2022年は年初から米国株が低調です。
年初からこれだけ不調だった年も珍しいので、データで振り返ってみようと思います。
この記事のポイント
- 2022年は年初44営業日で米国株がマイナス11%を記録したが、過去123年をさかのぼってもワースト2位の成績。
- また、2022年のように年初から悪い成績を残している年の多くは、残りの営業日でプラスの成績に転じていることが多い。
過去123年でワースト2位に悪い年初来の2022年
2022年はやたらと悲観的な投資家が多いです。
冷静に見るとS&P500の下落率はたったのマイナス11%などのですが、年初からずっと下げていて明るい材料がほとんどないために、投資家の気分も下がっているのを感じます。
これほど年明けと同時に低迷している年も珍しいです。
年初から44営業日(3月7日の終値まで)の米国株の変動を振り返ってみると、過去123年を振り返ってもワースト2位で悪い成績を記録しているようです。
年初から低迷した年のその後の株価
少し興味深いことに、この話には続きがあります。
上で調べた年初から米国株が低迷した年でその後の値動きをみてみると、ほとんどの場合でその後は株価が上昇していることがわかります。
2022年以外のワースト10の中で、年初から44日悪くその後も下げた年は2008年と1920年2つしかありません。
この数字だけみると、2022年も確率的にはこれから上昇する可能性は高いです。
下げ続けた年の共通点
「2022年もこれから上昇する可能性があると言っても、まれに2008年や1920年のようにさらに下げることだってあるじゃないか。今回もこの2年のように下げることはないのか」という声があるのもその通りです。
なので、2022年が1920年や2008年と似ているのかどうかも少し見ていきます。
1920年と2008年の大きな共通点は「景気後退直後」という点です。
当時のことをしっかり覚えている人もいるかも知れませんが、2008年はサブプライムローン問題などで2017年12月に景気後退に入ったばかりでした。また、記録をたどってみると1920年も1月にちょうど景気後退入りをしています。
かなり雑な推論ですが、年初から2-3ヶ月大きく下げた場合でも2008年や1920年のような景気後退直後だったなら、残りの年に株価が上昇する力は残されていないようです。
さて、2022年の景気はどうでしょうか。
2021年に比べると景気拡大は弱まっていますが、今のところ景気後退入りしている様子はまだありません。(強いインフレと急な利上げが待っているので、株価が上昇する力も弱そうではありますが)
アメリカはこれから1-2年以内に景気後退に入るとしても、その前にもう一度米国株が上昇する余地が残ってくれていると投資家としてはありがたいです。