以前このブログでは、2020年4月から2021年業界ごとの株のパフォーマンスを見ていきました。
ゆっくりと着実にバブルへの道を歩む米国株【21年1月振り返り】
2020年前半の新型コロナで不況に陥ってから米国株は新しい景気サイクルに入りましたが、今回のサイクルでも過去と同じような業界株の傾向があるのか調べたので、この記事で結果をお伝えします。
それから数ヶ月がたち、以前よりもはっきりと業界の株の傾向が見えてきたので、再度どの業界が強くなっているのかを確認していきたいと思います。
この記事のポイント
- 2020年第2四半期からの業界株の値動きを見てみると、21年1-3月期から4-6月期にかけてアメリカは景気拡大の中盤に移行したと見られる。
- 景気拡大期の前半で強い金融株、不動産株、一般消費財株、工業株は4-6月期で既に旬を過ぎたと思われる。
景気のどのタイミングでどの業界の株が上昇しやすいか(おさらい)
通常、景気の動きには決まった動きがあります。
不況から景気が回復しますが、しだいにどこかで景気の勢いはピークをつけて、つぎの不況に突入するというのが1つのサイクルです。
フェデリティによれば、景気のどのタイミングでどの業界の株が上昇しやすいかには傾向があり、通常は以下のように景気サイクルごとに強い業界株が存在します。
業界株の上昇率を調べてみると
ここから先は、今の米国株でもフェデリティのまとめたような景気サイクルごとの強い業界株の法則が成り立つのかを見ていきます。
実は21年5月にも同様の調査をしたのですが、それから2ヶ月経ってデータを取り直した結果、もう少しはっきりと業界株の傾向が見えるようになってきています。
まずは、株価が底値をつけた2020年2Q(第2四半期)からの各業界の株価の上昇率を見てみましょう。
上記の図だけ見ていても、なかなかすぐには傾向に気づけないので、「景気拡大期の序盤から上昇する株」と「それ以外(景気拡大期の中盤以降に上昇する株)」に整理したのが、以下の図です。
この図を見るとわかるように、景気拡大期の序盤から上昇する株は2021年1Q(1-3月)から2Q(4-6月)に移るタイミングで、株価の上昇率の鈍化が見られます。
反対に、景気拡大期中盤以降に上昇が見込まれている株は同じタイミングで、株価上昇の加速が見られています。
そして、この株価上昇率の主役の交代したあと、7月になってもこの傾向は継続しているように見えます。
この恐らく、2021年1Q(1-3月)から2021年2Q(4-6月)にかけて、景気拡大期の序盤から中盤に移行したのだと思います。
すでに投資家は景気拡大期終盤を見る動きも
この記事では、各業界株の値動きから米国株は既に景気の拡大期中盤に入っているという点を見ていきました。
さらに、7月の値動きを見ていると景気中盤に強い株よりも、景気終盤に強い株のほうが強い傾向が見られました。
まだ値動きを見てみないとはっきりとは言えませんが、既に投資家は景気拡大の中盤ではなく、終盤にまで目を向け始めた可能性もあると思います。