1月はアメリカの長期金利(10年米国債利回り)がスルスルと上昇する日が続いています。
この記事を書いている時点で、アメリカの10年米国債の利回りは2年ぶりに1.8%を超え、一時的に1.85%にまで上昇したようです。
このブログでは(A)1.8%もしくは(B)2.3%〜2.4%のどちらかで低下に転じる可能性があると言ってきましたが、(B)を目指す可能性が高くなってきたように思います。
ひょっとすると2.4%を超えて上昇する可能性もあるかもしれません。
この記事では(1)2.4%で長期金利が低下しはじめた場合、(2)2.4%超えた場合の2つに分けて、どんな投資をするかを書いていきます。
この記事のポイント
- 長期金利が2.4%で低下した場合、ゴールドと米国債が有望。米国株は景気後退前の最後のひとあげはあるかもしれないが売り抜けることは難しい。
- 長期金利が2.4%を超えて上昇した場合、あらゆる資産は下落しやすくなる。インフレが高ければゴールドやコモディティ、ドル安なら欧州株や新興国株に希望が生まれる。
2.4%を目指して上昇し始めた長期金利
以前ブログでも書いたのですが、2022年のアメリカの長期金利は(A)1.8%、もしくは(B)2.3%〜2.4%が一つの鍵になると思っています。
以下は長期の10年米国債利回りのチャートですが、1980年代から青線と白線の間を行き来していることがわかります。
上の図で2022年付近を拡大すると青線は1.7%弱で、白線は2.3%〜2.4%前後です。
既に青線は超えているので、今後は(一旦下落するかもしれませんが)2022年内に2.3%〜2.4%を目指す展開になる可能性は十分あります。
長期金利が2.4%で低下した場合
少し気が早いのですが、長期金利2.4%まで上昇して低下した場合にはどのような投資をするのが良いのか考えていきます。
この場合、買っておいて価格が上昇する投資先は長期国債、ゴールド、(不景気前の最後のひと上げとなる)米国株です。
- 長期米国債
- ゴールド
- (米国株)
長期金利が低下するなら、米国債が買われることを意味するので、この場合に長期の米国債を買っておけば利益が出るのは当然です。
面白いのは、どこまで長期金利が下がるかです。
上の長期のグラフの下のほうの青線、白線を見てみるとどちらもゼロを下回っているので、1980年代からの金利低下の傾向が続くなら、次はついにアメリカでも10年国債がマイナス金利になるまで買われるかもしれません。
また金利が低下すればゴールドは上昇するので、ゴールドも投資価値はあると思います。特に2022年はインフレが2%よりもずっと高い状態でとどまりそうなので、インフレに強いゴールドはさらに魅力的です。
また、短期的にはS&P500などの大型株を中心にした米国株も上昇する余地があると思います。
ただし、長期金利が低下した後の米国株の上昇は景気後退前の最後のひとあげ(上昇)になることもあるので、かなり注意が必要です。
長期金利が2.4%を超えて上昇した場合
さて、本当に困ることが起こるのは長期金利が2.4%を超えて上昇を見せた場合です。
この場合は残念ながら、あまり有効な投資先がありません。
米国債も米国株もどちらも大きく価格が下落することになります。
もしも、高いインフレが続くならゴールドやコモディティが資産の下落を防いでくれるかもしれません。ドルが下落してくれるなら、米国株から資金が逃げる先として欧州株や新興国株が買われる可能性もあります。
ただ、長期金利が上昇する環境ではリターンは多く望めないので、資産を買うのはそれほど有効な作戦にはならず、ひとまず日本円を現金を多めにしておいても良さそうです。
この場合の投資をまとめると、以下の資産に広く配分をしてやり過ごすことになりそうです。
- (高いインフレなら)ゴールドやコモディティ
- (ドル安なら)欧州株や新興国株
- 現金は普段より多め
- (少額で)米国株か米国債をショート
ちなみに、現段階で長期金利が2.4%を超えて上を目指す確率はあまり大きくないと思っています。
もしも、2.4%を超えた場合には1980年代からの長期金利低下の長期トレンドが終わったことを意味するので、大きな転換点となるはずです。