以下の記事の中で、ドル安が続くなら2021年は新興国株が伸びるという考えを書きました。
私が考える2021年まだ投資できるテーマ【2021年1月版】
2021年1月時点で、米国株は割高にみえるものがかなり多くなっていますが、現時点でまだ伸びしろがある分野もわずかにあります。私がまだ投資できると思っている分野は石油、航空、ホテル、銀行、タバコ、軍需産業です。これらのまだ投資できる分野について書いていきます。
上の記事を書いてから2ヶ月経ちましたが、今のところ狙いは外れてしまっています。
2021年1月から3月まではドル安ではなくドル高が進んでしまっていて、この動きが続くなら新興国株は少し苦戦するかも知れないと少し考えを改めはじめています。
この記事のポイント
- 2021年初はバラマキによるドル安の展開を予想していたが、この数ヶ月はドルは金利上昇の影響を強く受けて、予想に反してドル高になっている。
- 2021年のアメリカの金利上昇の背景にはコロナからの景気回復期待がある。
- アメリカは多くの新興国よりも早くワクチン接種を終える予定なので、今後もしばらくはアメリカの景気回復による金利上昇を背景にドル高が続く可能性もある。
- 新興国株への投資はアメリカの金利上昇が落ち着いてからでも良いかも知れない。
アメリカがドルを大量にバラまいている結果として長期的にはドル安が進むと思っていますが、2021年の今のところはバラマキによるドル安よりも、長期金利上昇の影響を受けたドル高が進んでいて、この傾向は今後数ヶ月は続くかも知れないと思い始めています。
新興国株への投資はいずれチャンスが来ると思っていますが、しばらくアメリカの金利上昇とドル高が落ち着くまで様子見をしたいと思っています。
この数ヶ月のドル高で苦戦する新興国株
一般的にはドル安になれば、米国株よりも新興国の株のほうが投資が有利になります。
新興国はドル建ての債務の負担が軽くなる上に、ドル安が進むならアメリカの投資家は新興国株の投資リターンが増えるからです。
2021年初の私は「米政府が景気対策でドルが大量にばらまくことでドル安になるから、新興国株は上昇しやすいはず」と考えていました。
ところが、いざ2021年がはじまって2ヶ月経ってみると、ドルは予想外に上昇をしています。
ドルの強さを表すドルインデックスを見てみると、2021年にはいってから上昇が続いています。
その影響を受けて、最近の新興国株(VWO)は米国株(S&P500)よりも低調になっています。
ドル高の背景にあるアメリカの金利上昇
アメリカ政府は追加の景気対策案を打ち出すなど、予想通り順調にドルのバラマキに動いているのですが、何がドルを高くさせているのでしょうか。
その背景にある気がしているのは、ドルの金利上昇です。
2021年はアメリカで金利が勢いよく上昇しているので、利回りが良くなっているドルが買われているように見えます。
そして、もう1つだけ掘り下げて考えてみると、アメリカ金利上昇の背景にあるのは、コロナからの景気回復期待がある気がします。(一般的には不況から景気回復期に移ると金利が上昇します)
世界のワクチン接種状況を見てみると、アメリカよりも進んでいる国はわずか数カ国しかありません。
アメリカは多くの新興国よりも早くワクチン接種を終える予定なら、今後もしばらくはアメリカの景気回復による金利上昇を背景にドル高が続く可能性もありそうです。
新興国株への投資はアメリカの金利上昇が一服してから
アメリカ政府が大量にドルをバラまいている影響は、長期的にはドル安を引き起こすはずだと思っているので、私は長期的に新興国株には強気です。
ただし、2021年に入ってからしばらく続いている動きは、予想に反してアメリカの金利上昇の影響を受けてドル高が続いています。(そもそもドルに関しては予想が甘かった点は反省です。)
このドル高は、アメリカが新興国に先かげてワクチン接種を進めて景気回復期待が高まっていることが考えられるので、今後数ヶ月は金利が上昇を背景にしたドル高が続く恐れがあります。
新興国株でも個別で割安な株があれば投資をする考えはありますが、新興国株全般への投資の考え方には少し軌道修正をかけて、アメリカの金利上昇が一段落してから再度検討したいと思います。