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今後の数年のアメリカ経済の見通しと投資の方針【21年6月版】

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前回の記事で、2022年にもアメリカは政策金利の引き上げ(利上げ)が起こるという話をしました。

利上げできるほどアメリカの景気が好調なのは良い事ですが、利上げ後は景気が冷えて、株価に悪影響が出ることも予想されます。

2021年の初めの頃に比べると市場の利上げ予想が少し早まったので、私の中での今後数年のアメリカ経済の動きと、投資の方針もアップデートをかけました。

上の図はあくまでも私の予想になりますが、今後のアメリカ経済の見通しとこれからどう投資をするつもりなのかを、この記事に書いていきます。

債権購入の縮小が始まる2021年

投資家なら既に知っているように、2021年のアメリカはワクチンの接種が進んで新型コロナウイルスの広がりを食い止め、景気が回復しています。

景気が好調なら、コロナの不況を乗り切るために中央銀行FRBが買い取っていた債権の購入は、2021年内にも縮小されるはずです。

特に、アメリカの住宅価格は急上昇しているのに、住宅ローン債権を毎月400億ドルも買い取っているのはおかしな話なので、まずは住宅ローン債権の購入から削減が始まるとも言われています。

>>FRBのMBS購入に縮小議論、住宅価格高騰で(WSJ)

投資方針

FRBが買い取る債権購入額が縮小しても、米国株がまだ上昇を続ける可能性は十分にあると思っています。

なので、保有比率はそれほど下げずに守りを意識した保有銘柄を増やすことでこの状況に対応したいと思っています。

2010年代にも同じように債権購入の金額を減らしたことがありましたが、その時期に米国株の大きな下落は見られませんでした。

2010年代のFRB金融緩和縮小では米国株への悪影響はすぐには現れなかった。

米国株は割高な状況が続いていますが、とても割高な米国債に比べればまだ安いので、投資資金が株に向かいやすい流れが続いています。

なので、今のところは過度に心配して米国株の保有比率を下げなくて良いと思っています。

一方で、2021年の第2四半期にも景気拡大ペースはピークをつけると言われているので、景気回復の恩恵を受ける銘柄は減らし、景気のピーク後でも比較的強い生活必需品やヘルスケアなどの銘柄に入れ替える予定です。

>>景気サイクルごとにどの業界株が強いかを調べるサイト【ビジネスサイクル・アップデート】

利上げが始まる2022年


おそらく2022年で一番大きな出来事は、アメリカの政策金利の引き上げになると思います。

FRBの中で2022年の利上げを予想する人は少数派ですが、市場は既に2022年9月の利上げを予想しています。

投資方針

利上げをして直ぐに米国株が下落することはありませんが、過去には利上げを何度も続けるうちに、ほとんどの場合で米国株は大きな下落を経験しました。

なので、利上げ開始されるはずの2022年からは米国株の保有比率を少しずつ引き下げていくことになりそうです。

2010年代には利上げ開始から米国株が本格的に下げるまで3年かかり、2000年のITバブルでは利上げから米国株の下落まで9ヶ月かかっているので、2022年9月に利上げが始まっても、米国株の本格的な下落が始まるのは2023年以降になりそうです。

しかし、いつ来るか分からない下落に備えようと考えると、2022年からかなり保守的な投資になると思います。

警戒心が強まる2023年


既に話をしたように、早ければ2023年にも米国株は大きな下落を経験すると思っています。

また、景気の状況によっては、不況(景気後退)の前に高い確率で現れる「逆イールド現象」と呼ばれるシグナルも見られるかも知れません。

ただし、FRBは逆イールド現象についてかなり研究*して警戒しているので、この現象が見られたら不況が訪れる前に再び金融緩和を始める可能性も十分あります。(注:そもそも逆イールド現象が発生することを最初に論文にまとめたのはFRBの人でした。)

そうなれば、不況になる前に金融緩和を再開して株価が急回復した2019年のように、1年程度の一時的な株高が見られるかも知れません。

2018年から2019年の米国株SP500の値動き

詳細はこちらの記事参照:
>>アメリカの金融引き締めが始まった後の話。

投資方針

2022年から米国株の保有比率は少しずつ減らす予定ですが、もしも逆イールド現象が発生したら米国株を大きく減らすつもりです。

一方で、2019年のような不況前の金融再緩和が見られるなら、1年程度の一時的な株高もあるかも知れないので、その場合は割安に見える株に限って投資も一部再開しようと思っています。


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