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オミクロン株がアメリカ経済に与える影響について

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11月下旬の時点でわかっている情報を元に、世界で流行りはじめた新型コロナウイルスの変異種(オミクロン株)が経済に与える影響について、以下の記事で考えていきました。

>>オミクロン株について現時点で考えていること(2021年11月30日の記事)

それから2週間の時間がたって、当時よりも状況がクリアになったのでもう一度オミクロン株がアメリカ経済に与える影響を考えます。

現時点での私の考えでは、アメリカでもこの冬にオミクロン株が広まって感染拡大の波が訪れると思います。アメリカではサービス業を中心に経済成長率が少し鈍るほか、高いインフレ率も長く居座るようになると思います。

この記事のポイント

  • 既存のワクチンの接種を追加接種することで、感染をある程度抑えることができる。
  • オミクロン株は重症化する割合は従来よりも少ないが、感染拡大が速い。
  • 国民への追加接種を完了させるには時間がかかるため、この冬は世界中で感染拡大の波が訪れる可能性が高いと思われる。
  • その影響を受けてアメリカでは景気拡大ペースのわずかな減速と、高いインフレ率の状態が長引く。

この冬に感染拡大が予想されるオミクロン株


11月下旬から感染が広がりはじめたオミクロン株ですが、毎日情報が入って少しずつどんなウイルスなのかが明らかになりつつあります。

その中で、気になったのは次の2点です。

  • 既存の新型コロナワクチンを追加接種すれば、感染をある程度抑えられる。
  • 他の変異株よりも感染が広がるスピードが速い。

ワクチンの効き目が弱いと言われていたオミクロン株ですが、既存のワクチンでも追加で打てば大半の予防効果は回復するという研究結果があるようです。これは良いニュースです。

>>コロナワクチン3種、オミクロン株には追加接種必要か=米研究(ロイター)

しかし、心配なことにオミクロン株は今までの新型コロナウイルスでは見られなかったスピードで感染が拡大すると言います。

>>オミクロン型感染拡大、WHO「例のない速さ」(日経新聞)

具体的に見てみると、オミクロン株が最初に流行した南アフリカでは確かに最近は急激に感染者が増えています。

南アフリカに隣接するエスワティニ(旧スワジランド)でも、恐らく感染が広がっていると見られて新規感染者数が急増しています。

注目なのは、南アフリカもエスワティニもわずか2週間から3週間で、今までのどの感染拡大の波よりも感染者数が多くなっていることです。

既存のワクチンを追加接種すれば予防はできますが、わずか数週間で全国民に追加接種できる国はそう多くありません。

なので、この冬は世界中でオミクロン株による感染拡大の大きな波が訪れるのだろうと思います。

12月15日の報道では、ロンドンの感染者の約4割はすでにオミクロン株だと言われているので、オミクロン株が世界で流行るまでにそれほど時間はかからなそうです。

オミクロン株流行による経済への影響


この冬世界中でオミクロン株が流行するとして、経済にはどんな影響があるでしょうか。

  • アメリカでは対面が必要なサービス業を中心に、景気回復が少し鈍化する。
  • 世界中の工場での生産ペースが落ちて供給不足が長引けば、アメリカのインフレも長引く。

すでに新型コロナは何度も流行を乗り越えている上に、オミクロン株は幸い重症化しにくいと言われているので、流行しても大きな景気の減速はしないと思われます。

景気回復が遅れるのは具体的には航空、ホテル、クルーズ、レストランなどですが、全米での個人消費への影響はそれほど大きくないと思います。

一方で、少し気になるのは世界中では感染拡大防止のために、工場がフル稼働できなくなる恐れもあるので、半導体などの品薄な状況は長続きすると思います。

これによりアメリカの高いインフレ率の状態が長続きするようになるはずです。

最後に、オミクロン株流行による米国株への影響ですが、業績回復が遅れるサービス業を除けば直接的な影響はそれほどないと思います。


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