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アメリカの消費者物価は前月比でマイナス

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12月のアメリカの消費者物価指数の発表がありました。エコノミストの予想はインフレ低下を折り込みすぎか心配しながら見ていましたが、結果は予想通りでした。

2023年はアメリカのインフレはもうそれほど心配はいらなそうです。

FRBがどれだけ「2023年内に利下げはない」と言っても、2023年後半には態度を改めるはずです。その頃にはインフレが急低下しているか、景気が急激に悪化しているからです。

インフレとの戦いの第1幕は終わったという考えは、今回の発表を受けても変える必要はなさそうです。

この記事のポイント

  • 12月のアメリカの消費者物価は予想通りの結果だった。前月よりもわずかに物価は下がった。
  • 住宅価格指数は高い上昇が続いているが、早ければ半年前後で下落を始める。
  • 1970年代のアメリカのインフレは上昇と同じスピードで減速したが、今回もほとんどその通りになっている。

インフレは減速

既にニュースなどで結果を知っている人も多いと思うので、消費者物価の数字はさらっとだけ触れます。

  • 前年比:6.5%(予想6.5%、前回7.1%)
  • 前月比:マイナス0.1%(予想マイナス0.1%、前回0.1%)

12月は前月比マイナス0.1%で「物価上昇の減速」ではなく「物価の低下」が見られたようです。これを受けて、消費者物価は前回の前年比7.1%から6.5%にまで減速しました。

コアは伸びているが次第に低下する

「そうは言ってもコア(食料品とエネルギー価格を除いた物価)はまだ伸びているじゃないか」という人もいると思います。

なるほど、たしかにコア指数は前月よりも伸びが加速しています。

コアが伸びている原因は、もっとも比重が大きい「住居費(Shelter)」が伸びているからです。

しかし、この住居費よりも先に価格が動く住宅価格は既に伸びが急低下しているので(下図)、もはやこのままほっておいてもアメリカのインフレは下がると思っています。

インフレの減速スピード

先月のブログで、アメリカのインフレは上昇と同じスピードで減速するということを書きました。

>>【詳細】急上昇したアメリカの物価は、今後同じペースで急低下する。

今回発表された12月のデータを追加しても、この傾向は続いているように見えます。

今回の場合は、下落するペースのほうが上昇するペースよりも少し早いのかも知れません。この傾向が続くなら、2023年後半になるにつれてアメリカの物価は急速に低下することになります。

さいごに

2023年にアメリカのインフレが急低下するという予想は今のところ外れていないように見えます。

この傾向が続くならアメリカの政策金利引き上げもあと数回で終わるはずなので、株も国債も価格の上昇が期待できる展開になっています。

ただ、株はまだ大きな不安材料も抱えています。来週以降からはじめる決算シーズンで企業の利益がどれだけ傷んでいるのかが着眼点になりそうです。

これまでに「利益が急減している」という事前通告(利益警告)はあまり聞こえないので、10-12月期の業績は乗り越えられそうな気もしていますが、果たしてどうなるかはフタを明けてからのお楽しみになりそうです。


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