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予想以上にインフレが進んだ6月のアメリカ【消費者物価】

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アメリカの21年6月の消費者物価(インフレ率)が発表されました。結果は予想以上に大きくインフレは進んでいました。

ただし、だからと言って株式市場は特に反応した様子はありません。米国株は小幅に下がった程度で、長期のインフレ率予想もほとんど変化しませんでした。

私はそろそろインフレ率が一時的でもピークをつけるなら石油株を手放しても良いかと考えて、消費者物価に注目していましたがピークを超えたようには見えません。

今回の結果を見る限りは、石油株はまだ売らなくて良さそうです。

この記事のポイント

  • 2021年6月のアメリカの消費者物価は、予想を大きく上回る上昇を見せた。
  • しかし、株式市場は特に慌てることなく、市場は冷静に受け止めた模様。また多くの投資家のインフレは一時的という見方も変わっていない。
  • インフレ率が一時的にピークをつければ、石油株を手放そうかと考えていたが、まだピーク超えはしていない模様。

予想を大きく上回った21年6月のアメリカ消費者物価


6月のアメリカ消費者物価は、少し大きめに予想を上回りました。

事前の予想では物価は前月比+0.5%上昇すると見られていたのですが、その予想を超える前年比+0.9%の伸びを見せました。

2021年6月のアメリカ消費者物価

  • 前月比:+0.9%(予想+0.5%)
  • 前年比:+5.4%(予想+4.9%)

+0.9%というと小さな数字に見えるかもしれませんが、12ヶ月続くとインフレ率が前年比+11%になるペース(年率+11%)でかなり大きな数字です。

インフレ目標の2%前後から大きく離れたペースでインフレが進んでいるようです。

市場は荒れずに冷静に反応

しかし、これだけ大きなインフレ率上昇が発表されても、市場は荒れることなく冷静に受けながしたようです。

ダウ、S&P500、ナスダック総合などの主な株式指数を見ても、対して大きな下落は見られませんでした。小型株のラッセル2000が売られた程度でした。

2021年7月13日の米国株市場

また、米国債はいくらか売られたようですが、10年米国債に投資している投資家が想定しているインフレ率予想も2.36%(前日までは2.33%)でほとんど何も変化していません。

やはり、今月も市場はアメリカの物価上昇は一時的だと見ているようです。

投資家たちがインフレを一時的だと見る理由

多くの投資家が今回のインフレが一時的だと見ている理由ですが、今月のインフレが「中古車」が突出して高い価格をつけているなど、一部の商品の価格が数字を押し上げているためだと思われます。

アメリカで中古車の価格が上がっているのは、世の中で半導体が不足して新車の製造が十分にできていないためです。半導体不足は今後はゆるやかに改善すると予想されているので、投資家は今回のインフレを一時的と見ています。

公式の情報で具体的な数字を確認すると、6月の中古車の価格は前月比で+10%(前年比+45%)も上昇していますが、車業界の半導体不足が解消されれば、この数字が下がりインフレ率全体も緩やかになると投資家は見ているようです。

(ただし、個人的には中古車以外もそこそこ価格が進んでいる点は気になっています。6月のようなインフレは一時的だとしても、落ち着いた先のインフレ率が前年比3%程度のやや高い水準にとどまる可能性は十分なある気がしています。)

さいごに

この記事では2021年6月のアメリカのインフレ率が予想以上に進んだことについて書きました。

しかし、インフレ率を押し上げたのは中古車などの一部の商品だったので、市場はこのインフレ率は長続きしないとみているのか、株価はほとんど動きませんでした。

もしもインフレ率が6月から緩やかになっていくようであれば、石油株の売却を検討するという記事を先日書きましたが、予想以上のインフレだったのでまだ石油株は売らずに様子を見ようと思います。

ところで、FRBも市場も今のインフレ率は一時的と見ているようですが、一体いつまで今の高いインフレを許すのか少し興味があります。

これから来年2022年2月までインフレ率が前月比が0.2%〜0.4%で進んだ場合に、消費者物価(前年比)がどれだけになるか計算してみたのですが、いずれの場合でもかなり高い水準にとどまることになります。

このままいくと、次の冬頃まではアメリカの物価はやや過熱気味の状態が続くのかも知れません。

2022年春以降は、2021年の好景気の反動で経済成長が伸び悩んだり、中央銀行FRBが金融緩和を縮小したりと、別の問題が起こってそうですが、今はまだしばらくインフレに注目しておこうと思います。


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