【新展開】動き出した米中貿易協議、G20での合意発表はあるか。

  • yuta 
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局面が展開してきた米中協議

G20首脳会議を直前に控えて、米中貿易協議も進展が見えているようです。

2019年6月26日、ムニューシン財務長官が協議合意が近づいていると進展具合を示したほか、トランプ大統領もG20での中国習近平国家主席との米中会談での合意発表が「可能」との認識を示しました。

これは、数日前まで合意までは程遠いと考えていた市場の予測に比べて、かなりの進展です。

合意への道は90%まで来ている

ムニューシン長官は米中貿易交渉は合意までの進捗具合をおよそ90%と表現しました。また「合意に至る道は残されていると思う」と発言して注目を集めています。


We were about 90% of the way there [with a deal] and I think there’s a path to complete this.(…)The message we want to hear is that they want to come back to the table and continue because I think there is a good outcome for their economy and the U.S. economy to get balanced trade and to continue to build on this relationship.

貿易協議の合意はおよそ90%の所まで来ている。また、合意に至る道はあると考えている。私達が聞きたいのは、中国が交渉のテーブルについて交渉を続けたいという意志だ。なぜなら、中国と米国の双方の経済がバランスの取れた貿易をして良い関係を築くことが、良い結果になると考えているからだ。(ムニューシン財務長官)

上記の「バランスのとれた貿易」とは、中国政府が中国籍企業に提供する多額の支援金が米国企業との公平な競争を歪めている状況解消等、中国政府が行っている数々の中国企業有利な政策と法律の改正をさしています。

米中の貿易協議では、公平な貿易の実現に向けて長い時間話し合ってきましたが、2019年5月の合意間近の段階で中国が一方的に事前の協議内容を覆してきたため、トランプ大統領が中国からの輸入品対する関税引き上げを行っていました。

詳細記事はこちら:トランプ追加関税ツイート背景と、米中貿易協議の争点。

合意は「可能」とトランプ大統領

さらにムニューシン財務長官の上記発言が出た同じ日、トランプ大統領もG20期間で行われる米中首脳会議での協議合意は「可能」と発言しています。

トランプ大統領は、米国よりも中国指導部のほうが合意を強く望んでいる状況に持ち込めているとの良い感触があるようで、「合意に達することは可能だが、現状にも満足している」と話しています。

このあたりの交渉は、さすがビジネス感覚に長けたトランプ大統領ですね。例え、こちらが喉から手が出るほど合意を強く望んでいても、相手以上に合意に先急いでいる様子を見せては優位に進めません。安っぽい表現になりますが、交渉と恋愛は似ていると何かで読んだことがあります(原典がわからず、安っぽい表現しかできずにすみません)。

また、同時にG20の協議が物別れに終わった場合、従来から予定していた25%の関税ではなく、10%の関税発動もありえると発言した点は注目です。

先週末に行われたバンクオブアメリカ・メリルリンチの調査結果では、G20での米中貿易協議で合意はなく、さらに協議継続のために関税発動もないと市場の3分の2が読んでいました。

しかし、10%の税率も示唆したことで、一気にG20後の10%関税引き上げの可能性が広がったように思います。これであれば、中国に対して貿易協議のプレッシャーをかけつつ、さらにFRBに対しては関税による景気減速で利下げ判断をしてもらいやすくなります。

見えてきた盤面

さて、この1-2日の要人たちの発言から、だいぶ盤面が読みやすくなってきました。

まずG20後の米中貿易協議後の展開ですが、「合意」もしくは「関税引き上げ10%で協議継続」「関税引き上げ25%で今後の協議の大幅減速(か協議中断)」の3択が可能性が出てきています。トランプ大統領が直前に10%関税引き上げの発言をしたこと、またムニューシン長官のいう合意までの残りの10%の争点が実は大きな論点である可能性もあると考えると、「関税引き上げ10%で協議継続」が一番濃厚な線になりそうです。

また、金融政策を決めるFRBのスタンスとしては下記記事も触れたように、7月末で「0.25%の利下げ発動」か「金利維持」の2択です。こちらはもっとシンプルで、貿易協議が合意されれば金利維持。関税引き上げが行われれば、0.25%の利下げが濃厚です。

セントルイス連銀「次回FOMCでの0.5%の利下げは不要」と認識示す。