伸び
少しだけ気になる点があるとすれば、最近の住宅価格の伸びです。
次のグラフは先ほどとは違って、前月からの伸びを年率換算したものですが、2023年の住宅価格の伸びはプラスに成長に転じてじわじわと大きくなっています。
このグラフを見ると住宅価格が低下していたのは2022年までで、2023年前半からは住宅価格が再び伸び始めていることがわかります。
この住宅価格の伸びが続くのか、それがどこに影響を与えるのかは少し注意が必要かもしれません。
順当に考えれば、2022年の住宅価格の低下を反映してこれからしばらくは「住居費」も下がるはずです。しかし、最近の住宅価格が伸びているならば、それほど遠くない将来にインフレ率の再上昇を心配しないといけないかもしれません。