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急増が止まらない失業者、それでも上昇する米国株。

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米国では失業者の増加が止まらない状況になっています。

ただし、失業者が急増しているのに、失業保険申請数が発表された日の株価は、またしても上昇しました。この日の株価は、FRBの追加支援策に反応したようですが、これで3週連続で失業者急増が発表された同じに日に株価は上昇しています。

個人的には、こういう悪いニュースに反応しないときの市場は、とても苦手です。シンプルに何を考えているのか、分からないです。

多分、市場は新型コロナウイルスが収まれば、失業率も急回復すると予想しているのでしょうが、市場がよく理解できない時は何も行動をしないに限ります。

幸い来週4月15日からは、決算シーズンが始まります。新型コロナウイルスで企業がどの程度ダメージを受けたかが見えてくるはずなので、投資先の企業の業績が明らかになってから、次の投資の行動を考えたいと思います。

この記事のポイント

  • 失業率は急激に上昇を続けている。この3月後半から失業者が増加し続け、失業率は15%にも達した可能性がある。
  • ただし、失業保険申請者数の急増が発表されても、株価は上昇した。失業者の増加は経済にインパクトがあるはずなのに、これで3週連続で発表の日に、株価は上昇を続けている。
  • 失業率の悪化の悪影響で、いずれ株価は下落するリスクが高いと思っているが、今後の投資は決算を受けてから考えることとする。まずは様子見をする。

急激に上昇し続ける失業率


今週も記録的な失業者の増加を記録しました。

新規失業保険申請件数(3/29-4/4)

  • 予想:525.0万人
  • 結果:660.6万人

今まで新規の失業保険申請数が20万人程度、リーマンショック時でも最高で約65万人だったことを考えると、それらの10倍以上の記録的なペースで失業者が伸びていることがわかります。

これで3週間の新規失業保険申請数の合計は、1500万人を超えました。

先月までは失業率は3.5%でしたが、単純計算で約15%まで上昇したことになります。リーマン・ショックで最悪期の失業率は10%程度でしたが、早くもこれを超えたかも知れません。

また、トランプ政権はできれば5月中に企業の経済活動を再開させたいと考えているようなので、少なくとも4月中はこのペースで失業者が急増し続ける可能性があります。まだ、しばらくは失業者の急増とお付き合いしないといけなさそうです。

失業率に関係なく、上昇を続ける株価

ただし、失業率が歴史的なペースで上昇を続けても、この日も株価は上昇しています。。

新規失業保険申請の数字が発表される木曜日だけでなく、予想以上に失業率が悪化した雇用統計の発表日も株価が上昇しています。

まだ、市場は失業率の悪化を織り込んでいないように見えます。

今後はひとまず決算を確認


4月になったら、失業率などの新型コロナウイルスの影響を受けた悪い経済指標が出てくるので、株価は下がると思っていたのですが、いまのところ読みは外れてしまっています。

難しいですね。エコノミストの予想以上に悪い数字が出るところまでは想像できましたが、この悪い結果を株式市場は無視し続けるとは少し想定外でした。

もしくは既に2月からの下落に織り込んでいたのでしょうか。それなら、エコノミストの予想が毎週かなり甘い数字なっているのはなぜでしょう。どうもスッキリとしません。

来週4月15日からは決算シーズンが始まりますが、企業の業績がどの程度ダメージを受けているのかを見て、今後の投資を考えたいと思います。

景気後退の中での一時的な株価上昇

失業者の増加からほぼ間違いなく言えるのは、2020年3月に米国は新型コロナウイルスをきっかけにして景気後退に入ったということです。

景気後退に入った場合は、そんなに簡単に株価が底を打ってピークをつけることはあリません。

過去50年間の景気後退のデータ

  • 景気後退に入る場合、株価の頂点から底値到達まで平均18.2ヶ月かかる。
  • 景気後退時でも、一時的に10%以上株価が上昇するのはよく見られる。途中で一時的な株価上昇を繰り返しながら、何度も大きな下落して底をつける傾向がある。

過去の景気後退時に、株価のピークから底値まで下落するにかかった期間は、平均で18.2ヶ月です。

ついでに株の底から、何ヶ月でもとの株価に戻ったかを調べると、36.2ヶ月かかっています。1990年のような短い景気後退になったとしても底値まで3ヶ月、株価回復まで4ヶ月あるので、合計7ヶ月間の株価が割安な投資期間がありました。

なので、今までと同じような景気後退なら、まだこれから大きな下落がある上に、十分投資の機会もあるはずです。

今の時期にどうしても慎重にかまえてしまうのは、前回のリーマンショックで「景気が底を打った」と判断してから何度も下落を経験した記憶に引っ張られているせいかも知れません。

以下のグラフでは、リーマンショックとITバブル期の株価の頂点から、底までの下落の推移を表していますが、2020年3月後半から4月に見られたような株価の上昇を何度も経験しながら、時間をかけて株価は底に向かって落ちていきました。

底を打ちのタイミングに乗り遅れてリターンを逃すよりも、タイミングを早まって損を広げるほうがダメージが大きいので、今のところはじっくり投資しようと思います。


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