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大幅な利益のマイナス成長が見込まれる4-6月のアメリカ企業

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新型コロナウイルスのアメリカ企業への影響は一時的で、喉元すぎれば熱さを忘れて景気が回復するだろうと、2020年の1月の時点の私は考えていました。

しかし、一時的だとしても新型コロナウイルスは予想以上に米国企業に深刻な影響を与えることになりそうです。

最新のアナリスト予想によれば、2020年4-6月期には米国企業の利益はマイナス10%で減少すると見られていて、実現すれば過去10年間で初めて四半期で二桁の利益減少になります。

正直ここまで事が大きくなるとは思っていなかったのですが、これは同時にチャンスでもあります。

この記事では、Factsetがまとめた最新のアナリスト予想のキースライドを振り返り「どの業界に投資の旨味があるのか」、「投資資金はいつまでに使い切るイメージを持てばいいか」を考えていきます。

この記事のポイント

  • 2020年4-6月期のアメリカ企業の利益予想はマイナス10%。二桁の利益減少予想が出たのは過去10年間で初めて。
  • もっとも低迷するのは、エネルギー業界で利益はマイナス92%。これを大きな投資のチャンスと見るなら、エネルギー全体に業界に投資できるEFT(たとえばVDEなど)はその候補になり得る。
  • 現時点のアナリスト予想では、アメリカ企業の利益の低迷のピークは4-6月期。6-9月期ではわずかに前年比プラス成長が見込まれる。
  • アナリストの予想通りなら、手元に残している投資資金は20年6月までの今後3ヶ月に使えば良さそう。もしくは、安全にいくなら9月までの今後6ヶ月間で使うイメージで良い気がする。

4-6月に大幅な利益のマイナス成長が見込まれるアメリカ企業


Factsetの最新のレポートによると、2020年4-6月期のアメリカ企業全体(S&P500)の利益は、前年比マイナス10%が見込まれているようです。

過去10年間で二桁のマイナス成長を経験した四半期はなかったので、これが実現すれば10年間で初となります。

以下が、S&P500と各セクターの2020年4-6月期の利益予想のグラフです。

このグラフを見ると、すぐに分かるのですが、エネルギー関連企業の利益の減少が突出して高いです。マイナス93%の利益減が見込まれています。

エネルギーセクターに投資するなら

現時点でエネルギー業界に投資している人は、4-6月期に93%もの利益が減るというのは、聴き入れたくないニュースかも知れません。

ただ、これだけの利益減少が見られる機会もそうはありません。見方を変えれば、チャンスでもあります。

私はエネルギー業界にそこまで明るくありませんが、考えているのは以下です。

  • 【低迷背景】:エネルギー企業の低迷理由は、新型コロナウイルスと原油安。しかし、どちらもいずれ解決する問題。
  • 【上昇理由】:新型コロナウイルスはいつか収束。また、原油安は産油国との対立からサウジアラビアなどが意図的に増産して原油安を引き起こしているが、自国の利益も削られているので、いずれ原油価格は上昇する。
  • 【投資の注意点】:エネルギーセクターへの投資の注意は、新型コロナウイルスだけが問題ではないので、他のセクターよりも低迷が長引く。また、9割の利益減少では、倒産する石油関連企業も出るはずなので、個別銘柄は企業の体力を見る目が必要。
  • 【結論】:他の業界に投資し終わった後に、まだチャンスも投資金額も残っているなら、倒産のリスクも軽減できるような米国エネルギー企業全体にできるEFTであれば、投資先候補になりうる。

アメリカ企業のエネルギーセクター全体に投資できるETFは、たとえばバンガード・米国エネルギー・セクターETF(VDE)などがあります。2020年に入ってから既に54%価格が下がっています。

VDEの分配金利回りは3月28日時点で9.27%もありますが、利益減とともに配当が止まる企業もあるはずなので、現時点の利回りは気にしなくて良さそうです。

また、エネルギーセクター以外にもチャンスを拾いたい人は、以下の産業別の利益グラフも参考になると思います。エネルギーの他は、航空業界、自動車業界、ホテル・レストラン・レジャーの売上は2020年4-6月期に大きな低迷が見込まれてます。

私は今回の相場で低迷した銘柄よりも、もともと買いたいと思っていた銘柄をまず買い進める予定ですが、買い進めてもまだ資金に余力がありそうなら、エネルギーセクターETFも少しだけ検討しようかと思います。

参考:当面の購入候補銘柄

  • クラウド利用の拡大:アマゾン、マイクロソフト、グーグル、アドビ
  • 電子決済の拡大:マスターカード、ビザ
  • 世界でのSNS利用拡大:グーグル、フェイスブック
  • 自動運転など移動サービス:グーグル、Lyft。Uber、GMは検討中
  • 糖尿病患者の増加:ノボノルディスク
  • 世界的な人口の増加:P&G、コカコーラ、ペプシコ、スタバ、マクドナルド、ウォールマートなどの生活密着型
  • 新興国経済の発展:インド株ETFなど

現段階でアメリカ企業の低迷のピーク予想は2020年4-6月期

最後に、2020年の四半期ごと利益を見ていきます。

このグラフを見る目的は、「アメリカ企業の利益減少の底はいつなのか」の現時点のアナリスト予想を知るためです。

上のグラフを見る限り、2020年1-3月期と4-6月期にかけて企業の利益が前年より落ち込むと見ているようです。あくまでも、現時点の予想ですが、企業の利益は7-9月期には前年比でプラスに回復すると見ているようなので、利益減少の底は4-6月期と言えそうです。

この予想があたるなら、今手元にある投資資金は6月頃までの今後3ヶ月間で使えば良さそうです。

アナリスト予想はコロコロと変わるので、安全策で行くなら7-9月期が最悪期と見て、9月頃までの今後6ヶ月で投資でも良いかも知れません。

ただし、あくまでも現時点でのアナリスト予想なので、今後も景気の底はどこにあるのかはチェックしていく必要がありそうです。


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