過熱の一途をたどっていた米中貿易戦争ですが、歩みよりの気配を見せてきました。
- 中国の歩み寄り:為替操作国の指定で人民元安の非難を浴びた中国が人民元の基準値を1ドル7元よりも元高に設定したと発表。
- 米国の歩み寄り:米国家経済会議のカドロー委員長からトランプが中国との貿易交渉継続を望んでいると発言。
8月に入ってから、初めての両国の歩み寄りです。これを受けて、市場は安定感を取り戻してS&P500は+1.30%となりました。
思ったとおりですね。前日から、このブログでは貿易戦争の過熱は米中の両国共に望んでいない展開なので、いずれ歩み寄りを見せるといっていましたが、その通りに動き始めました。
ただし、まだまだ9月1日米国の追加関税が避けられるわけではないので、まだ注意が必要な状況です。実態経済に影響を及ぼす関税追加は景気後退の進行のために避けなければならないイベントです。
まず中国が歩み寄りをはじめた
約10年ぶりの1ドル7元を超える元安になり米政府は中国を為替操作国に認定しました。これを受けて、まず中国が動きを見せました。
8月6日朝に中国人民銀行は人民元取引の目安となる基準値を1ドル6.9683元に設定と、7元よりも元高に設定しています。(※ドル元は数字が小さくなるほど元高です。)
言わずもがな、ポイントは基準値を7元よりも元高めに設定したことです。これは中国が見せたアメリカへの歩み寄りでした。
カドロー国家経済会議院長
そして中国が1ドル7元よりも元高に基準値を設定した同じ日、今度は米国家経済会議のカドロー委員長が、トランプ大統領は中国との貿易交渉継続を望んでいると発言しました。
カドロー委員長によれば、トランプ大統領は中国との取引を依然として望んでおり、9月に中国の使節団を迎えることを依然検討していると言います。
だたし、カドロー委員長が貿易交渉は「正当な取引」でなければならないと強調している点、まだまだ中国との溝を感じますが、一時の貿易戦争の過熱に対して両国が一定のブレーキを踏み始めたのは確かなようです。
投資はまだまだ様子見の状態
私の投資家としての動きは、まだまだずっと静観です。FRBが利下げしたら株を売却すると、以前このブログで話をしたので、実は既に8月を明けた直後にいくらか売却しているのですが、それ以外に予定外の行動を取ることなく今のところは、いつでも動ける準備をしつつ事態の進展を見守りたいと思います。
2019年8月の時点でもし動くことがあるとしたら、極端に悪化した経済指標が出た場合ですが、その可能性は極めて低いと思っています。