コンテンツへスキップ

ビットコイン投機をどうやったら投資に変えられるか、本気で考えてみた。

  • by

この記事では、ビットコインをまっとうな投資対象として見ることはできないか、本気でその可能性を探って行きたいと思います。

既に仮想通貨に投資している人よりも、むしろ「仮想通貨を買ったこと無いけど、どうせギャンブルと同じだろう」という考えを持っている方を対象に向けて書いています。

本当に「仮想通貨」って無視するほど価値のないものなのか、価値があるとしたら「一体どんな投資の方法が考えられるか」がこの記事のテーマです。

この記事は長いので、結論を先に書いておきます。

  • 2011-2019年の期間で、ビットコインは株・国債・金・コモディティに比べて投資効率がもっとも高く、投資対象になりえる。
  • 個人的には全くオススメしませんが、100%ビットコインへの投資がもっともリターンが高い。(ただし、儲けも損失も数倍になる仕組みは決して使ってはいけない。)
  • 普段、100%米国株で運用している人は「95%米国株・ビットコインを5%」にすることで、毎年の価格変動(リスク)が5%上がるだけで、リターンは12%から24%へと倍増する。個人的にはこれをもっともオススメします。

問題なのは仮想通貨ではなく、仮想通貨の投資方法

そもそも、この記事を書こうと思った理由は、価格変動の大きい仮想通貨でムチャな投資をしている人、そして仮想通貨で損する他人を見て喜んでいる人があまりにも多く、仮想通貨に関してまっとうな投資を検討している人がほぼ皆無だったからです。

ネットやTwitterで仮想通貨について触れている人を見ると、「大儲けしたことを歓喜する投資家」と「他人の大損を喜ぶ部外者」の2つにくっきり別れていて、まるでテレビのワイドショーのようです。

これだから、世界中の投資家から仮想通貨は投資ではない、投機対象だと言われてしまうんだと思います。

「ビットコインが急落して、全財産失いました」というツイートを見て、実際のビットコインの下落率を調べてみると、たった10%や20%とかだったりします。きっと儲け損失も5倍から10倍に膨らむリスクの高い投資方法をしていたのでしょう。

ビットコインには最高値から80%下落した過去もありますが、それは個別株でもよくあります。個別株でもリスクの高い方法で投資すれば、あっという間に全財産を失うことができます。

不幸自慢じゃないですが、私が投資した高配当株のフリーポートマクモランやIPOしたてのGoProはアメリカが絶好調の好景気のなか、90%下落してちゃんと無事に大ダメージを食らった過去があります。そんな銘柄を掴んでいても、投資の方法を間違わなければ、毎年市場平均に負けず劣らずの成績は安定して残せます。

つまり、仮想通貨が投資対象として不適格なのではなく、仮想通貨への投資の仕方が間違っているのではないかと考えたのです。

そもそも、株への投資だとしても投資か投機(ギャンブル)かを決めるのは、商品ではなく投資方法です。

なので、一度世の中の偏見を全て捨てて、まっさらな少年のような純粋な心で、まずはビットコインは投資対象となり得るかという疑問からスタートしていきたいと思います。

疑問:ビットコインは投資対象になりえるか

さて、意外と知られていない事実からお話したいと思います。ビットコインのリターンについてです。

ビットコインのリターンは他の資産を圧倒

この2011年から2019年9月までビットコイン、米国株、米国債、金、コモディティ(商品)で1年間平均リターンは何%だったかを比べたのが、次の表です。

シンボル 11年1月-19年9月の年率リターン
ビットコイン BTC/USD 231.10%
米国株 VTI 12.18%
10年国債 IEF 4.35%
GLD 0.41%
コモディティ DBC -6.76%

はい。見ての通り、ビットコインの圧勝です。

2011年ともなると相当に初期のころなので、もう少し最近でかつ、ビットコインが不利になるように大幅下落を経験した2014年から2019年9月までのリターンを調べてみても、年率54.91%で他の資産を圧倒します。

米国株、米国債、金、現金の200年間のリターンを調べたときに、米国株が圧倒的にリターンが高いという有名な研究結果があるから米国株に投資している人はかなり多いです。私もその理由から、米国株に投資している1人ですが、そういう人にとってはビットコインも投資対象として考えてはじめても良いのではないでしょうか。

リスク対リターンの効率でもビットコインが優位

ただし、投資はリターンだけを見て行うものではありません。リターンが大きくても、リスクが大きすぎて無駄に資産を危険にさらしていたら、大問題です。

なので次は、リスク(価格の変動)に対して効率的にリターンが得られているか示すシャープレシオという数字を追いかけてみましょう。

次の表は、資産ごとのシャープレシオ(リターン効率)を現したものです。シャープレシオの値は大きいほど良いと言われています。

シンボル シャープレシオ
ビットコイン BTC/USD 0.9
米国株 VTI 0.8
10年国債 IEF 0.72
GLD 0.28
コモディティ DBC -0.59

はい。こちらもビットコインが一番です。

もちろん、ビットコインはよく知られているように、価格の変動は大きいのですが、「リスクに対して一番効率よくリターンが得られる資産もまたビットコインです」と表は言っています。

資産構成(ポートフォリオ)最適化ツールを使って見てもビットコイン1択

ちなみに、Portfolio Visualizerというツールを使って、ビットコイン・米国株・10年米国債・金・コモディティの5つの資産の均等配分した資産構成を入力して、一番効率的にリターンが得られるように(シャープレリオが最も高くなるように)ポートフォリオを組み直してもらうと、結果は「他の資産なんて、混ぜないでビットコイン一択で投資するのが一番効率が良い」と結果が出ます。

ビットコインの長期投資はありか

そうは言っても、ビットコインは短期的な投資に向いていて、長期の投資には向いていないじゃないかという声はあります。ブームが去ったら、あとは下落していくだけだろうという意見です。

こちらは「数字(定量)」と「特徴(定性)」から見ていきましょう。まずは以下の表を見て下さい。こちらは年毎のビットコイン最低価格を示したものです。

ビットコインの最低価格
2013 $13.16
2014 $289.30
2015 $171.51
2016 $354.91
2017 $755.76
2018 $3191.30
2019 $3391.02

2014年から2015年にかけての大暴落の影響を受けて2015年の最低価格だけ前年を下回っていますが、その他はずっと右肩上がりです。あの2017年の仮想通貨のバブルが弾けてもそれでもなお、最低価格は底堅い上昇をしています。

毎年、最低価格が挙がっている仕組みをビットコインの特徴から解説すると次の2つが理由として挙げられます。

  • ビットコインは金と同じように世の中に出回る総量が決まっているので、需要が増えれば価格があがる。ビットコインの認知度・信頼度が上がって、買う人が多くれば価格が上がる。
  • さらにビットコインは金とは違い、4年に1度で新規で世の中に出回るビットコインが半分になる仕組み(半減期)がある。供給が減るので、需要と供給の関係から価格があがる。

なので、単にブームだけで短期的に価格が上下しているわけではないようです。

一旦、ここまでの結論を整理

はい、だいぶ長くなったので、ここまでの結論を整理しておきたいと思います。

  • 2011年から2019年までのビットコインは株・国債・金・コモディティに比べて投資効率がもっとも高く、投資対象になりえる。
  • リターンだけを求めるなら100%ビットコインへの投資がもっともリターンが高い。(ただし、儲けも損失も数倍になる仕組みは決して使ってはいけない。)

2点目について、大事な補足ですが「儲けも損失も数倍になる仕組み(レバレッジ)は決して使ってはいけない」というルールはビットコインに投資する上で、必須だと思います。

なぜならば、ビットコインは価格の変動が大きく、2014年に-60%、2018年に-73%の損失を出しているので、もしも2倍のレバレッジを使っていた場合には、損失が100%を超えて全財産を失い、投資が続けられなくなるからです。

というわけで、「レバレッジを使わないで、100%ビットコインに投資しましょう」という結論がここまでで出ました。

ただし、これで終わったらただの仮想通貨愛好者の記事です。本番はここからです。

ここまでで、ビットコインはどうも投資したらリターンが高いことはわかりました。ギャンブルではなく、投資対象として見れる可能性もありそうだということも解りました。

問題は「じゃじゃ馬」のように暴れまわって、乱高下する価格です。これを抑える方法がないと安心して投資できません。いくら100%ビットコインに投資するのが効率的とはいえ、私もそんな乱高下の激しいジェットコースターのような投資をしたくありません。

というわけで、最後にビットコインの暴れまわる価格変動をどう抑えるかを、検討します。

ビットコインリスクの変動を抑えるには分散投資

さて、結論からいうとビットコインの価格変動を抑えるには「ビットコインと他の資産を同時にもつ分散投資」が一番有効です。そして、ビットコインを何割で、他の資産を何割もつかですが、ここではリスクを抑えるために有名な「リスクパリティ」という手法を使ってみようと思います。

リスクパリティという手法

生命保険会社や年金機構など、安全に資産運用したい投資のプロ達が愛用しているのが、この「リスクパリティ」という手法です。難しい言葉に聞こえますが、変動の大きな資産を少なめ、変動の少ない資産を多めに保有することで、各資産のリスクを均等にすることを目指すのがこの手法です。

このブログは一応、米国株ブログなので、ビットコインと合わせて保有する資産に米国株を選んで話を進めたいと思います。米国株とビットコインを保有する場合には、何対何の割合で保有すればリスク・パリティになるかを、計算するのは面倒なのでツールを使って調べていきます。

使うのは、またしてもPortfolio Visualizerというサイトです。いつもお世話になってます。

サイトに移動したらOptimization Goal(最適化目標)の項目に、Risk Parity(リスクパリティ)を選択した後、適当に保有資産にビットコイン(^BTC)と米国株(VTI)を入力して、リスクパリティな資産構成を求めた結果がこちらです。

こちら、何回か実行すると異なるリスクパリティな割合を出す可能性がありますが、私が実行したときにはビットコインわずか5.1%、米国株94.9%でした。

「米国株100%」と「米国株94.9%・ビットコイン5.1%」の2パターンで年率リターンと価格変動(標準偏差またはリスク)を比べたのが、以下の表です。

米国株100% 米国株95%・ビットコイン5%
年率リターン 12.18% 24.51%
リスク(標準偏差) 12.17% 17.27%

米国株100%の場合に比べると、ビットコインを約5%混ぜた場合には価格変動は平均して5%大きくなってしまいますが、その分リターンは12%から24%へと倍増します。リターンのグラフを見ると実に顕著です。

さて、さすがにビットコイン100%の場合のリターンの年率231.10%には到底かなわないものの、5%価格変動が大きくなるだけで、年間リターンが12%から24%に倍増するなら、やってみても良い気がしませんでしょうか。

まとめ

以上、この記事では長々と書きましたが、最後にまとめます。

ビットコインはデータを見る限り約10年の間、他の資産を上回る投資効率を誇りました。もしも、この過去のデータを信用して、なおかつリスクを最大限に取れるなら、ビットコイン100%の投資が最も効率が良い投資法です。

しかし、多くの人にとってビットコイン100%を保有することは現実的ではありません。価格変動が大きすぎるためです。

価格変動を抑えるためには、他の資産に少し割合のビットコインを混ぜ合わせる方法があります。そうすることで、他の資産だけの場合に比べて、リターンを改善することができます。

もしも、私も資産の一部をビットコインで投資をしています。興味ある方は、まずはどこの口座でも良いので、少額から初めてみると良いと思います。

主要な暗号資産(仮想通貨)取引所

私の場合はどれか1つの口座に限定せずに以下3つの口座に資金を分散させて投資しています。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。