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オミクロン株について現時点で考えていること

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世の中では、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の話題が盛り上がっているので、このブログでも触れておきたいと思います。

この記事のポイント

  • モデルナによるとオミクロン株に対し、従来のワクチンの効果が薄い恐れがある。
  • オミクロン株の症状が軽い場合も考えられるが、もしもそうでない場合の影響をこの記事で考える。
  • 最近の資産価格の下落は一時的な可能性もあるので基本は静観。FRBが金融緩和を継続する意思を見せるなら、上昇を期待して強気に出ても良いかも知れない。

オミクロン株に対するワクチンの効果について


このオミクロン株についてはまだわかっていない点が多いですが、ワクチンを作っているモデルナ社によると、どうもオミクロン株に対する従来のワクチンの効果は弱いようです。

>>モデルナCEO、オミクロンに既存ワクチン効果弱いと警告-報道(ブルームバーグ)

つい先日までは新型コロナウイルスに関する投資家の関心はかなり低かったのですが、ワクチンの効果が弱いとなると再び景気回復が鈍化する心配をしないといけません。

なので、オミクロン株の発見が大きく報道された26日(金)、モデルナCEOがワクチンの効果が弱い可能性に触れた30日(火)の株式市場は下げています。

オミクロン株の影響について


オミクロン株に対して従来のワクチンの効果が薄そうだとのことですが、感染した場合の症状の重さについてはまだ報告がそれほど多くありません。

「患者を調べてみたら、オミクロン株はそれほど危険ではなかった」という可能性もまだあります。南アフリカで診察をする医師によれば、オミクロン株の症状は軽症で済んでいるという話もあります。

>>オミクロン株感染疑い患者は「軽症」 南ア医師(AP通信)

また、オミクロン株に対応したワクチンは早ければ、数か月でまとまった規模を製造できるようになるとモデルナ社CEOも言っているので、景気への影響は一時的で収まるかも知れません。

有効なワクチンが作れる見込みが高い場合は市場の混乱はしだいにおさまり、投資家は特に大きな変更なく投資を続けて良さそうです。

そうではなく「やはりオミクロン株は危険な存在だ」とわかった場合にどのような影響がありそうか、私なりの考えを書くと次のようになります。

  • 世界の景気回復が鈍化する。
  • 新型コロナウイルスの感染防止対策で工場の生産能力は低下し、インフレは長続きする。
  • 企業の利益は減少するが、FRBが金融緩和を予想よりも長続きさせるなら、株価は景気ほどダメージは受けない。

株への影響について

上にも書いたように金融緩和が予想よりも長続きすることになれば、株価は一時的に下げてもそれほど大きな悪影響が出ずに回復するかも知れません。

金融緩和をいつまで継続させるかの判断はパウエル議長率いるFRBのメンバーが決めますが、パウエル議長は「オミクロン株は雇用とインフレの目標達成のリスクになる」と発言し、(状況によっては金融緩和はまだ継続させたほうがいいかもしれないとも聞こえる)含みをもたせています。

>>パウエル氏、「オミクロン株」は当局の2つの責務にリスクとなる(ブルームバーグ)

最近の米国株の下落は気になりますが、今後は株にプラスなニュースもあるかも知れないので静かに様子を見ようと思っています。

インフレとコモディティについて

景気の悪化を心配して石油や金属などのコモディティ(商品)は下げていますが、インフレもコモディティももう少し長い目で見ると価格が上昇する可能性がある思います。

たしかに、景気鈍化は一般的にはコモディティ価格に下落する力が働きます。

ただ、コロナの感染が広まれば半導体のなどの工場の生産能力が落ちて、輸入国のアメリカのインフレ率が上昇する動きがまだしばらく継続することになります。

また、中央銀行FRBが金融緩和を長く継続させる展開になるなら、さらなるインフレを招いてコモディティの価格にプラスに働くはずです。

もう少し細かいことを言えば、まだ景気鈍化の懸念がある時期にはゴールドが強く、オミクロン株の脅威が晴れることになれば石油や素材が強くなると思います。

さいごに

最近は「米国株」も「コモディティ」もどちらも価格が下がっていますが、どちらも悪影響は一時的で終わる可能性は十分にあり、金融緩和の継続すれば今以上に価格が上る可能性すらあると思っています。

今は価格が下落しても静観して、FRBが「粘り強く金融緩和を続ける必要がある」という旨の発言が強くなるようなら、強気に出てもよいかも知れません。

この記事では、オミクロン株の報道が出てからまだ1週間と経っていない段階での私の考えを書きました。

さらなる情報がわかって考えが変わるようであれば再び記事を書きたいと思いますが、まだ悲観はしていません。


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