最近の米国株の株式市場はだいぶ落ち着いたように思います。
2020年は2月19日に最高値をつけてから米国株は急変しましたが、市場の急落から早くも3ヶ月がたちました。

2020年の下落は多くの投資家にとって予想外だったと思います。私も予想していませんでした。
そして、私の場合はこの下落の間にいくつか判断ミスをしました。今回の記事では今だから思う「ああ、この時、こうしていればよかったな」と反省している点を3つほどあげます。
コロナショックでの投資の反省点
- 新型コロナウイルスのよる経済的なダメージの規模を見誤った。景気の低迷は一時的で、大したことないと思っていた。
- 株に投資できる資金をかなり確保していたにも関わらず、下落したタイミングで大胆な買い増しができなかった。
- 債務危機について知識が十分になかった。債務危機に似た事象が起こっていることに気づき、その解決策はFRBが債権を買い支えることのほぼ一択と知っていれば、FRBの行動開始を機に大胆な投資に切り替えられた。
新型コロナウイルスによる経済的なダメージの規模
まず、私は新型コロナウイルスの米国経済へダメージは一時的で大したものではないと思っていました。
他の多くのことについては、悲観的なシナリオも同時に頭に入れて投資をしていたのですが、正直こここまで世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大すると思っていませんでした。
20年1月に中国での流行が拡大している時も、「一時的に経済活動はとまっても、過ぎに景気はV字回復する。来年になれば新型コロナウイルスのことを気にしている投資家はいない」と思っていました。
「新型コロナウイルスで米国株下落」は現時点で心配無用。
1月から中国で流行している新型コロナウイルスの恐怖から米国株が売られたようです。でも、個人的にはウイルスは単なるきっかけで、本当の原因は、2019年10月以降に株が上昇しすぎて割高になっていたので、株の価格調整をしているように見えます。
上記の記事は1月28日時点のものですが、自信満々なタイトルが恥ずかしいですね。
一般的には災害は最初は過小評価され、そして状況が進むにつれて過大評価されるといった旨の発言を投資家のレイ・ダリオがしていたと思いますが、私自信がまさにウイルスの影響を過小評価していました。
何も予兆がなければ占い師でもないので予測することは出来ませんが、中国が世界に先行して感染拡大や景気の低迷を経験しているので、「米国も感染拡大したら、景気低迷や株価下落が起こるかもしれない」と想像力を働かせることができたはずです。
【新型肺炎】1ヶ月遅れで中国を追体験する世界の国々
世界中で新型コロナウイルスが広まっていますが、どうも1ヶ月前の中国を追体験しているように見えます。1ヶ月前の中国の状況と似ているのは、感染者数の拡大だけではありません。株価の急落も、急落後の中央銀行の相次ぐ金融緩和策で株価の下落を止めようとする動きも、1ヶ月前の中国に似ています。
また失業や倒産があいつだ場合には、新型コロナウイルスの前のもとの世界の状況に戻るには時間がかかるとは以前にこのブログでも言っていましたが、不幸にもこの状況に陥ってしまったため、今後も景気回復には時間がかかりそうです。
都市封鎖を解除しても景気低迷が続く理由。
アメリカでは、新型コロナウイルスの対策で発令した外出制限を解除するための議論が進んでいるようです。しかし外出制限が解除されても、しばらく景気の低迷は続くと見る専門家も多いです。この記事では「なぜ経済活動を再開しても、景気の低迷が長期化する恐れがあるのか」について考えます。
米国株の大胆な追加投資ができなかった
新型コロナウイルスが大きな景気の低迷を招くとは予想していませんでしたが、私はもともと10年以上続いた米国の景気回復がそろそろ終わりと迎えると思って、株の投資を抑えていたので、投資資金はかなり潤沢にありました。
【投資方針】次の不況を耐える新ポートフォリオを考えました
今まで私は米国株のみ100%保有し、売却をしない方針で投資をしてきましたが、2019年は次の景気後退に備えて、大きく投資方針を変えています。この新たな投資方針にそって、具体的にどんな銘柄や資産をどの割合で保有するかのポートフォリオを考えたので、一度ここで公開したいと思います。
それにも関わらず、2-3月の株の下落時に株の大きな買い増しができなかったのは心残りでした。
株の購入タイミングはそれほど間違っていなかったと思います。米国株が底値をつけたのは3月23日でしたが、3日後の3月26日には株の再開を宣言する記事を書いていました。
2020年、株の購入を再開します。
市場に異変を感じた2018年10月から米国株の購入を控えてきましたが、そろそろ株の購入を再開しようと思います。(1)米国での新型コロナウイルスの感染者数の増加がピークをつけ、なおかつ(2)混乱している社債市場の売りがピークを超えたら、米国株の購入を再開しようと決めていました。
問題はまだ株が下落することを心配して、少額の投資しかできなかったことです。
この経験の後、昔読んだ本を読み返していたところ、ある言葉が目に止まりました。
「周りが意気消沈して売ろうとしているときに買い、周りが高揚した気分で買おうとしているときに売るには最大限の勇気が必要だが、そうすることで最大限の利益が得られる(ジョン・テンプルトン)」
もっと大胆に買いに行くべきか、もしくは下落率に応じて機械的に株の再投資をすべきだったと反省しています。
大きく下落する市場で何が起こっているかを把握できていなかった
3月中旬は市場の様子を見ながら、何かいつもと違う動きを毎日のように感じていました。
2月から3月上旬までは株が売られて国債などの安全資産が買われるリスクオフの動きでしたが、3月中旬から株も国債も金も何でも売られる現象に変わっていました。
今から思えば、この現象は債務危機の動きに似ていると思うのですが、当時は知識が不十分で債務危機に気づけませんでした。
2020年、コロナショックで市場に起こっていたこと
渦中にいるときには気づけなかったのですが、今になって振り返ると一瞬だけ見られた「売れる資産は何でも売る動き」は、あと少しで債務危機につながる状態にあったのではと感じます。少し時間をおいた今だからこそ、2-3月の市場で何が起こっていたのかを振り返っておきたいと思います。
債務危機が起こった場合、人類は今までそれを解決する手段として有効なものを1つしか知りません。それが、FRBなどの中央銀行による資産の購入でした。
この知識を2020年3月の時点で知っていたら、FRBによる大量の資産購入が本格化したタイミングでもっと大胆に株に追加できていたはずです。
以上が、2020年2-3月の私の反省点です。今後さらに市場に動きがでれば、年内にさらなる反省点も出てくると思いますが、できる限り同じ過ちは2度繰り返すことのないように投資に挑みたいと思います。