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【米中協議】今後の動きは小さな部分的な合意を繰り返す展開か。

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米中が2018年から続く長い協議の末にようやく結んだはずの部分的な合意は本質的な議論が何も進んでいないし、協議前と変わらない状態が今後も続くと前の記事で書きました。

【米中貿易】部分的合意を発表も、投資家は何も行動を変えなくて良い理由。

もう少し踏み込んで、部分的な合意を結ぶ前も米中の協議が変わらないなら、今後の米中協議はどのような展開になるのかを考えてみたいと思います。

完全に個人的な予想ですが、今後数ヶ月前にはこんなことが起こると思っています。

  • [予想1]:追加関税の発表の後に、小さな部分的合意と関税発動中止を繰り返す展開が続く。
  • [予想2]:市場は米中貿易のニュースとトランプ大統領の発言に対して関心が低くなり、株価が変動しにくくなる

ただ、当たっていても、当たらなくても、全然気にしないでくださいね。個人投資家は1つ1つののニュースに振り回されない投資をしましょうというのは、こちらの記事で書いたとおりです、

個人投資家とニュースの上手な付き合い方。

私の短期的な予想はよく外すので、参考程度にお付き合いください。

[予想1]:追加関税の示唆をし、小さな部分的な合意と中止を繰り返す

まず1つ目の予想は、追加関税の発動予告と中止を繰り返すというものです。

基本的に中国は協議を前進させる気はないので、しびれを切らしたトランプ大統領が追加関税を宣言します。その後、両国は歩み寄って、米中の協議再開までこぎつけ、小さな部分的合意をして追加関税の発動が中止されるという展開です。

なんか、既にどこかで見たことがある話ですね。既視感が半端ないです。

2019年6月末に関税を引き上げると言いつつ、直前の米中首脳会談で追加関税を注視したり、10月15日に関税の税率を上げると言いつつ、その直前の協議で部分的合意して税率引き上げを中止したり、私達は何度も既にこの光景を見てきました。

そして、アメリカは既に次の関税をちゃんと用意しています。それは前々から宣言していた12月15日の追加関税です。10月部分的合意では10月に予定していた追加関税は中止にしましたが、12月分は中止にしませんでした。

これは確実に意図があります。私は、部分的な合意を小出しにするための下準備なのかなと考えてしまいます。トランプ大統領が10月の協議を終えて、「これの部分的合意は第一弾だ」「すぐに第2弾の協議に入る」と言っていたので、第2段では12月の関税が中止になる合意がされるのかなと思いました。

この関税発動の示唆と中止を繰り返す部分的合意を繰り返すストーリーでは、基本的に投資家は米中の協議の経過には気にしなくていいと言えます。注視してみたところで、アメリカの戦利品は農産物や食肉など、トランプ大統領の選挙で支持を固める程度のもので、大きくアメリカの経済に影響を与えるものは少ないからです。

ただし、唯一気をつけたいのは、SP500が最高値を更新するようなアメリカ経済が絶好調な場合です。2019年5月上旬や8月上旬などその時の株価は絶好調で最高値を更新するようなタイミングで宣言された関税引き上げは、中止されずに実際に発動されています。

偶然かもしれませんが、トランプ政権はアメリカ経済が関税に耐えられるような強いタイミングを図って、関税を発動している恐れがあります。

今後も株価が歴代最高値圏にあるときだけでは、気をつけなければいけません。関税は確実に経済を冷やすからです。

[予想2]:追加関税の示唆をし、小さな部分的な合意と中止を繰り返す

2つ目の予想も既に現れている現象なのですが、株式市場は米中貿易協議のニュースに反応しにくくなっています。

チャートを見ても、過去の米中対立激化と協議のタイミングに比べて、2019年10月の株価の変動は小さくなっているのが解ります。もしも、市場も私と同様に、根本的な米中対立の解決には時間がかかり、それまでは合意されたとしても本質的でないものが続くと思っているなら、今後も米中協議の進展が、市場に与える影響は小さくなるかもしれません。

そうなると、米中協議の進展よりも、長らく続く関税や減速が予想されるヨーロッパや日本の影響で、アメリカ経済がどこまでダメージを受けるより重要になってくる気がしています。


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