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アメリカの経済について、最近見方を少し変えた事

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最近アメリカの経済について少し読み違えていたと感じることや、考えを修正させないといけないかも知れない点が自分の中で見つかっています。

それらをこの記事でまとめ振り返って、軌道修正させたいと思います。

この記事のポイント

  • アメリカの景気はまだ強い状態を維持している。景気の減速を見越した投資が報われるまで時間がかかるかも知れない。
  • 今後数ヶ月の間、インフレは再加速する恐れがある。インフレに強い投資はまだ可能かも知れない。
  • 10年国債利回りはまだ上昇するはずだが、予想していたほど早いペースでは上昇していない。緩やかな上昇ペースならハイテク株などにもまだ投資できる余地あるかも知れない。

まだ強いアメリカの景気


私はアメリカの景気の拡大は、2021年3月から4月がピークでそれから勢いは急速に衰えるものだと思っていました。

例えば、最新の7-9月分のGDP成長率を見てみると、たしかに成長率は急速に鈍化しています。

しかし、最近発表されたデータも合わせて見ると、7-9月は低調だったアメリカの景気は10月は少し盛り返している印象があります。

先日発表されたアメリカのサービス業の景気の強さ(ISM非製造業指数)は10月に最高値の記録を記録して、新規受注も伸びていました。

>>予想以上に好調を記録した10月の米サービス業

また、製造業を見ても3月をピークに下がっているはいるものの、まだ強い景気をキープしているように見えます。

少し前まで「アメリカはピークを過ぎて、これから景気は急減速するかも知れない」と考えていましたが、まだ景気は強いようです。

このままいけば、10-12月期のアメリカのGDP成長率もいくらか盛り返すのだろうと思います。

インフレは再加速している恐れ

私は夏場にインフレの勢いが和らいだのを確認して石油株や資源株を売ったのですが、早くもアメリカのインフレは再び加速を始めるかも知れないと思い直しています。

製造業でもサービス業でもともに、仕入れ価格が再上昇している様子が見られます。

サービス業の仕入れ価格指数は再び上昇

こうした動きを市場の投資家も理解しているからこそ、最近はコモディティ(商品)や石油株が上昇しています。

コモディティ・インデックス(GSG)は2021年に44%上昇

11月10日に発表されるアメリカの消費者物価指数について、エコノミストたちは10月に前月比+0.6%(年率7.4%)したと予想しています。かなり高いインフレ率を警戒しているようです。

夏場にインフレの勢いは和らいだのですが、ひょっとすると石油株やコモディティなどの再びインフレに強い投資をするチャンスが訪れているのかも知れません。

この記事を書いている時点で、私はコモディティに近いビットコインに多くを投資しているので、今の時点ではこれ以上のインフレに強い資産への投資は予定していません。

12月にビットコインを一部でも売却した後は、コモディティや石油株などの銘柄をもう一度検討しようかと思います。

長期国債の利回りは思ったほど上昇していない

来年2022年の利上げを控えて、「これからは国債が売られて、長期国債の利回りは上昇する」と私は予想していたのですが、最近はどうも予想と反する動きが見られます。

例えば、30年国債は先週買われて利回りが急に低下しています。その勢いは、通常なら利回りが低いはずの20年債を下回るほどです。

>>【詳細】景気の減速を織り込むアメリカの債券投資家

この動きが一時的なものなのかどうかは現時点ではわかりません。

なお、この記事を書いている時点のアメリカの10年国債利回りは1.4%台です。

5%台のGDP成長をしているような国の10年国債利回りが、1.4%台というのは低すぎると思っているので、これから国債の利回りはまだまだ上昇することは疑っていないのですが、そのペースは思っていたよりも緩やかなのかもしれません。

となると、「急な国債利回り(長期金利)上昇に弱いから」と敬遠していたハイテク株はまだ上昇の余地があるのかも知れません。

私は2021年半ばからハイテク株が割高だと言って敬遠していたのですが、割高だからといって手放すのは早すぎたかも知れないなと反省しています。

さいごに


ここまで、最近になってアメリカの経済について見方を変えたものを紹介してきました。

一方で、考えを変えていないものもいくつかあるので、それも最後に触れておきます。

考え方を変えていないもの

  • アメリカの景気後退はまだ来ない。早くても2023年か2024年。まだ半年から1年弱は米国株は上昇するはず。
  • これまで低金利を理由に上昇した米国株は、次の景気後退前のピークの株価から大きな下落を迎える恐れがある。

もしも、急なショックがなければ早くても2023年や2024年までは、アメリカの景気後退はやってこないだろうと思っています。

景気後退の前の数ヶ月から数年前までには、10年債の利回りが2年債よりも低くなる現象が起こるのですが、その現象はまだまだ発生しそうにないからです。

10年債と2年債利回りの差はまだ大きくプラス

出典:FRED

2021年からはアメリカの金融政策の変わり目の時期にあたっているので、短期間で状況が変わるかも知れませんが、今のところ米国株はまだ投資できる対象たと思っています。


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