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少し心配な最近の米国債が売られる動きと米国株への影響。

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少し前のことになるのですが、2021年2月と3月の米国株の値動きを覚えていますでしょうか。

当時はこれからアメリカの景気が回復するという期待感があったからなのか、景気が強い時期には売られる米国債がとことん売られて、米国株も売られる動きが見られました。

※たとえば以下の記事で書いた3月3日の市場では、国債が売られて(長期金利が上昇して)、米国株も大きく売られました。

その後は3月を過ぎると、売られすぎていた国債が買い戻されて、米国株も落ち着きを取り戻すという流れで21年8月に至ります。

しかし、少し気になるのは今や国債は買い戻されすぎて、再び売られやすくなっているということです。

それほど可能性は高くないと思いますが、ひょっとすると今年の後半どこかで3月に見られたような国債と米国株が同時に売られる展開もあるかも知れないと頭の片隅で思っています。

この記事のポイント

  • 21年3月まで売られすぎていた米国債は8月1週目までに大量に買い戻されたが、8月1週目時点では逆に買われすぎの兆候が見られている。
  • もしも、これから急に国債が売られるような展開がくれば、21年3月のような10%程度の株安はあるかも知れない。下落があるなら買う準備をする。

一時的に買わすぎている国債

2020年から2021年にかけては、「買われすぎている米国債に比べれば、米国株はまだ投資対象としてマシ」という判断で、米国株が買われてきました。

なので、米国債が買われているなら、「米国株もまだ高値を継続できる」と確認できるます。

しかし、この記事を書いている8月現在の米国債の動きを見ていると、若干買われすぎていて売りに転じているような不穏な兆候が見られます。

以下のグラフは、下に行けば行くほど「米国債が買われすぎ」を意味するのですが、21年8月現在では買われすぎて米国債が売りに転じている兆候が見られています。

このグラフを見ると、「今後しばらくは米国債は売られやすいかも」という考えが出てきます。

米債が買われているほうが、米国株にとっては好都合なので、これは少し心配です。

国債が売られるかもしれない2つ目の証拠

実は、米国債についてはもう一つ気になっていることがあります。

米国債の利回り(長期金利)は以下の記事でも書いたように、[銅の価格]÷[ゴールドの価格]と同じような動きをすることが多いのですが、この動きを元に考えると、今後は国債が売られるのではないかと思うのです。

最近の[銅の価格]÷[ゴールドの価格]の最近の動きを調べたのが、以下のグラフの青い線です。

この青い線は、普通なら米10年国債利回り(赤い線)と同じような動きをすることが知られているのですが、最近はそれらは異なる動きをしているようです。

上のグラフの[銅の価格]÷[ゴールドの価格]を元に考えるなら、本来ならもっと米国債の利回りは上昇していておかしくないはずなのです。もしも、これから調整が起こって米国債の利回りが上昇するなら、それは国債の売りを意味します。

なので、上のグラフを見ていると、「ひょっとするとこれから米国債が売られる展開があるのかな」と考えてしまします。

まとめ


この記事では、8月1週目までに米国債が一時的に買われすぎの状態に入っていること、銅とゴールドの価格を元に考えても今後は国債が売られる恐れがあると書きました。

冒頭にも話をしたように国債が売られると、米国株の投資も少なからず影響を受けます。

もしも急激な国債売りになるなら、21年2-3月に見られたような米国株の10%程度の下落もあるかも知れません。

ただし、ここまで長々と記事を書いておきながら申し訳ないのですが、急激に国債が売られるような可能性は私もそれほど高いとは思っていません。

「新型コロナウイルスが米国で再流行していて景気の足かせになるなら、低成長でも強い国債が買われるはずなのでは?」とか「米国の2021年の景気回復の勢いはピークをつけて、これからは経済成長率が低くなるなら、国債が買われるのでは?」ということを考えると、急な米国債の売りの可能性は高くないと思います。

ただ、可能性が低いとしても、もしも国債の急な売りが起こった場合には、21年3月でも見られたようにめったに下げない銘柄も安くなるチャンスが見られるはずなので、次の下落ではチャンスを逃さずに機敏に動けるように心の準備をしておきたいと思います。


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